ブレンド日本酒を積極的に提供!創業35年、京滋で9店舗展開する[shioriya]の取り組みをインタビュー!
ブレンドという新たな価値を加えて日本酒の魅力を展開し、また、日本酒のオリジナルブレンドも体験できる「My Sake World」。そんな事業に賛同するお店や人物をご紹介。今回は、オリジナル日本酒を提供している創業35年の[shioriyaグループ]を訪ね、西土社長と商品開発の片桐さんにインタビュー。ブレンドの日本酒を積極的に提供する戦略に迫る。

京都の3つの酒蔵の協力のもとに実現した日本酒[Assemblage Club(アッサンブラージュ クラブ)]や、個人や飲食店、企業がオリジナルブレンド日本酒を作ることができるスポット[My Sake World]。この蔵を超えた日本酒のブレンドという新しいチャレンジをサポートしてくれる人たちに、今の想いを聞いた。
京都を中心に創作和食料理をメインに多彩な店舗を展開する[株式会社shioriya]では積極的にブレンド日本酒を各店舗で提供している。“日本酒のブレンド”という、これまでになかった企画に対する想いや取り組み、その後の影響などについて代表取締役の西土 菜生さんと、商品開発を担当する片桐 彰哉さんにインタビューした。
この方に話を聞きました

- 株式会社shioriya 代表取締役 西土 菜生さん(左)営業部 商品開発・仕入れ担当 片桐 彰哉さん(右)
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プロフィール西土 菜生さん
京都府生まれ。大学卒業後は飲食業とは異なる一般企業に就職。2014年、京都を中心に創作和食料理店を展開する株式会社shioriyaに入社。各店舗の管理やマネージメントを行う本部で様々な業務を経て、2024年1月に代表取締役に就任。
片桐 彰哉さん
京都府生まれ。高校時代より洋食店のキッチンで9年間、腕を磨く。株式会社shioriyaが展開する「御肴ずっころばし」の立ち上げを手伝った縁で2010年、同社に入社。複数の店舗で店長を8年間務めた後、セントラルキッチン「栞屋LAB」で食材仕入れや全店舗の商品開発を担当する
35年間、ひと工夫された料理でファンをつかむ
1988年に28席の小さな料理屋から始まった[shioriya] 。現在は京都を中心に創作和食料理をメインにした9店舗を展開している。創業以来大切にしているのが、「お客様に心から喜んでいただき、また来たいと思っていただける店」だ。そのビジョンは30年以上経った今も変わらない。常に店は地元客でにぎわっているのが、その証しといえる。
長年、お客様の心をつかんでいるのは、ひと工夫を施し洗練された料理の数々。上賀茂や久御山産の地野菜、毎日仕入れる新鮮な魚介類など使い、各店舗で出汁をひき丁寧な仕込みを実践している。「お客様に、うわ!と感動してもらえるよう、味だけでなく盛りつけにもこだわっています」という商品開発を担当している料理歴25年の片桐 彰哉さん。
日本酒は料理と相性の良い地元の酒や有名銘柄を揃える。そのラインナップに、2024年から京都の酒蔵3蔵の日本酒をブレンドした「Assemblage Club Taro´(タロウダッシュ)」が加わった。“日本酒のブレンド”という珍しいお酒を扱った理由を伺うと、「日本酒を充実させたい、とちょうど思っていた矢先に出合い、おもしろい!と思ったんですよ」とドリンク担当も兼務する片桐さん。試飲をした各店長からも好評で取り入れることを決めたという。「とても飲みやすくて、日本酒が苦手な人でも美味しく飲めると思います」。と西土さんも好みの味だそう。
ダシに合う、オリジナルブレンド日本酒「ありが十。」
「オリジナルの日本酒が造れると聞いて、やってみたいと思いました。というのも、価格が高めなのにブレンド酒の評判がいいんですよ」という西土さん。日本酒がブレンドできる施設「My SakeWorld」で実際にブレンドを体験した。一緒に参加した片桐さんは「ウイスキーが好きなので、ブレンドに対して抵抗なく、ワクワクしながら楽しめました」と話す。
オリジナルの日本酒は、shioriyaにふさわしい「出汁に合う日本酒」に決め、ブレンドは調合のプロである「My SakeWorld」にオーダーした。そして、提案されたのが3種類。どのお酒を選ぶかは、各店舗の店長も交えて投票で決められた。圧倒的な票を獲得したのは一番飲みやすいお酒、後に「ありが十。(ありがとう)」と命名されるお酒だった。「ありが十。」の名付け親は、創業者の長谷川克明さん。お客様に感謝の気持ちを伝えたい、という思いからだそう。
老舗酒造・3蔵の銘柄をアッサンブラージュ(混ぜ合わせ)して出来上がった「ありが十。」は、すっきりとした味わいが広がり、後を引く美味しさが特徴の純米酒。そんなお酒には、店自慢のだしまきやお造りなどがおすすめだ。
「ありが十。」は各店舗に登場して、まだ一ヶ月だが、お客様から好評だという。「shioriyaの料理に沿って造ったので思い入れがありますね。ここでしか飲めないという特別感が味わえるのもいいですね」と片桐さん。
「次は各店舗でオリジナル日本酒を作る予定です。各々の店長がブレンドし、ネーミングも担当しました」という西土さん。日本酒にかける熱い思いが伝わってくる。
これからもレアな日本酒を提供したい
最後に今後の目標や抱負をお二人に伺った。
「ブレンド酒のほかにも、朝に瓶詰めされたフレッシュな新酒など珍しいもの、その時期にしか飲めないものなどレアな日本酒にも力を注いでいきたいですね」と西土さん。
「その時代に合った味や盛り付けなど料理のブラッシュアップもやっていきます。これまでと同様に洗練された料理を作っていきたいです」と片桐さん。
「ありがたいことに、コロナ渦を経ても多くのお客様がご来店くださってます。35年間、積み上げてきたことが土台になっているな、と思うんです。これからもそれに甘んじることなく、お客様に満足して帰っていただけるよう努めていきます」と真摯な姿勢の西土さん。
新店舗の出店や新ジャンルの開拓などやりたいことはたくさんあるという。西土さん率いる[shioriya]がどのように新たな展開を見せるのか、今後も目が離せない。
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ライター:飯塚 真里
京都市伏見区在住。近所には情緒ある酒蔵が数多く立ち並ぶ恵まれた環境に住んでいる。日本酒は好きだが、残念なことに舌には自信がない。コクのある甘口が好み。国内外の美術館めぐりが趣味

Foods bar 栞屋
- 住所
- 京都市伏見区御堂前町621
- TEL
- 075-601-1663
- 営業時間
- ランチ 11:30~15:00(L.O.14:30)※土・日・祝日のみ/ディナー16:00~23:00(L.O.22:00、ドリンクL.O.22:30)
- 定休日
- 年末年始(12月31日・1月1日)