【京都・月桂冠】月桂冠大倉記念館がリニューアル!新装オープンした魅力的な展示を徹底レポート

[月桂冠大倉記念館]は「月桂冠」が長年京都・伏見で培ってきた酒造りの技術、歴史を学べるスポットです。2024年2月29日(木)には内装の一部を新装するリ・ブランディングが行われましたので、変更点と展示の魅力をレポートします!

月桂冠大倉記念館
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[月桂冠大倉記念館]は日本有数の日本酒産地である京都・伏見の歴史と同時に、月桂冠の酒造りの歴史、技術について学べる博物館です。建物は1909(明治42)年に建てられた瓶詰め工場を改装して利用されており、600円の入場料には3種のきき酒つき(成人のみ)。年間を通して国内外からの来場者で賑わう、伏見の人気スポットです。

日本酒の造り方だけでなく、「月桂冠」のお酒がどうして全国に広まったのかといった背景を分かりやすい資料を元に楽しく理解できる展示は貴重。本記事では2024年2月に実施されたリニューアル点をお伝えします。

月桂冠大倉記念館

ポイント1. 広々としたエントランス

[月桂冠大倉記念館]入口の正面には、重厚感あふれるカウンターと「月桂冠」のロゴが。ロゴサイズは1.3メートルと大きく、迫力があります。

月桂冠大倉記念館

画像出典:「月桂冠大倉記念館」

入口左手のスペースは受付までの時間を過ごせる「待合スペース」が広がります。この場所はリニューアル前には火鉢などの展示が飾られていましたが、入口付近での来場者滞留を解消するためにベンチへと変更されました。

月桂冠大倉記念館

ポイント2. 広々とした試飲スペース

展示品の見学後には「月桂冠」の銘酒が3種類試飲できます。来場者の多くが目的にしているきき酒をゆっくり楽しんでもらうために、従来の試飲スペースからおよそ1.5倍の広さに拡張!混雑時でも自分のペースで試飲できるのは嬉しいですね。

月桂冠大倉記念館 試飲

試飲できる銘柄は季節に応じて変更されます。およそ10種類の中から3種類選択できるので、気になる銘柄をゆっくりと楽しみましょう。

中でもここでしか販売していない「内蔵純米大吟醸 しぼりたて生原酒(通年商品)」300ml(1650円)の試飲は貴重です。来場の記念にぜひお試しください。

月桂冠大倉記念館 試飲

ポイント3. さらに買い物しやすいショップに

来場者以外も気軽に立ち入られるショップも、間接照明を基調にした高級感あふれる雰囲気へとリニューアルされました。新たに定温セラーも導入され、これまで以上に品質の高いお酒の購入が可能となっています。

月桂冠大倉記念館 売店

他にも酒器の展示、販売に加えて扇子などの京都らしい品々が売っていました。インバウンド需要にも対応できるよう、日本酒だけではない様々な商品が展開されています。

月桂冠大倉記念館 売店

「月桂冠」の歴史が分かる魅力的な展示品も

一部が試飲スペースへと変更されましたが、「月桂冠」の歴史、酒造りの精神が学べる豊富な展示はこれまで通りとなっています。こちらではその中から一部を紹介します。

1637年(寛永14年)の創業時、「月桂冠」ではなく「玉泉」という名称だったそう。幕末時代には鳥羽伏見の戦いによって、伏見の酒蔵の多くは戦火に巻き込まれてしまいましたが、「月桂冠」は難を逃れ、現在までその姿を残すことになったのです。

月桂冠大倉記念館 展示

1905年(明治38年)、11代目当主の大倉恒吉が一代で事業規模を100倍にします。このタイミングで「月桂冠」という名称に変更。オリンピック優勝時に被る「ローレル(月桂樹)」の輪を参考に「日本酒業界のトップを目指そう」という意味が込められているんだとか。

こうした事実を知れば知るほど、より「月桂冠」のお酒に愛着がわく説明や資料が充実しています。

月桂冠大倉記念館 展示

より魅力溢れる場所になった[月桂冠大倉記念館]

「月桂冠」は日本酒造りに対して、科学的なアプローチを初めてかけた酒蔵でもあります。その精神は現在まで続いており、[月桂冠]の技術力をベースにした様々な新商品が発表されています。

月桂冠大倉記念館 展示

日本酒製造技術が格段に向上し、個性豊かな商品が市場に現れるようになったことと、これまでの[月桂冠]の取り組みは決して無関係ではないでしょう。そんな「月桂冠」の魅力を、リニューアルによってより楽しく、学びやすくなった[月桂冠大倉記念館]にぜひ足を運んでみてください。

  • ・月桂冠大倉記念館(げっけいかんおおくらきねんかん)
  • ・住所:京都府京都市伏見区南浜町247
  • ・TEL:075-623-2056
  • ・営業時間:9:30〜16:30(受付/〜16:00)
  • ・定休日: お盆8月13日~8月16日、年末年始12月28日~1月4日、その他臨時休館日
  • ・入館料:20歳以上600円(3種類のきき酒付き)、13歳〜19歳100円(おみやげ付き)、12歳以下無料
  • ・URL:月桂冠大倉記念館

ライター 新井勇貴
滋賀県出身/唎酒師・SAKE DIPLOMA
酒屋、食品メーカー勤務を経てフリーライターに転身。好みの日本酒は米の旨味が味わえるふくよかなタイプ。趣味は飲み歩き、料理、旅行など

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