イベントレポート

約50種類の三重県産日本酒を飲み比べ「旨し酒三重2024 in 東京・兜町」イベントレポート

三重県の22蔵・約50種類の地酒を飲み比べできる「旨し酒三重2024 in 東京・兜町」が7月7日にFinGATE KAYABA(東京都中央区)にて開催された。イベントの様子をレポートする。

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三重県の22蔵・約50種類の地酒を飲み比べできる「旨し酒三重2024 in 東京・兜町」が7月7日にFinGATE KAYABAで開催された。普段は県内限定で流通しているお酒や、夏季限定のお酒、スパークリング日本酒や古酒など、三重県が誇る地酒を心ゆくまで堪能できる貴重な機会ということもあり会場は約300名の来場者で熱気を帯びていた。イベントは2部制(各回定員150名)で開催。

会場では、お酒に合うおつまみも販売され、お酒のペアリングを楽しむ人たちでも賑わっていた。

三重県の酒の特徴

三重県の蔵元は、古くから、さまざまな山海の珍味を引き立てる地酒造りを通じて、三重の食文化の発展に貢献してきた。
近年では、三重県科学技術振興センターにおいて、県独自の酵母開発も進めるなど、官民一体となった酒造りを推進。2016年の伊勢志摩サミットでは、世界各国から集まった要人に県内選りすぐりの銘酒が振る舞われるなど、地酒は三重を代表する名産品となっている。また三重県の酒造りの大きな特徴となっているのが、若い世代の蔵人たちの台頭。「御食国」と呼ばれた時代からの酒造りの伝統を受け継ぎながら、既存の枠組みにとらわれないチャレンジ精神をもつ若い蔵元や杜氏たちが、競い合うように個性的な酒造りを続けている。
木屋正酒造の「而今」や、清水清三郎商店の「作」など、話題を集めている三重県の地酒の多くは、歴史ある老舗蔵が生み出した“新世代の酒”。伝統と革新の融合が、三重の地酒をより豊かなものにしている。

▲三重県酒造組合 会長(代表理事)清水清三郎商店 代表取締役 清水慎一郎さんからのメッセージ。

「三重県は良質なお酒が豊富なのにも関わらず、酒どころとしてのイメージがやや薄いかもしれません。そこを覆したいという想いもあって『美食の聖地、三重の酒』というキャッチコピーを昨年作りました。三重県には、松坂牛、あわび、牡蠣など美味しいものが豊富にあります。また、伊勢神宮が約2000年前からあり、参拝客が沢山訪れています。 美味しい料理と併せて日本酒で訪れた方々をもてなす事ことができるのは、三重の強みの一つです。「美食の聖地」は美味しい酒も豊富であるということを今後PRしていきたいと思います。」

注目のブース5蔵

▲若戒酒造 代表取締役社長 重藤邦子さん

2024 純米吟醸 若エビスタ
「日本酒初心者の方にも楽しんで頂けるような、気楽に楽しめるおやつカンパニー(三重県津市) ×若戎(三重県伊賀市)『三重つながり』の夢のコラボ商品第2弾。『ベビースターラーメンと共に愉しむ』事を追求したお酒で、みえのゆめ100%を使用し、日本酒度/-17.2と辛口のお酒です。日本酒ビギナーの方も気軽に楽しんでいただけるようなわくわく感を追求しました。是非、ベビースターラーメンと一緒にお楽しみ頂けたらと思います。」

▲瀧自慢酒造 専務取締役 杉本龍哉さん

瀧自慢 山廃純米大吟醸
「山廃純米大吟醸は、看板商品の純米大吟醸のアレンジ商品として、自分でデザインして設計しました。口に入った瞬間芳醇な甘味がしっかりと感じられ、次第に旨味や山廃の複雑な風味へ変化してゆくような飲みごたえのある味わいに仕上げています。飲むたびに印象が変わる奥深さで2杯目3杯目がより美味しく感じられる、ずっと飲んでいたいと思えるようなテイストを目指しました。」

福持酒造場 取締役 伊賀杜氏 羽根清治郎さん

天下錦 特別純米酒 無濾過火入
「伊賀産の山田錦を使い、三重県酵母MK-1で醸した生産量極々わずかの限定酒です。香りと味わいも穏やかで、さらりとした軽い飲み口で飲みやすく、甘みと酸味のバランスが整っています。穏やかで癖のないお米の豊かな味わいをお楽しみ下さい。

タカハシ酒造 代表 高橋伸幸さん

天遊琳 特別純米酒瓶囲い
「瓶詰め後に蔵の中でじっくりと熟成され、時間と共にまろやかさを増し、柔らかなお米の旨みを育てました。和食を中心に食中酒として万能なお酒ですが、白子、かき揚げうどんやそば、揚げ出し豆腐などととても合うので是非お試しあれ。もちろんお燗でも抜群に美味しいですよ。」

清水清三郎商店 主任 石井勇右太さん

作 なぐわし 鈴鹿・神の穂 純米大吟醸
「三重県鈴鹿市の神の穂を100%使用し、45%まで磨いた贅沢な逸品。
『なぐわし』は、名前が気高く美しい、素晴らしく高貴な、という意味で、場所や土地を褒めたたえる形容詞です。高貴さを感じさせるリッチで心地良い香りで、しっかりとしたフルボディな味わいが魅力の一本です。

▲河武醸造 代表取締役 河合英彦さん

式 SHIKI FRESH 爽快 純米大吟醸 弓形穂
「河武醸造でしか扱えない酒米『弓形穂』100%使用の純米大吟醸酒。
香りは穏やかな吟醸香が感じられ、口に含むと、持ち前のまろやかさがさらに磨かれた感じでとても柔らかな飲み口で、米の旨味をじっくり味わって頂けます。」

三重の酒を体感して

三重県酒造組合の清水会長のメッセージにもあるように、三重県の地酒は他の酒処としてメジャーな県と比べると、少しインパクトが弱い感じは否めないという印象を筆者も持っていた。しかし実際に試飲してみると、非常にキレの良いものから綺麗なタイプ、お菓子とのコラボ商品など、バリエーションの広さが凄い。また、会場にも並んだ地元の名産品とのコラボも秀逸だ。バラエティ豊富な三重のお酒達は、もちろん県外の多様な食材とのコラボでも美味しく頂けるが、より一層力を発揮できる三重の美食と合わせて当地で楽しみたいという気持ちがグンと強くなったイベントだった。

ライター 秦野理恵
海外に日本酒をもっと広めたい”野望を持つ、日本酒をこよなく愛する🍶PRお姉さん
Singapore 在住歴9年のバイリンガルアナウンサーで日本酒の海外向けPRも行っている。
酒エンタメ情報や海外事情などをはじめ、お酒の面白さを幅広くお届けしている。
特技:少林寺拳法、英会話、ドイツ語(少々)
好きなタイプ:生酛系、古酒

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