酒蔵に聞く

日本酒づくりに密着!聚楽第で知られる京都の[佐々木酒造]の早朝酒仕込み見学レポート

日本酒に興味を持ちだすと、どうやってできているんだろう?と気になるはず。そんなときにおすすめなのが“酒蔵見学”。
今回は冬季限定で行なっている、京都・西陣[佐々木酒造]の酒仕込み見学をレポート!
日本酒のことをより深く知れる酒蔵見学の魅力に迫る。

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“酒蔵見学”は蔵によって異なるけれど、通年見学できるところもある。

特に冬場は、新酒の仕込みが終わる時期や完成したタイミングで“蔵開き”が催され、普段見学ができないところも特別に蔵見学を実施するのでおすすめだ。

豊臣秀吉の邸宅「聚楽第」跡に建つ酒蔵

1893年(明治26年)創業、2023年で130周年を迎える。京都・洛中で現存する唯一の酒蔵だ。

蔵が建つのは、かつての豊臣秀吉の邸宅[聚楽第(じゅらくだい)]跡地の南端にあたる場所。千利休が茶の湯に用いたと伝わる“銀明水”で仕込んだ代表銘柄もその名前から来ている。

日本酒の製造をはじめ、リキュールや企業コラボで酒粕を使ったソイプロテインを発売するなど、多彩な事業展開でも注目を集めている。俳優・佐々木蔵之介さんの実家としても有名。

そして、公式SNSにも登場する佐々木社長の愛猫“猫社員”の写真や、猫ラベルの日本酒は猫好きにはたまらない。

季節限定の早朝見学とは

2022年から始まった酒蔵見学と試飲、周辺の街歩きなどを組み合わせたツアー企画「京都・洛中 酒蔵ツーリズム」の一環。
朝7時に集合して蔵人自ら酒蔵案内をしてくれるもの。

2023年は11月までだが、2024年の1月〜3月の開催も決まっている。

名前のとおり朝は早いけれど、酒の仕込みから出来上がるまでの一連の流れが見られるまたとない機会。
またタンク内をかき混ぜる作業や、瓶のラベル貼りを参加者もさせてもらえる体験型でもある。

さらに[佐々木酒造]の日本酒の試飲と、自らラベルを貼った日本酒のお土産付きという嬉しい特典も!
想像以上に満足度の高い体験型見学となっている。

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社長 佐々木晃さん
プロフィール
「佐々木酒造」の4代目当主。サラリーマンを経て、25歳で蔵に入る。新しい酵母の開発や各種タイアップ・コラボ商品など、時代のニーズに合わせた製品づくりに努める。

朝7時10分から酒仕込み見学がスタート!

朝7時に集合。マスクをつけ事前に用意されているシャワーキャップと上着を着用し、7時10分から見学スタート!

そして、なんとこの日は案内予定の蔵人が酒造りで忙しくおらず、佐々木社長が案内人として登場!
この日の参加者は、女性が多く外国の方がいたのも印象的だった。

蔵に入ってまず目に入ったのは、お米を蒸すための大きな甑(こしき)。
日本酒造りに使う米は、雑味を取り除くために外側を削り、水を吸収させ、蒸してから使用されているそう。モクモクとした蒸気からは、蒸したお米のいい香りが!

約1時間蒸した大量の“蒸米”はクレーンで吊り上げられ、そのまま冷ますための機械“放冷機”へと運ばれていく。

放冷機に入った蒸米には、この段階で“モヤシ”と呼ばれる種麹(たねこうじ)が振りかけられる。

次は、はいている靴にシューズカバーを着用し、階段を登って2階へ!
酒造りで一番の肝とされる“麹”を造る部屋、麹室(こうじむろ)へ向かう。

先ほどの放冷機で冷ました蒸米が、ホースのなかを通り麹室へと運ばれていく。なんと昔は手作業で冷ましたり、運んだりしていたそう。

そのまま階段を下って、酒の風味、香り、アルコール度数を作り出す“酵母(こうぼ)”を培養する酛部屋(もとべや)へと移動。
佐々木酒造の主力は、「京の琴」という名の香り高いお酒が生まれる酵母なんだそう。

階段を下って再び1階へ戻ると、見上げるほど大きなタンクがズラリ!

タンク内に酛部屋で見た酒母、麹室で造られていた米麹、蒸米に水を加えて、原酒となるもろみを約20日間かけて管理しているそう。

ハシゴを登ってタンク内をかき混ぜる作業を、実際に体験!想像以上に重くて、そうとう力がいる作業なことが分かった。

麹の力によって蒸米が次第に糖化されていき、その糖を酵母菌が食べ、発酵してアルコールを産み出している。世界的にも珍しい“並行複発酵”なんだそう。

嬉しいお土産も!

ひととおり蔵の中を見終わったら、日本酒のミニボトルが並んだコーナーでラベル貼り体験。ラベルを貼った日本酒はお土産として持ち帰れる。

見学の後は、お楽しみの試飲タイム

最後はお楽しみの試飲タイム!広報の原口さんがひとつひとつ特徴を丁寧に教えてくれる。

左から聚楽第 大吟醸 GOLD PRIZE、福実鳥 古都特別純米、西陣 特別純米 熟成酒
そして今回は10月に発売された聚楽第 純米吟醸の酒粕を使ったソイプロテインの豆乳割りも試飲。

和らぎ水も用意されているので、日本酒を飲んだ分だけ水を飲んで酔いが回るのを防いでくれる。

酒蔵の歴史や想いにも触れられる

参加者の方がお土産を物販コーナーで購入していく中、レジ打ちも行う佐々木社長。

今後について話を聞くと「これからも日本酒が軸なことは変わらないです。お酒づくりを続けるために、リキュール製造や健康食品メーカーとのコラボなど、いろんな取り組みをおこなっています。違うことに取り組むことで、吸収するものも多いですね。」

大学時代、観光サークルに所属し案内人をしていた経験から、今回の見学ツアーも佐々木社長が考案したそう。

見学を通して、お酒造りについて学ぶのとともに、酒蔵の歴史や考えにも触れられて充実したこの日。
日本酒好きな人はもちろん、酒蔵に興味がある人、気になっている人はぜひチェックしてみて。

季節限定!佐々木酒造 仕込み早朝見学
開催日/2023年11月2日(木)・11日(土)・17日(金)・25日(土)
時間/7:10~8:40(所要時間 約90分)
※7:00集合
実施内容/蔵人の案内で酒仕込見学、日本酒の試飲3種、お土産付き(日本酒300ml×1本)
料金/5500円
※事前予約制
※2024年1月〜3月も開催予定
予約はこちらから

Instagram@sasakisyuzo

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佐々木酒造

佐々木酒造

創業
1893年(明治26年)
代表銘柄
聚楽第、古都
住所
京都府京都市上京区北伊勢屋町727Googlemapで開く
TEL
075-841-8106
HP
http://jurakudai.com/

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