イベントレポート

全国120蔵が六本木ヒルズに集結!「CRAFT SAKE WEEK 2024 at ROPPONGI HILLS」潜入レポート

毎年大盛況となっている中田英寿さん主催「CRAFT SAKE WEEK 2024 at ROPPONGI HILLS」が2024年4月18日から4月29日まで行われた。4月22日の様子をレポートする。

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2024年4月、東京・六本木で開催された「CRAFT SAKE WEEK 2024 at ROPPONGI HILLS」は、中田英寿さんが代表を務める株式会社JAPAN CRAFT SAKE COMPANYが主催する日本酒イベント。六本木ヒルズ内にある開放的で広々とした会場で、日本全国の日本酒を日替わりで楽しめる贅沢なイベントだ。2024年の今年は4月18日から4月29日までと、過去最長の12日間の開催となった。六本木周辺で働くオフィスワーカーや外国人観光客など、たくさんの人で賑わっていた同イベントについてレポート!

1.今年は過去最長の開催!「CRAFT SAKE WEEK 」とは?

「CRAFT SAKE WEEK」は国内最大級の日本酒イベントで、2016年にスタートした。オーガナイザーである中田英寿さんが全国47都道府県を巡って出会った日本酒・農業・工芸などの日本文化の素晴らしさと可能性を伝えている。

全国400以上の蔵を訪問してきた中田英寿さん率いる専門家が厳選した酒蔵と、世界トップクラスのミシュラン星獲得数を誇る日本の超有名レストランが集結していることが特徴。さらには日本を代表する建築家がデザインした幻想的な空間と人気DJによる音楽が会場を盛り上げる。フェス感覚で世界に誇る日本の食文化を体験できる贅沢なイベントで、毎年来場者数を伸ばし続けている。

今年の「CRAFT SAKE WEEK 2024 at ROPPONGI HILLS」では、全120の酒蔵と15の出店レストランが集結。「頑張れ、北陸!!の日」、「SPARKLING SAKEの日」、「中国・四国の日」、「チーム十四代の日」など、毎日異なるテーマで各日10蔵が出展。毎日酒蔵とレストランが違うので、期間中に何度行っても新鮮な楽しみ方ができる内容となっていた。

2.日本酒×チョコレートの新感覚ペアリング

そして今年は4月22日から4月26日まで、「CRAFT SAKE WEEK」初の試みとなる農業従事者やシェフのトークセッションを通して日本食文化を学ぶ、体験型授業「CRAFT SAKE UNIVERCITY」を実施した。4月22日には坂本哲志農林水産大臣と中田英寿さんによる、持続可能な農業に向けた国内農業の課題とその解決についての対談が行われた。

日本酒がお米や水から作られているように、農業や地球環境は日本酒と切っても切れない関係だ。坂本大臣と中田さんの特別対談では、人材不足や品種改良、食料自給率など日本の農業全体の課題について熱く議論が交わされていた。

さらに今年はチョコレート事業60周年を迎えた株式会社ロッテとのコラボレーションも実施。会場内にはロッテのイベントブースが出店され、120蔵から1銘柄ずつ、1日10種類のお酒とガーナチョコレートのマリアージュが日替わりで提供されていた。

筆者が注文したのは「ガーナロースとミルク」と福田酒造(長崎県)の「福海 山田錦 火入」の組み合わせ。風味豊かで濃厚な甘さの焦がしミルクと、清涼感があってキリっとした味わいの福海はお互いをよく引き立ててくれるとのこと。

実際にチョコレートを舌の上で溶かしながら日本酒を飲んでみると、違和感がまったくなく楽しめた。チョコレートがより甘く、日本酒がよりキレよく感じられた。チョコレートやワインやウイスキーと合わせることが多いが、日本酒ともとても相性がよく、同時に日本酒の可能性の大きさに驚かされた。

3.九州のお酒と関西のお酒を贅沢に飲み比べ

筆者が取材をした4月22日は「九州vs関西の日」というテーマで、気候や風土を活かして作られる九州の銘柄と、代々受け継がれる伝統と革新が生み出す関西のダイナミックな飲み比べができた。

まずは酒造名に惹かれてブースを訪れた平和酒造(和歌山県)。春限定の純米吟醸で、五百万石を使用したフルーティで芳醇なお酒「紀土 KID 純米吟醸 春ノ薫風」をいただいた。

澄み切った水の美味しさと柔らかい口当たりが春らしさを感じさせてくれる味わいだ。後味にはほんのりとした苦みも感じられ、全体のバランスも◎。爽やかな香りを楽しめるので1杯目としてもピッタリだった。

ちなみにこの日は飲めなかったが「紀土 KID フュージョンサケ」はビールで使うホップを使用することで、ガス感を活かすというアイデアから生まれた銘柄なんだとか。ホップと日本酒が交じり合う絶妙な味は、ビール好きも日本酒好きも満足すること間違いなし。

次に泉酒造(兵庫県)の「琥泉 純米吟醸 おりがらみ 無濾過生酒原酒」を試飲。麻布にある一頭買いした極上の黒毛和牛を提供する名店「誇味山」の「誇味山の牛肉まん」とのペアリングを試してみた。

「仙介 純米大吟醸 無濾過生酒原酒」は、しぼったお酒を無ろ過のまま1本1本手詰したフレッシュなお酒。酒米の王様とも称される、地元兵庫県産山田錦を100%使用している。

炭酸ガスのピリピリとした低刺激も心地がいい。ジューシーな誇味山の牛肉まんと一緒に食べると、牛肉の旨味がぎゅぎゅっと押し出してくれていた。フルーティーな甘さとふわっとした芳醇な旨味は、どんな料理にも合いそうだ。

4.まとめ

平日の昼過ぎだったにも関わらず、この日の会場には多くの来場者が。夕方近くになると仕事を切り上げたオフィスワーカーと思しき人たちや若い女性、外国人観光客も増え、設置されたテーブルが常に満席状態。

CRAFT SAKE WEEKを手伝っていた利き酒師の方が各テーブルを回って次の1杯を勧めてくれる時間も。来場者が日本酒をより深く知れる工夫が満載だったのも印象的だった。

またイタリアンや和食、中華など都内の名店の味も同時に楽しめ、日本酒だけではなく日本食の魅力を改めて実感。ガーナチョコレートという日本で昔から愛されているお菓子が日本酒と相性がいいのも、これまた日本人の味覚の素晴らしさを感じた。

<4/22の参加蔵元>
・東鶴酒造(佐賀県)/「東鶴 芽吹きうすにごり生」、「東鶴 the origin 山田錦」、「東鶴 純米大吟醸 結晴」
・森酒造場(長崎県)/「HIRAN’s Mile 2024」、「HIRAN 青天 直汲み生」、「飛鸞 絆 雫しぼり無濾過生」
・中野酒造(大分県)/「ちえびじん 純米酒」、「ちえびじん 純米大吟醸 Spring Flower 生酒」、「ちえびじん 純米大吟醸 山田錦」
・西酒造(鹿児島県)/「天賦 純米酒」、「天賦 純米吟醸」、「天賦 純米大吟醸」
・福田酒造(長崎県)/「福海 山田錦 火入」、「福海 山田錦 無農薬」、「福田 生酛オーク樽貯蔵」
・泉酒造(兵庫県)/「琥泉 純米吟醸 おりがらみ 無濾過生酒原酒」、「仙介 純米大吟醸 無濾過生酒原酒」、「仙介 純米大吟醸 原酒 三割三分磨き」
・白杉酒造(京都府)/「銀シャリ」、「shirakiku brilliant 純米吟醸無濾過一火原酒 BLACK LABELシリーズ」、「shirakiku MIRROR MIRROR」
・松井酒造(京都府)/「神蔵KAGURA 純米 無濾過 無加水 生酒 ルリ」、「神蔵 露花 スパークリング」、「神蔵KAGURA 純米大吟醸 無濾過・無加水・生酒 白」
・松瀬酒造(滋賀県)/「松の司 生酛純米酒」、「松の司 純米大吟醸 竜王山田錦 土壌別仕込」、「松の司 純米大吟醸 黒」
・平和酒造(和歌山県)/「紀土 KID 純米吟醸 春ノ薫風」、「紀土 KID フュージョンサケ」、「紀土 KID 無量山 純米大吟醸35%」

オフィシャルサイト
https://craftsakeweek.com/

 

ライター:エタノール純子
さまざまなお酒を飲み歩き、30歳を過ぎて日本酒に行きつく
最近はスパークリング日本酒にハマっている

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