幻の限定酒“山形讃香”を飲み比べ!「なかの東北絆まつり」潜入レポート
東京・中野で、東北6県の物産品やグルメなどが楽しめるイベントが2023年10月28日(土)、29日(日)に開催された。
編集部員Oが、山形の魅力を発信する「やまがたの酒と肴 結yui」佐藤さんにお話を聞きながら、実際に東北グルメと日本酒を堪能!
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復興を願う東京・中野区と東北を結ぶ「なかの東北絆まつり」
「なかの東北絆まつり」とは、東日本大震災で被災された地域への継続的な復興支援のため中野区で開催される祭り。
震災の翌年から開催された「東北復興大祭典なかの」を皮切りに、10年以上東北6県(青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島)の特産品・グルメ品の販売や観光・文化などの魅力を発信し続けている。
そして2023年10月28日(土)、29日(日)に東京都中野駅前にて、「なかの東北絆まつり」が開催された。[中野サンプラザ]前に設置されたステージでは伝統的な演舞が披露され、中野四季の森公園周辺では華やかなパレードが行進する。
東北各地の物産品やグルメなども楽しめ、魅力が盛りだくさんだ。
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▲特産品を生かしたグルメやお土産が買える・C会場(中野区役所正面玄関広場)の様子。11時を回ってまもないが、テーブルは満員!
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▲いぶりがっこを使用した調味料やアテも!なかなかお目にかかれないラインナップに財布の紐が緩む…!
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▲しょうゆのこうばしい匂いに誘われ近づくと、巨大なお鍋で仕込まれた山形式の「芋煮」が!すき焼きを思わせるコクのあるお出汁が、里芋、ねぎ、お肉、こんにゃくにじっくり染みてなんとも滋味深い。大人四、五人でも抱えきれないほどの大鍋であるにもかかわらず、開始1時間程度で「残りわずか!」のアナウンス。
山形の日本酒とアテなら!「やまがたの酒と肴 結yui」へ
グルメエリアを進むと、“出羽桜”や“秀鳳”など、酒好きなら一度は飲みたい美酒達がずらり。
山形県の酒蔵が造る日本酒や、日本酒に合うローカルフードを取り扱う、「やまがたの酒と肴 結yui」のブースだ。
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▲ここに並ぶのはすべて山形県のお酒。全国新酒鑑評会で金賞を受賞した日本酒も多々。
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▲数あるアテの中から選んだのは、山形名物の玉こんにゃく。
串の中心までしっかり黄金色に染まっている。
こんにゃくの軽快な歯応えと、噛めば噛むほどじゅんわり溢れるお出汁がたまらない!
山形の魅力を味わいながら知ることのできる「やまがたの酒と肴 結yui」。
企画・主催を務める佐藤智也さんにお話しを聞くことができた。
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- 佐藤 智也さん
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プロフィール山形県内の農業・料理・暮らしを通して、人と食、人と人とをつなぎ、山形の「食べるもの、食べること」にフィーチャーしたイベントやアクションを手掛ける、ゴッツォ山形の代表。「やまがたの酒と肴 結yui 」もその取り組みのひとつ。情報発信だけでなく、興味のある方へ実際に山形の味を届けたい!という熱い思いから、自ら店頭に立つことも。
山形の酒・食文化を多角的な視点で発信し続ける佐藤さん。
日本酒にかける思いを聞いた。
佐藤さん「私たちのイベント名(やまがたの酒と肴 結yui)にも含まれていますが、『結』という漢字にはむすぶ、ひとつにたばねる等の他に『農作業などで、互いに労力を提供して助け合うこと。それをする仲間。』という意味があります。日本酒に置き換えても、お米を作る人がいて、酒を醸す人がいて。それぞれが『結』と呼ばれる協力関係にある仲間です。そうして生まれた日本酒が、初めて会う人と心を通わせるためのツールになり、あるいは神様に感謝の気持ちを伝えるためのお神酒になることも。
人と人の繋がりによって生まれたお酒が、また人と人を繋いでいく、そんな暖かな循環が続いていくよう願っています。」
「日本酒離れが嘆かれる昨今ですが、国内外問わず日本酒への注目や関心は徐々に高まっていることを肌で感じています。これからも、米と米麹と水で造られる神秘的な國酒の文化に誇りを持ちながら、日本酒初心者さんや若者たち、海外の方が今の日本酒と出会える場としてイベントを続けたいと思っています。そうして私たちの思いが次の世代に結ばれていけば嬉しいですね」
日本酒はその美味しさ以外にも、人々の繋がりを豊かにする力があると語る佐藤さん。
これからお酒を飲み始める若い世代や海外の方にも期待を寄せているという。
幻の限定酒!?純米大吟醸“山形讃香”とは
話を聞いているなかで、佐藤さんのイチオシだというお酒を紹介してもらった。
輝くブルーのラベルに包まれた純米大吟醸“山形讃香(やまがたさんが)”である。
遠方から足を運ぶファンも多いそうで、「飲みたくても完売して飲めなかった…」との声があがるそう。
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▲純米大吟醸「山形讃香」
“山形讃香”は、日本の最高峰を目指し、山形県と山形県酒造組合が技術の粋を尽くして開発したオリジナルブランドの純米大吟醸酒。
原料米は山形県オリジナル酒造好適米“雪女神”の精米歩合35%のものを使用しており、毎年開催する酒米コンテストの成績上位者が栽培を担当している。醸造は「製造担当蔵選出審査会」で上位の成績を獲得した蔵が行うという。
酒米のチャンピオンと酒蔵のチャンピオンがタッグを組んだ、夢のようなお酒……
なんと3種類の山形讃香が味わえる、飲み比べセットがあるとのことで、早速注文!
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▲向かって左から純米大吟醸 山形讃香 ver.東の麓 1杯500円、純米大吟醸 山形讃香 ver.あら玉 1杯500円、純米大吟醸 山形讃香 ver.上喜元 1杯500円
一瓶(720ml)で購入すると、7000円〜1万円程する高級な山形讃香が飲み比べできる、お得すぎる飲み比べセット。
トレイを受け取ると、ふわりと上品な吟醸香が鼻をくすぐる。名前に恥じない華やかな上立ち香だ。三種とも綺麗な味わいだが、特に“山形讃香 ver.東の麓”の淡麗な飲み口は印象的だった。口に含んだ瞬間、ス…と口内が冷えて溶けていくような舌触りが心地よい。控えめな甘さだが、果実を思わせるようなジューシーな旨味があり、すぐに杯を空けてしまった。
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▲アテは、お隣のブースで良い匂いを漂わせていたホタテの酒蒸し!芳醇な旨味が噛めば噛むほど溢れて日本酒がすすむ。
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▲我慢できず追加で購入した「味噌きりたんぽ」と「牛タン串」。牛タン串は仙台らしく厚切りだが、さくさくと歯が通ってしまうほど柔らかい!
山形県の技術の結晶ともいえるお酒を飲み比べ、東北各県のグルメを食べ歩く。食道楽としてはこれ以上無いほど、東北の絆を体感できた1日となった。
2023なかの東北絆まつり公式サイトはこちら
https://00m.in/nPQLv
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