「味覚の秋」におすすめの一本 岐阜の地酒に酔う2024イベントレポート
5年ぶりの東京開催となった「岐阜の地酒に酔う2024」。当日は30の酒蔵が吟醸酒、純米酒は言うに及ばず、生原酒、発泡清酒、古酒からにごり酒、リキュールに至るまで各蔵の個性が光る146種類が提供され、再開を楽しみに待っていた多くの岐阜の地酒ファンが酔いしれました。
「岐阜の地酒に酔う2024」が、9月7日に東京の[ベルサール飯田橋駅前]イベントホールで開催された。
岐阜県内30の蔵元がブースを設け、清酒・焼酎・リキュール等のきき酒が豊富にラインアップ。
今回Sake World NFTに出品している酒蔵にこの秋のおすすめの銘柄を聞いた。
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1 岐阜の地酒に酔う2024とは
岐阜県内30の蔵元がブースを設け、清酒・焼酎・リキュール等のきき酒を行った。
参加蔵は、足立酒造場、日本泉酒造、小町酒造、三輪酒造、武内、渡辺酒造醸、大塚酒造、所酒造、小坂酒造場、御代桜醸造、白扇酒造、蔵元やまだ山田商店、花盛酒造、布屋 原酒造場、中島醸造、若葉、千古乃岩酒造、三千盛、林酒造、はざま酒造、山内酒造、岩村醸造、恵那醸造、平瀬酒造店、船坂酒造店、原田酒造場、平田酒造場、奥飛騨酒造、渡辺酒造店、蒲酒造場。岐阜県酒造組合の主催となる。
今回は酒類業界関係者の第一部、一般の第二部といった二部構成で行われ、5年振りの東京での岐阜の美酒飲み比べを堪能した。
2 岐阜県の酒の特徴
岐阜のお酒は、北アルプス、白山など多くの山々の雪解け水を源流に、長良川、飛騨川、木曽川、揖斐川など豊かな水量の河川から6つの地域(岐阜、西濃、関、多治見、中津川、飛騨)で醸される、まさに「山紫水明」が育む酒。
岐阜県が開発した酒造好適米「ひだほまれ」、清酒酵母「G酵母」などの利用も盛んで、山田錦、雄町、五百万石など全国に流通する酒米の酒だけでなく、県独自の味わいも各蔵が競っている。
3 試飲レポート
平瀬酒造店【高山市】
▲平瀬酒造店 代表取締役社長 第十五代目 平瀬市兵衛さん
久寿玉 手作り純米
スペック=原料米ひだほまれ、精米歩合60%
「今日の4つの商品のうち、一番のおすすめです。うちの蔵の水は硬度10の軟水を使用し、硬度が低いので熟成はゆっくり。雑味が少なく仕上がるのも軟水の特徴です。蔵の古くからある手をかけた商品で、この秋は味がしっかり乗ったお酒を味わっていただきたいですね。
このお酒は熟成にも向くタイプです。最長でも2年を越えない範囲で期間を設定して、熟成での味の変化も是非お試しください。」
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千古乃岩酒造【土岐市】
▲千古乃岩酒造株式会社 代表取締役 中島大蔵さん
千古乃岩酒造 純米吟醸原酒(さかおり棚田米仕込み)
スペック=原料米さかおり棚田米、精米歩合50%
「原酒なので味が濃いめですが、後味の切れのいいお酒に仕上げてあります。酒米は、日本の棚田百選に選ばれた岐阜県恵那市の坂折棚田でとれたお米を使い、地元のNPO棚田保存会と連携して蔵元の私も自ら田植え稲刈りから関わらせていただいています。米の旨味が感じられるまろやかな味わい。これから涼しくなってくると食中酒として鍋などの暖かい食べ物に合せて欲しい一品です。」
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岐阜♯岐阜♯酒蔵
小町酒造【各務原市】
▲小町酒造株式会社 金武ちかこさん
熟成古酒 純米七段仕@1999BY
スペック=原料米岐阜県産米、精米歩合65%
「タンク貯蔵で25年寝かせたものです。前の杜氏が残しておいたもので、七段仕込み=お米を7回に分けて投入していく醸造の仕方をしています。出来た時から黄色い色合いで当初は販売の予定がなく、たまたま古酒に特化した酒屋さんが評価してもらい商品化につながりました。
長期熟成により琥珀色となっており、古酒ならではの香りは穏やかで、干したアプリコットやリンゴ飴などの風味を感じさせ、純米酒に年月の深みを加え奥深い旨みが特徴です。」
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岐阜♯岐阜♯酒蔵
平田酒造場【高山市】
▲株式会社平田酒造場 セールス・プロモーター 山本富司夫さん
飛騨の華精白90
スペック=原料米ひだほまれ、精米歩合90%
「持ってきているもの全部おすすめしたいのですが、ひとつということであれば他の蔵にはないところで精米歩合90%の「飛騨の華精白90」はいかがでしょうか。当蔵は少量小仕込み、丁寧な造りにこだわっています。造りもいろいろと工夫をして、90%ものは2シーズン目ですが、山廃仕込みにしたのは今シーズンが初めてです。米の旨味を引き出せた商品ですので、食中酒として、お煮しめ、照り焼きなど濃い味付けのものと併せてお楽しみいただけたらと思います。」
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♯岐阜♯NFT♯酒蔵
所酒造【揖斐川町】
▲所酒造合資会社 代表社員蔵元杜氏 所優さん
兎心BLACKひだほまれ(数量限定酒)
スペック=原料米ひだほまれ、精米歩合65%
「微発泡性純米吟醸酒兎心(ところ)BLACKのシリーズから「ひだほまれ」はいかがでしょう。
「日本酒は食中酒である」をテーマに、米の旨味と酸味をしっかりと感じられるキレのよい純米酒造りを心掛ける中から生まれた限定商品です。地元岐阜県産の米の甘さを感じながらも微発泡でガスが含まれているので、食中酒としてフライなどの揚げ物などの料理に合わせてもらうと、お口の中をスッキリさせながらお食事を進めていただける相性の良さがあります。」
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岐阜♯岐阜♯酒蔵
中島醸造【瑞浪市】
▲中島醸造株式会社 首都圏営業 長瀬弘明さん
純米吟醸備前雄町 おりがらみ生
スペック=原料米備前雄町、精米歩合55%
「美濃地方東部の屏風山の柔らかい水質の伏流水を使った、世界35カ国に輸出される「小左衛門」ブランドの中の定番商品のひとつです。フルーティでジューシーな華やかな香りとお米の旨味を感じられるお酒に仕上り、単体で楽しまれることももちろんですが、濃いめの味付けのお料理と一緒に食中酒として楽しまれることもおすすめです。美濃の歴史と自然、作り手の情熱をこの一杯から感じてください。」
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- 中島醸造
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岐阜♯酒蔵♯岐阜
4 岐阜の地酒に酔う2024東京会場を振り返って
5年振りの東京開催となった2024年、岐阜の酒を愛するファンが開場を待って長い列をつくった。入場後の熱気も、以前の開催場所であった竹橋・如水会館の時と変わらず熱い。それに応える30の蔵元も、充実した面持ちで途絶えることのないファンとの交流に励んでいた姿がとても印象的だった。
レポートした以外の酒蔵も巡り感じたことは、コロナ禍以降の消費指向にどう対応していくのか、それぞれの蔵ごとに試行錯誤を続けている姿。自らの伝統的な造りに加え、商品の品揃えの充実、季節ごとに応じた飲み方の提案など、より消費者にきめ細やかに寄り添いながら、自社商品をお客様の生活の中に根付かせていく、そんな岐阜県酒造関係者の努力が垣間見えたイベントだった。
ライター Kunie
コロナ禍前まで、「荻窪いちべえ」「千駄木稲毛屋」や、御徒町や西荻窪の酒販店の蔵元が参加するお酒の会で舌を鍛えました。コロナを期に長野県に移住。時間を作って酒蔵の蔵人の真似事やワイナリーの援農、ブルワリーのタップルームや蒸留所巡りと、今もどっぷり浸かった「お酒の沼」から旬の情報をお伝えします。