お正月に飲む日本酒「お屠蘇(おとそ)」とは。由来や作法を紹介!
お正月は元旦に無病長寿を願って「お屠蘇(とそ)」を飲むという習わしがあります。
お屠蘇の意味や作法について、役に立つ知っておきたいあれこれをまとめました!
お屠蘇(おとそ)の由来と意味
お屠蘇は薬酒の一種で、屠蘇散(とそさん)を浸したお酒を元旦に飲み、邪気を払い長寿を願う風習です。
屠蘇散とは生薬を配合したもので、現代ではティーバッグのような形で売られているので日本酒に漬けておくだけの手間要らず!暮れが近づくと酒屋さんやドラッグストアなどに並んでいるのを目にします。
もともとは中国の唐代に始まり、孫思邈(そんしばく)というお医者さんが考案したといわれています。屠蘇とは鬼気を「屠」絶し、魂を「蘇」生させるとの意味があるのだとか。
日本には嵯峨天皇の時代に伝わって宮中で広まり、江戸時代には庶民の間でも正月の行事となりました。
覚えておきたい!お屠蘇の作法
正式な作法では屠蘇器(とそき)という酒器で供されます。漆器などの屠蘇台と銚子、三ツ組み盃がセットになったもので、銚子には紅白の和紙と水引で作った屠蘇飾りを付けて歳神様の目印にします。
日本の慣習では、家長から順にいただきます。また厄年の人は最後に飲むとされています。
元日の朝に家族みんなが東を向き、小中大の盃に1杯ずつ飲みます。三ツ組みの盃がなければ、盃に3回に分けて注ぎ3口で飲み干しましょう。
未成年にお屠蘇はNG?
未成年者飲酒禁止法によるとお屠蘇も雑酒になるので、子どもはアルコールを飛ばしたみりんを飲むか、盃を傾け飲んだふりをするだけでOK。「一人これ飲めば一家苦しみなく、一家これ飲めば一里病なし」と言われているので、飲めなかったとしても大丈夫です。
体を温め、胃の働きを良くする効果あり!?
屠蘇散には肉桂、山椒、桔梗、陳皮などさまざまな生薬が配合され、体を温めて胃腸の働きを良くしたり、風邪をひきにくくする効用があるそうですよ。もっとも薬なので美味しいとはいえませんが、日本酒にみりんを加えて甘くするとちょっと飲みやすくなります。
2024年のはじまりは、お屠蘇をいただいて無病長寿を願いましょう。
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