イベントレポート

栃木県の日本酒を堪能!「新世代栃木の酒 下野杜氏新酒発表 2024 in 東京」潜入レポート!

4月10日に大崎ブライトコアホールで開催された「新世代栃木の酒 下野杜氏新酒発表 2024 in 東京」。県オリジナル酒米や酵母など、美味しい日本酒造りに定評がある栃木県の酒イベントをレポート

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4月10日に大崎ブライトコアホールで開催された「新世代栃木の酒 下野杜氏新酒発表 2024 in 東京」。下野杜氏とは、下野の国(栃木県)の日本酒の良さを伝えていく為に、集まった蔵人たち。酒造技術の向上と栃木の地酒の品質向上に日々努力している。栃木県産業技術センターが課すカリキュラムや試験を経た資格者が「下野杜氏」に認定される仕組みだ。
そんな下野杜氏、栃木の酒蔵26蔵が紹介する新酒が一堂に。

1.栃木の酒を堪能

お酒の醍醐味の一つが、米の旨味や甘み。軽やかなタイプも良いけれど、しっかりした米の旨味を味わいたいという方も多いのではないだろうか。筆者も正にその一人である。今回、米の旨味に満ちたお酒が豊富な栃木の酒を味わってきた。

そもそも栃木のお酒の特徴は?

栃木県は日本名水百選で全国第一位となった尚仁沢湧水群をはじめとする湧水・名水が数多くあり、日本酒の雑味の原因ともなる”玄米たんぱく質”を低くした県オリジナルの酒造好適米の開発にも取り組むなど、美味しい日本酒が造られる環境が整っている。
そんな栃木の酒は、味わいの深さが魅力。米本来の甘味や旨味を感じられる濃醇甘口な日本酒が多数。

2. 栃木の新酒を中心に紹介

今回は、栃木県の26の蔵が新酒をメインに発表するイベントで、第一部は酒販、飲食店向け、第二部は一般のお客様向けと、二部構成で行われた。魅力的なお酒達の中からごく一部をピックアップ。

■天鷹酒造

天鷹 純米大吟醸/天鷹酒造 専務取締役 尾崎俊介さん

AS認定の有機米を契約農家から仕入れ、酒にストレスをかけず搾ることが出来る「槽搾り」(伝統的な搾り方)で醸された有機日本酒。天鷹が培ってきた技術と有機にかける想いを集結させて造り上げたという。
穏やかで華やかな香りと有機米が持つ優しく柔らかい味わいが魅力。全国新酒鑑評会など国内外で様々な受賞歴を持つ、正に至極の1本。

■惣誉酒造

惣誉 生もと仕込 純米吟醸/惣誉酒造株式会社 専務取締役 河野 道大さん

特A地区の山田錦を55%まで精米。エレガントな香味、生酛特有の酸味とこっくりした旨味がマッチして、厚みのある深い味わいが楽しめる。冷や(常温)も良いが、やはりぬる燗がベスト。

■井上清吉商店

澤姫 山廃純米 真 地酒宣言(右)/井上清吉商店 製造部杜氏 佐藤全さん

栃木県産米「ひとごこち」、酵母にも栃木酵母を使用するなど、正に「地酒宣言」の名前通り、地元の恵みを活かしたお酒。伝統的な天然醸造法で醸した復活醸造純米酒。 ジューシーな酸味と旨味がマッチし、軽快でありつつコクがある。

澤姫 吟醸酒 真 地酒宣言(左)/井上清吉商店 五代目蔵元・代表取締役 井上 裕史さん

香りは、バナナや青いフルーツを連想させる吟醸香。甘くマイルドな香りと穏やかな口当たりで、ついお酒が進んでしまいそう。
全国燗酒コンテストや栃木県清酒鑑評会などで受賞歴もあるので、燗で飲むのもお勧め。

■島崎酒造

熟露枯(UROKO)ヴィンテージボトル 大吟醸 10年熟成/島崎酒造 代表取締役 島崎健一さん

熟成に伴う綺麗な琥珀色。蜂蜜の様な甘い熟成香と、アルコールの刺激を感じさせないまろやなか味わいが魅力。口に含むととろっとした味わいが舌を包み込み、余韻も心地よく長い。
チーズやナッツと一緒に酒本来の旨味を味わいたい。
島崎酒造のお酒の購入はこちら

■松井酒造店

松の寿 純米吟醸 雄町 無濾過生原酒 R5BY/松井酒造 女将 松井真知子さん

岡山県産の雄町を100%使用した純米吟醸の無濾過生原酒。清涼感のある風味と雄町ならではのしなやかな旨みが口に広がる。この旨味に軽快な酸が寄り添って、なめらかで柔らかな味わい。

■西堀酒造

門外不出 純米吟醸55/西堀酒造 六代目蔵元 西堀哲也さん

口当たりがやわらかく、お米の旨味がしっかりと感じられる純米吟醸。香りは、青いりんごなどを思わせるフルーティーな印象だが、味わいは米の旨味がしっかり感じられて、後味はキレのある辛口。しっかりしたボディなので、どの料理とも楽しめる。中でも四川やインド料理などのスパイシーな味わいの料理は好相性だ。

■若駒酒造

若駒 愛山90 無加圧採り 生/若駒酒造 6代目蔵元 柏瀬幸裕さん

愛山90%磨き。桃やりんごを感じる爽やかでフルーティな香りで、口に含むと、これまた香り同様に桃の甘みのようなフルーティさがあり、甘くジューシーな味わい。微発砲感もあって、非常に爽やか。

飯沼銘醸

姿 Flying SUGATA 山田錦 純米大吟醸 無濾過生原酒 /飯沼銘醸 代表取締役 飯沼徹典さん

ワインボトルのようなインパクトのおしゃれなラベルに注目。原料米に使用したのは栃木農業高校の生徒が作った「山田錦」。蔵が譲り受けて丁寧に醸し、未来に羽ばたく『姿』となったのだとか。香りは爽やかでとてもフルーティ。南国フルーツを思わせる甘みで花のような香りが鼻を抜ける。香りは甘やかだが、味わいは瑞々しく軽快。

3.まとめ

「どっしりしたお酒が多いイメージだったが、味わいが軽やかなものもあるんだと今回知った」 「低精米のお酒も豊富で、満足」などの声があがっていた他、年違いでどれ位味わいが変わるかなど、様々な質問を蔵人に尋ねる光景も多く見受けられた。

取材した第一部はビジネス、主に飲食店向けだったので、飲食関係者も多数見られた。焼き鳥、焼肉など味がしっかりした料理にどれが合うかを質問する参加者や、「脂がのった刺身にはどれ?」「洋食に合うのは何か」という声も聞こえた。もちろんそれぞれに合うお酒があり、改めて栃木県には食中酒として万能なものが揃っていると実感。

旨味あふれる酒に自分なりの食事の合わせ方を試してみてはいかがでしょうか?

 【イベント参加 蔵元一覧 】

『七水』 虎屋本店
『澤姫』 井上清吉商店
『四季桜』 宇都宮酒造
『若盛・門外不出』 西堀酒造
『若駒』 若駒酒造
『雄東正宗』 杉田酒造
『朝日榮』 相良酒造
『鳳凰美田』 小林酒造
『北冠』 北関酒造
『姿・杉並木』 飯沼銘醸
『清開・日光譽』 渡邊佐平商店
『柏盛』 片山酒造
『鹿沼娘』 小林酒店
『開華』 第一酒造
『燦爛・望bo』 外池酒造店
『惣誉』 惣誉酒造
『十一正宗』 森戸酒造
『忠愛』 富川酒造店
『松の寿』 松井酒造店
『かんなびの里』 (資)小島酒造店
『仙禽』 せんきん
『東力士』 島崎酒造
『とちあかね』 白相酒造
『天鷹』 天鷹酒造
『旭興』 渡邉酒造
『大那』 菊の里酒造

オフィシャルサイト http://sasara.lib.net/contact.html

ライター 秦野理恵
海外に日本酒をもっと広めたい”野望を持つ、日本酒をこよなく愛する🍶PRお姉さん
Singapore 在住歴9年のバイリンガルアナウンサーで日本酒の海外向けPRも行っている。
酒エンタメ情報や海外事情などをはじめ、お酒の面白さを幅広くお届けしている。
特技:少林寺拳法、英会話、ドイツ語(少々)
好きなタイプ:生酛系、古酒

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