シンガポールでも日本酒の配送が可能に

「Sake World NFT」は、日本酒と引き換え可能なNFT（酒チケット）を購入できる新たなマーケットプレイス。酒チケットを購入して、そのまま美味しく飲んでも、熟成させて二次流通することも可能。

2024年11月に日本からシンガポールへ配送サービスを開始。
「Sake World NFT」で出品されている日本酒の一部がシンガポールから直接購入可能なサービスがローンチした。これにより、シンガポールの日本酒ファンも購入から冷蔵保管まで、さらに日本酒を楽しめるようになった。

-5℃の零下熟成保管サービスを利用することはもちろん、現地で受け取ることも可能に。シンガポール在住の日本酒ファンは、今までは日本以外では手に入りにくかった多種多様な日本酒を気軽に楽しむことができるようになる。
※法律及び運輸上の制限により、配送できないお酒もある。

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ヴィンテージ日本酒の世界へようこそ

2025年2月15日にシンガポールにて開催された「プレミアム熟成酒ナイト」。Sake World NFTで購入できる熟成酒が飲み比べできるイベントだ。イベント会場の「魚治」には数多くの日本酒愛好家が集結。

熟成酒とは3年から10年、時には20年以上にわたり清酒・日本酒を保管・熟成させたもの。色は琥珀色やルビー色など様々な色に輝き、カラメルや蜂蜜のような甘い香りや味、米由来の熟成した香りが特徴だ。また複雑な香りと濃厚な味わいで近年人気が高まっている。

熟成年数や熟成温度などにルールや決まりはなく、たまたま蔵に眠っていたものを飲んでみると「美味しくなっていた！」などの偶然の産物から、わざわざ甕（かめ）に詰め替えて冷暗所で熟成させるもの、酵素がほとんど働かないと言われているマイナス５度前後で熟成させたもの、また一方では温泉などを使い高温で加熱して熟成させたものまである。

参加者の感想

近年世界各国では日本酒の人気が拡大している。
シンガポールもそのひとつで、シンガポールへの日本酒輸出額は2022年には約23億円を記録するなど、対前年比129%で増加を続けている。

参加者からは「シンガポールで日本酒をもっと普及させるには、まず知る機会を増やすことが大事だと思います。日本酒はすでに多くの人に知られていますが、実際にどんな種類があって、どんな風に楽しむのかは、まだ十分に伝わっていません。特に、今回のようなビンテージ日本酒のイベントは、非常に良い試みだと思います。」

またシンガポールでは多彩な日本酒が広がっているが「熟成酒」に関しては飲む機会がまだ少ないように感じた。またシンガポールでは「日本酒といえば純米大吟醸」というのが長い間トレンド。背景には［獺祭］大きく影響している。ただ近年は徐々にトレンドがシフトしており、フルーティーで甘みが感じられ、飲みやすい「無濾過生原酒」、またお米の味がわかりやすい「純米酒」なども人気だ。

「日本酒の文化やストーリーをもっと伝えていくことも重要ですね。シンガポールでは、ワインやウイスキーのようなストーリー性のあるお酒が人気ですが、日本酒も同じように、蔵元の歴史や製法、こだわりを知ることで、より親しみを感じてもらえると思います。それと、“どう楽しむか”を提案することも鍵になりますね。」という意見ももらえた。

イベントで提供した熟成酒の紹介

専用冷蔵庫で5年間熟成させた純米大吟醸
「英勲 井筒屋伊兵衛 祝米 三割五分磨き 五年熟成酒」（齊藤酒造／京都府）

酒造りの中心・京都に1895年に創業した齊藤酒造。齊藤家の先祖は、元禄の頃に泉州より当地へ移り、井筒屋伊兵衛として呉服商を営み、酒造業に転じるまで八代にわたって老舗を受け継ぎ守った。当時の商標は柳正宗、大鷹などだが、大正天皇の御大典を記念して「英勲」となる。

「英勲 井筒屋伊兵衛 祝米 三割五分磨き 五年熟成酒」は専用の冷蔵貯蔵庫で熟成させることで、豊かな吟醸香は穏やかに、味わいは角の取れた口当たりとなる。そしてスルスルと喉を滑り落ちて優雅な余韻を残す。精米歩合35%という高精米の純米大吟醸酒の為、一般的な古酒と異なり特有の色の変化や熟成香は極めて控えめ。数多ある「古酒」とは違った「熟成酒」として、「五年」という時間がもたらす余韻を、じっくりと楽しめる。年間五十本限定の京都特有の酒米「祝」で醸した特別な熟成酒だ。

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齊藤酒造

京都

♯酒蔵♯京都

35年の時を旅した酒　諏訪酒造「諏訪泉 純米古酒 時の旅 Vintage1989」（諏訪酒造／鳥取）

［諏訪酒造］がある鳥取県智頭町は、鳥取砂丘へ砂を運ぶ千代川の源流近くに位置し、古くから林業の町として栄えてきた。森の恵みを受けたこの地で、主に県内産の厳選された酒米と千代川の伏流水を用い、旨味を引き出す酒造りに励む。「全量純米蔵」として純米酒にこだわり、同時に熟成酒への取り組みにも力を入れている。

蔵の真骨頂ともいえるのが、純米古酒シリーズ「時の旅」だろう。約20〜30年以上の歳月を蔵で常温熟成させている中でも、「諏訪泉 純米古酒 時の旅 Vintage1989」は、35年という時が育んだ珠玉の一本。製造当時がアルコール添加が主流だった時代の純米酒という点でも貴重な酒といえる。

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♯鳥取♯熟成酒

一般販売されていない希少品「千古乃岩 大吟醸 古酒 心酔」（千古乃岩酒造／岐阜）

「千古乃岩」は越後杜氏伝承の技によって品質一筋に丹精込めて醸造する岐阜の地酒。この地方の巨石「稚児岩」にあやかり、千年の時を想って命名された。飲みやすさの秘密は、仕込み水に用いる硬度の低い超軟水。手間ひまかけた大量生産にない製造方法のお酒で、香りは穏やかに仕上げているので、料理の引き立て役として楽しめる。

「千古乃岩 大吟醸 古酒 心酔」は全国新酒鑑評会で金賞を受賞した大吟醸酒の古酒で、一般販売はしていない秘蔵酒。35％まで磨き上げた山田錦と協会9号酵母を使用し、1987年に製造。30年以上熟成された濃醇な味わいをぜひ。

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千古乃岩酒造

岐阜

♯岐阜♯酒蔵

飛騨高山で1994年に仕込まれた熟成酒「SUIO」（平田酒造場／岐阜）
“酒は醸し育てるもの”をモットーに、手作りで少量仕込みにこだわる［平田酒造場］。飛騨高山で1994年に仕込まれた「SUIO」は、満を持して世に送り出された珠玉の熟成酒だ。

岐阜産酒米「ひだみのり」と飛騨の伏流水を使用し、伝統製法で醸造。蔵の奥に並ぶホーロー製タンクで長期熟成させた琥珀色の酒は、カラメルやスパイス、干し椎茸、蜂蜜などを思わせる力強く複雑な香りが印象的だ。口に含めば、甘味と旨味が調和した滑らかな味わいが広がり、バランスの取れた酸味と苦味が奥行きのある余韻を生む。

その味わいは、「2014年インターナショナル・ワイン・チャレンジ （IWC）日本酒部門 優勝 チャンピオン・サケ」にも輝いた。ユニークなボトルデザインは、熟成酒の終わりなき旅を表現。再生や成長を象徴する三角と、不完全な完全を表す一辺欠いた円、封シールには結界を表す紙垂（しで）をモチーフにしたという。

2025年、［平田酒造場］の創業150年という記念すべき年に、「SUIO」は30年ヴィンテージ酒となる。さらに円熟味を増したその味わいを、ぜひ体験してほしい。

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平田酒造場

岐阜

♯酒蔵♯岐阜

熟成酒／Sake World NFTの可能性

今回熟成酒を飲んだお客さんの意見は「食事はもちろん、チョコレートなどカカオの香ばしさなどにも合いますね。普段飲んでいる日本酒も熟成させることで味わいが変化することが理解できたので、体験してみたい」とコメント。

日本酒の熟成もいくつかタイプがあるが［Sake World NFT］ではマイナス5度の零下熟成を採用している。華やかな香りなどもある程度残しながらほのかに香る感じや、またぐっと味に深みが出るような点を重視している。日本酒らしさを残したいという想いがある。

［Sake World NFT］は世界初の日本酒専用デジタルマーケットプレイスとして、500種類ほどの日本酒の購入が可能だ。限定酒や希少種、生原酒や熟成酒まで幅広くラインナップしておいる。それぞれの日本酒は即時発送またはマイナス5度の専用倉庫での長期保管も選択可能。保管された日本酒には専用NFTが発行され、ユーザー間での売買も楽しめる。希少なヴィンテージ日本酒も取り揃えている為、世界中の日本酒ファンが注目するサイトとなるよう、新たな日本酒の価値を提供していきたい。

文：Sake World編集部