忍者 篤丸 純米大吟醸五年古酒
瀬古酒造 | 滋賀県
瀬古酒造
忍者発祥の地、滋賀甲賀に佇む瀬古酒造。
1869年(明治2年)創業、地元の米と純米酒にこだわった酒造りを続けている。
山と田畑に囲まれ、鈴鹿山系のゆたかな自然にあふれた山里の中、冬の厳しい寒さと豊富な天然水で育まれたお酒は好評だ。
上野敏幸さん/[瀬古酒造]の五代目蔵元。
元々瀬古酒造は上野さんの妻・篤子さんの実家。埼玉県出身で、東京で広告関係の仕事をしていた敏幸さんが、同じく東京で出版社に勤めていた篤子さんと出会い結婚。その後上野さんが40代になった頃、先代が体調を崩し本格的に酒造りに関わることに。
ほとんど独学からスタートした酒造り。上野さんのこだわりは、甲賀の米と水を使うことだ。「このあたりは、古代には琵琶湖の湖底だったところです。地元では“ずりんこ”と呼ばれているミネラル分の多い粘土質の土壌のお陰で、良質な米ができます。まだすべてを甲賀産とまではできていないのですが、ゆくゆくは甲賀の米だけでお酒を造りたい」。
水も敷地内の地下水を使用。まろやかながらきりっとした鈴鹿山系の伏流水が[瀬古酒造]の酒を引き締めてくれる。
瀬古酒造の味は一つではない。
「純米吟醸 忍者 テロワールシリーズ」は、甲賀産の米の違いを酒で楽しむことができる3本だ。「酵母や麹菌、水の割合は同じにして、米だけを変えています。それで味わいがどれだけ変わるか感じてほしい」。
東京から移住し、環境の変化を乗り越えながら、甲賀の米と水が醸す“地味(テロワール)”の魅力を発信する酒造りの探究は続く。