酒好きに聞く

青森の日本酒と東北グルメを堪能!あおもりの地酒アンバサダー横山未歩さんに青森の魅力を聞く!

あおもりの地酒アンバサダー横山未歩さんと京都で“青森の日本酒と東北グルメ”を堪能。東北の地酒と郷土料理が味わえる「あいの家」店主 佐々木愛さんと青森の日本酒の魅力ついて語り合ってもらった。

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青森県酒造組合が取り組む「あおもりの地酒アンバサダー」制度。任命されたアンバサダーは1年間、青森の地酒をPRしている。今回、アンバサダーの横山未歩さんと京都にある東北の地酒と郷土料理が味わえる「あいの家」へ訪問。店主 佐々木愛さんと青森の地酒と東北グルメについて語り合ってもらった。

この方に話を聞きました

横山未歩さん
プロフィール
青森県八戸市出身。2023年より京都でフードデリバリーのブランド開発やオペレーション構築を手掛けており、現在は最新の冷凍技術を使った事業開発まで活動を広げている。美味しい食と酒には目がない

この方に話を聞きました

あいの家 店主 佐々木愛さん
プロフィール
宮城県出身。「食を通じて東北の魅力を伝えたい」と言う想いから、2019年に京都で郷土料理のお店をオープン。カウンターをメインにした店内は、愛さんの笑顔に癒されるお客さんで賑わう

1.青森にかける想い

京都市役所前駅より徒歩10分ほど。京都ではなかなか味わうことができない東北の食材をふんだんに使った郷土料理が評判の「おさけごはん処 あいの家」。宮城漁港直送の鮮魚や季節のおばんざいなど豊富に揃え、日本酒は東北6県のみというこだわりだ。
今回、横山さんに「京都で青森の地酒を飲みませんか?」という編集部から誘ってみた。それならばと「あいの家」で東北の地酒と東北グルメを飲み食べしながら青森・東北・日本酒への想いを語り合ってもらった。

-青森への想いは?
横山さん「青森がやっぱり大好き!というのも青森にいる時は“何もない、早く出たい”と思っていたけれど、東京に出て初めてスーパーのお刺身を食べた時に、青森の食材って美味しかったんだと気付いたんです。そこから青森愛が芽生え、拍車をかけるように青森が好きになりました。」

佐々木さん「実は私は幼少期に2年ぐらい青森市に住んでいたんです。その後、宮城に移ったんですが、人の良さがすごく温かかった印象があります。宮城出身ですが青森は大好きです。」

横山さん「うれしいですー!」

-青森のグルメ・日本酒に関して?
横山さん「日本酒はずっと大好きで、もちろん青森の地酒は大好き。なのでアンバサダーになったときはすごく嬉しかったです。地元が八戸なので“八仙”は特に好きですね。青森の日本酒はすっきり飲みやすく食事に合わせやすいものが多いです。地元グルメで特に好きなのは“せんべい汁”。お母さんの味ですね。」

佐々木さん「せんべい汁作ったらよかった~。食に関しては、店を始めるまえに記憶を頼りに改めて勉強させてもらいました。今でも季節毎に宮城に行って、食材の仕入れをしています。日本酒に関して当初は宮城がメインだったんですが、青森旅行に行った時に青森の酒屋さんと出会って、そこから仕入れるようになりました。少なくとも常時5種はありますよ。“豊盃”“田酒”“八仙”は必ずありますよ。“津軽半島”など京都ではあまり飲むこともできない銘柄も取り揃えています。」

今回、新酒、夏酒を含む5銘柄を用意してもらった。

佐々木さん「青森の日本酒は海鮮に合う味わいが多いので後味すっきりが多いですね。いつも旬の銘柄を意識しています。今回は左より尾崎酒造”安東水軍”そして青森県には、ち〜む五(ふぁいぶ)と呼ばれる青森市内の酒屋5店舗のみで数量限定で販売している貴重なお酒“津軽半島”があります。次に盛田庄兵衛よりリニューアルされた夏酒の“駒泉 真心”、こちらも夏酒、八戸酒造の“陸奥八仙”、そして六花酒造の“社来”です。」

横山さん「え~どれから飲もう!」

佐々木さん「せっかくなので酒器もどうぞ。」

どれから飲むか迷う中、色鮮やかな酒器“津軽びいどろ”も登場。お酒と合わせる酒器選びからも気持ちが上がる。日本酒は、グラス税込550円、とっくり税込900円均一。

2.青森の日本酒と東北グルメを堪能

横山さん「まずは八仙からいきましょうか!」

佐々木さん「八仙はすごく評判がいいんです。また夏ラベルなので常連さんも喜ばれますね。八仙に合わせるのはさっぱりした料理、山形だしかけ冷やっこ(400円)です。山形の豆腐の上に山形だしをかけています。」

横山さん「ん~めちゃくちゃ美味しい。さっぱり後味もくどくないし軽やかですね。夏が来たって感じです!」

佐々木さん「さすが八仙という感じですよね。料理は胡瓜と茄子、おくら、茗荷、紫蘇をかごめ昆布、醤油で味付けしています。夏になると定番で出しています。」

横山さん「スイスイ飲めます。クセがなさ過ぎて水のよう。スッキリしているので夏には乾杯の1杯目からもおすすめですね。」

■八戸酒造株式会社(青森県) 陸奥八仙 夏吟醸
アルコール度数:14度 精米歩合 55/60%

佐々木さん「続きまして、夏酒の真心と茄子しそまき(350円)。こちら青森グルメです。」

横山さん「ここのお酒は初めて飲みます。あ~飲みやすい!口に入れた瞬間は水のように飲みやすいですが後からグッとキレが感じられますね。」

佐々木さん「茄子しそまきの味付けは味噌ベースで、みりんと砂糖で甘みを加えています。おばあちゃんの家に出てくるようなイメージですね。」

横山さん「茄子の爽やかさと味噌の甘みがマッチして、スルスル飲めますね。」

■株式会社 盛田庄兵衛 (青森)駒泉 吟醸 真心 ホワイト
アルコール度数 14度以上15度未満 精米歩合 60%

佐々木さん「続いては鯖(400円)です。尾崎酒造の津軽半島を合わせますね。」

横山さん「以前、尾崎酒造さんが津軽半島は、ぬる燗でも冷でも合うとおっしゃってました。」

佐々木さん「全部のお酒はお客さんが飲みたい温度で提供可能です。温度変化を体験したい方も多いので、最初はぬる燗、次は熱燗などもできますよ。私はぬる燗がおすすめです。」

横山さん「ではお酒との出合いを(笑)夏酒に比べるとしっかりしてますね!あ~美味しい。」

佐々木さん「夏酒に比べるとタイプが全然違いますね。初めて津軽半島を入れた時に、お客さんから評判が良くて、常時入れるようにしています。酒屋さんからも一押しです!さまざまな料理にも合うので万能な日本酒ですね。関西で置いている店があまりないので、是非飲みに来てください。」

横山さん「私、鯖大好きなんですよ。八戸は鯖が有名なので。あ~脂のっている!サイコー!」

佐々木さん「今日は宮城のブランドサバで、金華サバです。」

横山さん「やっぱり鯖と日本酒の相性は抜群ですね!」

■尾崎酒造 株式会社 純米吟醸 津軽半島
アルコール度数 17度 精米歩合 50%

佐々木さん「では青森のソウルフード、イガメンチ(450円)いきましょうか!合わせるのは杜来です。」

横山さん「杜来の六花酒造さんは最新の設備を整えているんです。」

佐々木さん「じょっぱりを造っていたところですよね?」

横山さん「そうなんです。ただ蔵は移転していて、誕生してからまだ間もないんです。杜来は去年の秋に誕生したのですが、今回初めての山廃らしいです。杜来のラベルは6種類あり、八甲田山に生殖している動物が描かれているそうです。これは野うさぎですね」

佐々木さん「じょっぱりは特徴的なお酒だったので好きでした」

横山さん「じょっぱりから杜来に変更するときは、じょっぱりを惜しむ声が多くあったそうですが、そこから杜来(トライ)するというのは本当にすごい」

佐々木さん「これ衝撃的で山廃なのにこんなに飲みやすいのって感動でした。」

横山さん「あ~これはすごい!飲みやすいですね。フルーツ感があります。マスカット系なのかな?」

佐々木さん「山廃じゃないみたい!こんなにフルーティーなのも珍しいですね。」

横山さん「イガメンチ(450円)最高です!めちゃくちゃ合いますね。」

佐々木さん「常連さんにも人気で!必ず頼まれる方がいます。」

横山さん「青森のソウルフードイガメンチ、京都では“あいの家”で食べることができるので是非!」

■六花酒造 株式会社 杜来 山廃純米 生原酒
アルコール度数 16度 精米歩合 55/60%

佐々木さん「最後は尾崎酒造さんの安東水軍です。」

横山さん「安定の安東水軍。コクがありながらもクセがないので永遠に飲み続けられますね。」

佐々木さん「合わせるのはいか松前(350円)です。ピリっとしているので、いいアテになると思います。」

横山さん「お米の旨みたっぷりで、柔らかなコクが余韻を感じさせてくれますね。」

-5本の日本酒はいかがでしょうか?

横山さん「あっという間の5本でした!八仙はすごく飲みやすかった。シュワっと夏酒は爽やかなので1杯目からでもいけますね。真心は飲んだ時と後味が変化します!杜来はびっくり、山廃でこんなにフルーティーな味わいは珍しい。尾崎酒造さんは安定の味わいですね。料理もどれも美味しい!またすぐ飲みに来たい!」

3.日本酒の良さを知ってもらいたい

佐々木さん「最近、若い方が日本酒を飲む人が多くて嬉しいんです。若い世代の方に日本酒の良さをもっと知ってもらいたいですね。常連さんはもちろん日本酒好きが多く、メニューに載っていない隠し酒を頼む人も多いです。聞いてもらえれば提案させてもらいますよ。あと日本酒はどの料理にも合うので、料理によって味も変化します。毎回驚かされる日本酒が多く、『こうきたか!』と感動します。毎回、日本酒の味わいの違いが見れて楽しいですね」

横山さん「初めて日本酒を飲む時が大事だと思うんです。私は初めて飲んだのが青森の日本酒だったので、日本酒の本当の美味しさを知ることができました。3月にアンバサダーの活動で、酒蔵を回らせてもらったんです。ラベルを見ると、社長さんや杜氏さんの顔が思い浮かびます。愛情込めて造ってるんだなと感じますね。青森問わず全国各地で造られている地酒って本当にそれぞれの良さがあるので今後も伝えていきたいです。」

佐々木さん「さすがアンバサダー(笑)」

あおもりの地酒アンバサダーの活動をする横山さんと京都で東北の郷土料理を提供する佐々木さん。立場は違えど、同じ東北、青森の良さを人に伝え続けている。
流通の向上から地酒や地域の食材が日本全国で楽しめるようになった近年。
今、いる場所で地域の想いを馳せ、体感できる場所を探してみるのもいいかもしれない。

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おさけごはん処 あいの家

おさけごはん処 あいの家

住所
京都市中京区大文字町238-1 エースビル1階Googlemapで開く
TEL
075-744-6216
HP
https://ainoie.base.shop/
営業時間
17:00〜22:00(土曜日/11:00〜17:00)
定休日
日・月曜日(不定休あり)

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