酒蔵に聞く

28年熟成酒がSake World NFTに登場!
飛騨高山「平田酒造場」
丁寧に醸される酒造りに密着

岐阜県飛騨高山「平田酒造場」の酒造りに密着。“酒は醸し育てるもの”をモットーに少人数制で手作りにこだわる、純米大吟醸から熟成酒まで心をこめて造るお酒を紹介

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「酒は醸し育てるもの」をモットーに伝統を守る

雪が降り始めた11月末の飛騨高山。底冷えが厳しい高山の気候はお酒造りに適している。
飛騨高山には7蔵の酒蔵が密集しており、10月頃から3月頃まで酒造りが行われる。
古い町並みから蒸気が上がる早朝の景色はひとつの魅力だ。
平田酒造場は良い日本酒は天から恵まれた気候風土と蔵人の和によってもたらされるとして、
「酒は醸し育てるもの」をモットーに掲げ、少量仕込み丁寧な造りにこだわる。
蔵に着くと杜氏の津田さんと販売担当の店長山本さんが出迎えてくれた。

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店長山本さん(左)と杜氏の津田さん(右)
プロフィール
3年ほど前から酒造りと販売を二人三脚で取り組む。山本さんは飛騨高山出身、観光業に強く販売一式を担う。津田さんは和歌山県出身ながら、飛騨高山に感銘を受け縁があり入社。丁寧に楽しみながら日本酒を醸す

手作りここだわり、丁寧に心を込める

蔵内にはもくもくと蒸気が。午前7時頃には米が蒸し上がる。

蔵を見渡すと若い女性の蔵人さんの姿も。
3年前ほど前までは普通酒しか造ってなかったが、「若い世代にも飲んで欲しい」という想いから特定名称酒に力を注ぐようになった。
今では、幅広い世代にはもちろん、日本酒の魅力と可能性を世界に発信すべく取り組んでいる。
「初心を忘れず、小さい蔵なので手作りにここだわり、丁寧に心を込めて造っています」と津田さん。

仕込みタンクは600~1500リットルと少量制。
津田さんの頭の中に設計図があり、麹の作り方、米の水分量、米の種類などさまざまな要素を計算し、造りたい酒質のイメージに向けて配合を変えて整えている。
「小さい仕込みなので、醪の温度も管理しやすい」と自信を持つ。

搾り機は昔ながらの佐瀬式搾り機を使用しており、上からゆっくり搾り上げ酒質が柔らかいのが特徴。醪に聞くように、津田さんがタイミングを見て搾っていく。

翌日の仕込みのお米を洗米し浸漬。水、温度、米の状況を秒単位で判断する時間との闘いだ。

主要銘柄の純米大吟醸

「うちのお酒はきれいでやさしい」と自信を持つ山本さんおすすめの純米大吟醸。

昇龍乃舞 純米大吟醸


メイン銘柄の昇龍乃舞(しょうりゅのまい)
「2024年は辰年なので干支のお酒として、門出など華やかな場で飲んでほしい」と山本さん。
奇跡の米「イセヒカリ」で醸す純米大吟醸。
イセヒカリとは平成元年も伊勢地方に大きな被害を出した台風の中、たった2株残った稲が元になった“奇跡の米”。
イセヒカリを30%まで磨き、飛騨高山の清らかな伏流水でじっくり醸す。メロンやリンゴを思わせるフルーティーな香りとさわやかな酸味。すっきりとしたボディとドライな味わいは食中酒におすすめで、どのような料理ともマッチする。2023年「インターナショナルワインチャレンジ」日本酒純米大吟醸部門銀賞、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」プレミアム大吟醸部門金賞など数々の賞に輝く。双龍を描いたラベルは着物の家紋入れ職人・紋章上繪師の手によるもので、ハレの日にふさわしい贅沢な一本だ。

昇龍乃舞 白 純米大吟醸


酒米は山田錦、使用酵母は9号酵母(熊本酵母)、精米歩合35%。かつて全国新酒鑑評会で金賞が獲りやすいとされていた”YK35”規定にこだわり、最高の食中酒を目指して造られた。香りのみならず、味わいをしっかり重視して醸された旨口タイプの純米大吟醸酒。バランスのよい中取りの雫酒で、上品で飲み飽きしない美味しさだ。

多賀山 純米大吟醸


兵庫県産の山田錦を35%まで磨き、飛騨の伏流水で醸した純米大吟醸。華やかな吟醸香とフルーティーで上品な甘みが口の中に広がり、魚介料理を引き立てる。食前酒、食後酒にもおすすめ。2023年には「全国新酒鑑評会」入賞、「インターナショナルワインチャレンジ」純米大吟醸部門金賞・岐阜トロフィー獲得、岐阜県新酒鑑評会連合会長賞、「フェミナリーズ世界ワインコンクール2022」日本酒純米大吟醸部門金賞など多くの受賞歴あり。通常あまり流通しない特別銘柄だ。


日本酒度+17、辛口好きの方にはぜひとも挑戦してほしい。
きりっとした辛みと酸味、そしてどっしりとしたお米の味。
「これぞ日本酒」という特徴を継承しながらもドライな風味に仕上げた雄々しい一本。
そのままでも燗でもおすすめ。

平田酒造場の熟成酒

「若い世代にも古酒文化を広げていきたい」と近年は熟成酒にも取り組んでいる。
時が重ねて価値になる、挑戦の熟成酒を堪能あれ。

熟成古酒酔翁8年

IWC2014(国際ワインチャレンジ)SAKE部門・古酒の部で金賞・トロフィー受賞酒、長期熟成古酒酔翁の息子。8年以上熟成させた古酒をブレンドしており、琥珀色をしたやや甘口の原酒で柔らかくまろやかで深みがある味わいが堪能できる。
今後さらに熟成させることで色合い、香りや味わいは「長期熟成古酒酔翁」に近づいてくるものであろうと確信させる出来映え。
飲み方は常温がおすすめで、夏はオンザロックも。
揚げ物、肉類などの料理と相性抜群で食前酒やデザート酒としても楽しめる。
また、アイスクリームにかけると贅沢の極み。

SUIO

1994年に仕込まれ、2023年で28年目。まもなく30年を迎えるヴィンテージュ酒。岐阜産の酒米ひだみのりと飛騨の伏流水で醸し、薄暗い蔵の奥に並ぶホーロー製タンクにて熟成。光や空気を遮断することで、透明色からはちみつ色、そして美しい琥珀色へと変化を遂げた。ドライフルーツような複雑な香気をまとう個性的な味わい、そして甘みと旨味の中に酸味と苦味がバランス良く溶け込み、奥行きのある余韻を楽しめる。2014年「インターナショナルワインチャレンジ」日本酒部門にて725銘柄の中から最高賞(チャンピオン・サケ)を獲得。終わりのない熟成を表現したボトルデザイン、年輪をイメージした筒状のパッケージにも魅せられる。

平田酒造場の挑戦は続く

話を聞けばまだ寝かせている日本酒があるという。
「知名度や名前が通っていないので、味で勝負」と山本さん。
「お酒は流通してなんぼ、まだまだやれることがある!」と津田さん。
この2人から生まれる平田酒造場の力は、いずれ世界に名を馳せるだろう。

平田酒造場

平田酒造場

創業
1895年(明治28年)
代表銘柄
飛騨の華、昇龍乃舞
住所
岐阜県高山市上二之町43Googlemapで開く
TEL
0577-32-0352
HP
https://h-sake.jp/
営業時間
10:00〜17:00
定休日
不定休

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