地域の酒

酒造りの歴史を継承する清酒発祥の地!「奈良県」にある酒蔵の日本酒を紹介!

約2000年という長い歴史のある日本酒。奈良県では最古の酒造場と言われている正暦寺や酒造りの神様が祀られている大神神社があったりと、日本酒と深い関係性がある土地とされている。本記事では奈良県内の酒蔵やおすすめの日本酒などをご紹介。

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奈良県は古代から神事と深い関わりがある酒造りが行われている。
清酒発祥の地である正暦寺で生まれた「菩提酛」を用いた酒造りや大神神社内のササユリから採取した酵母菌を使うなど、全27蔵が個性際立つお酒を醸造している。

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伝統を継承し、良質な環境で造る濃醇甘口酒

奈良県は古代から続く豊かな酒造りの歴史があり、現存する書物によれば室町時代の酒造りについて言及されている。

当時、正暦寺で用いられていた「諸白づくり」という製法が日本酒の原型とされており、同時期に確立された酒母「菩提酛」や日本最古の酒殿がある春日大社など、酒造りの歴史深さを随所で感じられる。

奈良県は酒造りに適したな寒暖差が大きい環境でもあり、まろやかな味わいの日本酒を生むとされる吉野・生駒山系の伏流水や、県産酒米「露葉風」をはじめ大和平野などで育った上質米が使われている。

全体的に上質な甘酸っぱさや米の旨味が感じられる濃醇甘口系が主軸になるなか、各酒蔵で独自の酵母を使用した個性豊かな味わいのお酒があるのも魅力のひとつである。

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①長龍酒造

創業1963年(昭和38年)。日本で初めて瓶詰めの樽酒「吉野杉の樽酒」を発売した蔵元として名を馳せており、創業当時からの看板商品である。
旨い酒を造りたいという気持ちは無限であるという意味を込めた言葉「昇道無窮極」を大事にされており、2010年頃からはより上質な酒質を目指すべく、少量仕込み醸造へとシフトチェンジ。酒米の個性を活かし味わい深さが堪能できる純米酒や純米吟醸酒、さらにはクラフトビールと幅広いラインナップを醸造している。

オススメの1本:雄町 山廃純米吟醸酒(2014)

雄町 山廃純米吟醸酒

雄町米発祥の地である、岡山県高島産の上質な雄町を100%使用。
氷温貯蔵を一定期間していることで、甘さと酸味のバランスは良好。山廃らしいボリューム感のある膨らみを感じられるなか、コク深い香りも堪能できる純米吟醸酒。無濾過で仕上げられているので、雄町米の旨味もじっくりと味わっていただきたい。
なお、商品は注文後に蔵で瓶詰めしている。

  • 特定名称:純米吟醸酒
  • 原料米:米・米こうじ(国産米)
  • 使用米:岡山県高島産雄町100%
  • アルコール度:15%

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長龍酒造
奈良
♯奈良

②上田酒造

創業1558年(永禄元年)。酒造りに対して「古式を大切に今様をさぐる」を心がけており、これを体現しているのが室町時代の醸造法「菩提酛造り」で造られたお酒。製造工程で生米を使っており、絶妙なバランスの旨味と酸味が特徴的だ。
老舗酒蔵ということもあり、氷室神社や往馬大社の御神酒や地元で長年愛されてきた普通酒、完全有機栽培の酒米「イセヒカリ」で醸した純米吟醸酒に凍結酒とラインナップも豊富。

オススメの1本:嬉長 菩提酛純米酒

嬉長 菩提酛純米酒

サラッとした口あたりで甘酸っぱいテイストが特徴的な1本。
口に含むとふわっと広がる芳醇な旨味と、後口をスッキリしてくれる酸味の調和が心地よい「菩提酛造り」らしさが十分に堪能できるだろう。令和5年には「大阪国税局清酒品評会燗酒部門」にて優秀賞を受賞している。

  • 特定名称:純米酒
  • 原料米:米・米こうじ(国産米)
  • 使用米:奈良県産酒米100%
  • アルコール度:16%

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上田酒造
奈良
♯奈良♯酒蔵

③河合酒造

創業1772年(明和9年)。江戸時代の街並みが現存する今井町で唯一の酒蔵として、「想いが伝わる酒造り」をモットーに、伝統的技法を用いた丁寧な少量仕込みをされている。
代表銘柄には縁起の良い名前が付いた「出世男」があり、濃醇な味わいと軽快な喉越しのバランスが調和した本醸造原酒が人気高い。他にも華やかな香りが楽しめる大吟醸系や辛口で程よい旨味も相乗した純米酒など、歴史深さを体感できる味わいの幅広さも特徴のひとつだ。

オススメの1本:本醸造原酒 出世男

本醸造原酒 出世男

原酒特有の力強い味わいと程よく辛口な酒質を持ちあわせており、和食や中華などジャンル問わずペアリングが楽しめる食中酒向きな1本。アルコール度数は18%と高めなので、ロックで楽しむこともできる。

  • 特定名称:本醸造酒
  • 原料米:米・米こうじ(国産米)
  • 使用米:一般米
  • アルコール度:18%

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河合酒造
河合酒造
奈良
♯奈良♯酒蔵

④西内酒造

創業1877年(明治10年)。酒蔵がある談山の地にはかつて、菩提酛で名高い「正暦寺」と並び称される、僧坊酒が造られていたとのこと。そんな由緒ある場所を流れる伏流水と、品種改良した奈良のお米を用いて、談山のお酒が醸造されている。
販売ラインナップには、純米種や吟醸酒をはじめ、奈良県でも珍しい貴醸酒や塁醸酒、さらに黒米酒などバリエーション豊富に揃っている。

オススメの1本:談山 貴醸酒

談山 貴醸酒

仕込み水の代わりに日本酒で仕込まれた貴醸酒は、貴腐ワインやアイスワインのような超甘口タイプに仕上がっている。
デザート感覚で堪能できるということもあり、ロックやソーダ割、シロップとしてアイスにかけてと色んな味わい方ができる。

  • 特定名称:特別純米酒
  • 原料米:米・米こうじ・清酒(国産米)
  • 使用米:奈良県産キヌヒカリ
  • アルコール度:16%

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西内酒造
奈良
♯酒蔵♯奈良

歴史を踏襲した唯一無二な銘柄揃い!

長い歴史で培われた技術と優れた自然環境を活かしつつ、各蔵元が追求した独自の個性が楽しめるのが奈良県の日本酒である。
濃醇甘口テイストは幅広い年齢層で楽しめるものなので、飲み比べながら各蔵の魅力をご堪能あれ。

ライター:谷口廉
高知県出身/唎酒師・土佐酒アドバイザーの資格保持。
地元の出版社を経て、フリーランスの日本酒フォトライターとして四国エリアで活動中。
インスタグラム「sakelike_ren」で日本酒情報も発信している。

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