Sake Trivia

【豆知識】日本酒で漬けた梅酒って? さっぱり爽やかな日本酒のリキュールについて知りたい!

これから暑さが増してくると飲みたくなるのが、爽やかな日本酒リキュール。梅や柚子などフルーツを使った日本酒リキュールについて、唎酒師の藤田えり子さんが解説します。

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昔は薬として飲まれていたリキュール

リキュールとは、フルーツやハーブなどのエキス分を抽出して甘みを加えたお酒のこと。ベースに使われるお酒は蒸留酒が主ですが、日本酒で作ったものもリキュールと呼ばれます。

リキュールの生みの親は、紀元前4世紀の古代ギリシャのお医者さま、あのヒポクラテスといわれています。当時は薬草を漬け込んだ一種の薬として用いられていました。日本人にとってもっとも親しみのあるリキュールといえば梅酒ですが、江戸中期の書物『本朝食鑑』には梅酒についての記述があり、やはり薬用酒として飲まれていました。梅酒には疲労回復、整腸作用、食欲増進などの効用があるといわれています。

ご当地フルーツを生かした日本酒リキュール

日本酒を使ったリキュールを製造販売する酒蔵は多く、特に地元のフルーツを使ったご当地ものはおすすめです。高知県の柚子や岡山県の桃、山形県の洋梨、栃木県のいちごなど種類はさまざま。福岡県の八女茶のお酒など、フルーツ以外にヨーグルトやコーヒーを使ったものもあります。当然ですがいずれも日本酒と香味が近い、または相性の良いものばかりですね。

日本酒のリキュールは低アルコールのものが多いので、キーンと冷やしてグラスで楽しむほかに、オンザロックもよし。もちろん、ソーダ割りやカクテルにしても最高です。フルーティーな大人の味わいを楽しんでください。

日本酒の梅酒はやさしい味わい

日本酒のリキュールで一番多いのは、やはり梅酒。和歌山などの名産地以外でも、全国各地で梅酒は作られています。梅酒といえばホワイトリカーを使ったものが一般的ですが、日本酒の梅酒はアルコールのカドがなく、度数は低めで飲みやすいのがいいところ。甘さもやさしく、ふんわり漂う梅の香りが上品です。

自家製の梅酒も美味しいですね。ぜひ、今年は日本酒で作ってみてください。ただし酒税法の関係で、個人で作る場合はアルコール度数20%以上のお酒を使用する決まりがあるので、必ず梅酒用の日本酒を使うこと。梅酒用の日本酒は6月頃の青梅が出回る時期に合わせて販売されることが多いです。

材料は梅1kgに対して梅酒用の日本酒1.8ℓ(1升)、日本酒自体に甘みがあるので氷砂糖は300〜500gと控えめに。作り方はホワイトリカーの場合と同様です。梅をよく洗って数時間水に浸けてアク抜きし、水けを拭ってヘタを取り除きます。清潔なガラス瓶に梅と氷砂糖を交互に入れて日本酒を注ぎ、冷暗所に保存します。日本酒で作ると1〜2カ月ほどで飲み頃になりますが、もっと早くしたい場合は、一度冷凍した梅を使うという方法があります。

Sake World NFTでも日本酒リキュールは購入できます。お酒はちょっと苦手という人でも飲みやすい、爽やかな味わいですよ。


桑酒 720ml

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山路酒造

梅酒八代(つゆあかね)

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廣瀬商店

長良川 丸ごと柚子

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小町酒造

 


ライター・唎酒師 藤田えり子
大阪の日本酒専門店に世界を広げていただき、さまざまな日本酒や酒蔵に出合う。好きな日本酒は秋鹿、王祿ほか
お酒以外の趣味は鉱物集めとアゲハ蝶飼育。

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