編集部が行く!

あおもりの地酒アンバサダーと巡る青森酒蔵ツアー Vol.3 ~ツーリズムとしての酒蔵の意義~

青森酒造組合が取り組む「あおもりの地酒アンバサダー」制度。 第4期アンバサダー4名と2泊3日で青森の酒蔵を巡る今回の企画。 最終日の3日目はツーリズムとしての酒蔵の在り方を考える。

  • この記事をシェアする

青森酒造組合が取り組む「あおもりの地酒アンバサダー」制度。
第4期アンバサダー4名と2泊3日で青森の酒蔵を巡る今回の企画。
最終日の3日目はツーリズムとしての酒蔵の在り方を考える。

関連記事はこちら

あおもりの地酒アンバサダーと巡る青森酒蔵ツアー
~青森の魅力再発見~ Vol.1
♯青森

関連記事はこちら

あおもりの地酒アンバサダーと巡る青森酒蔵ツアー Vol.2 ~弘前、青森、十和田、八戸横断編~
♯青森

1.ツーリズムとしての酒蔵の意義

本州最北端に位置する青森県。東に太平洋、西に日本海が面し、自然豊かな「十和田湖」「八甲田山」「奥入瀬渓流」、下北半島には「仏ヶ浦」などの絶景地。春は桜で有名な「弘前城」、夏季は青森ねぶた祭、弘前ねぷたまつり、五所川原立佞武多、八戸三社大祭など日本を代表する祭りが開催地。冬はウィンタースポーツが楽しめる。

そして青森県の観光のひとつに酒蔵巡りをおすすめしたい。
清らかな水と良質な酒米、そして独自に研究開発された酵母で醸造される青森の日本酒は、どれも名酒が揃う。今回、巡った11蔵は蔵見学ができる酒蔵もあるので、実際に蔵に行って試飲やお土産など堪能してほしい。

この記事の紹介者はこちら

青森県酒造組合 広報委員会委員長
八戸酒造株式会社 専務取締役 駒井秀介さん
プロフィール
1978生まれ。東京にて2002年八戸酒造入社、2003年から陸奥八仙のリブランディングを手掛ける。また青森酒造組合広報委員長として日々青森の地酒の発信に取り組む

2. 日本最大級!?八戸を代表する巨大朝市を堪能

前日の大宴会より数時間?この日は午前6時40分集合。
せっかく八戸に来たのだからと青森県酒造組合 広報委員会委員長
でもあり、八戸酒造株式会社 専務取締役の駒井秀介さんに案内してもらった。

まず辿り着いたのは「館鼻岸壁朝市」
平均約2万人、多い日は約5万人が来場する国内最大級の巨大朝市だ。
3月中旬~12月までの毎週日曜日、日の出から午前9時頃まで開催しており、全長800mに渡り魚介類や野菜、惣菜店や飲食店、雑貨店などなど300店舗以上が軒を連ねる。
また2024年10月19、20日には全国朝イチサミットが開催される。
人気の小籠包や塩手羽先、郷土料理のせんべい汁などを堪能。

■館鼻岸壁朝市
青森県八戸市新湊3 館鼻岸壁
陸奥湊駅より徒歩15分

「葦毛崎展望台」から「種差海岸」へ。
三陸復興国立公園内にある、国の名勝地として知られる海岸。
美しい海岸線と、岩礁や奇岩怪石が織り成す雄大な景観は必見。

青森県八戸市鮫町字棚久保
種差海岸駅下車、徒歩約3分

「蕪島」「蕪嶋神社」
ウミネコの繁殖地として有名な面積約1.8ha.ほどの島。
神社周辺は毎年3万羽を超えるウミネコが飛来する。
糞を落とされる可能性がある為、神社までの階段では傘を貸し出している。
さぁお腹も心も満たされたところで蔵巡りへ。

3. 全国に轟く八仙ブランド「八戸酒造株式会社」

安永4年(1775年)に創業された酒蔵。
現代表は八代目駒井庄三郎氏。初代は滋賀県高島市出身の近江商人で、代々庄三郎を襲名している。
通りに面した赤レンガ造りの蔵や木造の店舗の雰囲気に圧倒。
「文化庁登録有形文化財」「八戸市景観重要建造物」にも指定されており、リノベーションされた空間では音楽イベントなども開催している。

蔵を案内してくれたのは専務の駒井秀介さんと弟で杜氏の伸介さん。
2人が中心となり蔵のブランディングに取り組んでいる。
中でも全国的に有名となっている「陸奥八仙」
ターゲットを若者層や若い女性にも楽しんでもらえるように、フルーティーで飲みやすい味わいを意識している。
「八仙らしさ、甘味はあるけど、酸とのバランスを意識しています」と駒井さん。

またツーリズムにも積極的に取り組んでおり、蔵見学と試飲をセットにした蔵見学プランも実施している。蔵の歴史を説明しながら、貯蔵蔵を案内、試飲スペースで利き酒タイムなど、約1時間で楽しめるコースだ。

・陸奥八仙 貴醸酒
貴醸酒とは、水の代わりに酒で仕込んだお酒のこと。
フルーティーな香りにコクととろみが合わさり、甘みがやさしく広がる。

・貴醸酒 PREMIUM 2023 BRANDY CASK FINISH
出来上がった貴醸酒をブランデー樽で寝かせることで、味と香りに深みと円やかさをプラス。

地元の洋菓子店とオリジナルで開発しているスイーツの酒粕ドーナツや酒粕を入れたホワイトチョコレートをアテにすると相性抜群。
またスピリッツ、リキュール、果実酒の免許も取得しており、ますます幅を広げていく予定だ。

八戸酒造では今年も酒米の田植えと稲刈りを体験できる「メンバーシップ」や5月24日には「第10回Sake Festival八仙を愉しむ会」、7月14日には「八仙夏の蔵まつり」等、今年も学びの場や楽しいイベント等盛りだくさん。
気になる方は八戸酒造HPInstagramをチェックしてみて。

■八戸酒造株式会社
住所:青森県八戸市大字湊町字本町9番地
電話番号:0178−33−1171
HP:https://mutsu8000.com/

4. 青森県で一番大きな酒蔵「桃川 株式会社」

最後は青森県で一番大きな酒蔵へ。
「いい酒は朝が知っている」をキャッチフレーズに、
「おいしいお酒を通じて人を幸せにしたい」という理念の元、酒造りに取り組んでいる。

まずは日本一大きな杉玉の前で記念写真。
重さは約600kgあるという。

蔵を案内してくれたのは勤続50年近くになるという大塚さんと執行役員、営業副本部長 兼 八戸本部長 村井信也さん。

仕込み水は清流奥入瀬川水系の軟水で口当たり柔らかい。
また約95%青森県産米を使用し地元の魅力を発信している。
定番の純米酒やワイン仕込みの純米吟醸、にごり酒など豊富にラインアップ。
蔵見学は完全予約制で対応しており、試飲や購入まで堪能できる。

たっぷりの用意してもらった試飲も余すことなく堪能。
「私はにごり酒がおすすめです」とMiyaさん。

思い残すことなく日本酒も購入。
飲んでも飲み疲れないのは、さすがいい酒は朝が知っている。

■桃川株式会社
住所:青森県上北郡おいらせ町上明堂112
電話番号:0178-52-2241
HP:https://www.momokawa.co.jp/

5. お土産を購入して

お土産はなんでも揃う八食センターへ。
八戸市にある食品市場で、その日水揚げされた魚介類や八戸名物を販売している。
全長170mの通りに約60店舗が軒を連ね豊富な品揃えが魅力。
また、飲食店も海鮮系や和食、ラーメンなどがズラリ、購入した食材をその場で炭火焼きで食べられる「七厘村」は特に人気だ。

施設内にある「八食酒屋 地酒本舗」では青森県をはじめとする北東北の地酒や、地酒に合う東北の美味しいものを厳選して販売している。実際に試飲も可能で、八食センター限定日本酒もあるので帰路の最後に足を運びたい。

■八食センター
住所:青森県八戸市河原木神才22-2
電話番号0178-28-9311

6. ツアーを振り返って

あおもりの地酒アンバサダーと巡る青森酒蔵ツアーを振り返って。
あっという間の2泊3日だった。
とにかく出会う人々が温いのが印象的だ。

地域の酒蔵だと95%、人気の酒蔵でも70%が地元青森で消費されている。
全ての酒蔵のお酒を日本全国で飲む機会はまだまだ少ない。
青森県では数十年前までは約30蔵あった酒蔵が現在は15蔵になっているという厳しい現状も重く感じた。

実際に足を運び、蔵の歴史を知り、味を知り、ツーリズムとしての酒蔵を体験してほしい。
Vol.3は八戸市をメインに体験したが、青森県は魅力的な観光地がたくさんある。
観光と酒蔵巡りを組み合わせて日本酒の奥深さを知ってもらいたい。
青森県には素晴らしい場所と人と日本酒がある。

特集記事

1 10
FEATURE
Discover Sake

日本酒を探す

注目の記事

Sake World NFT