あおもりの地酒アンバサダーと巡る青森酒蔵ツアー Vol.2 ~弘前、青森、十和田、八戸横断編~
青森酒造組合が取り組む「あおもりの地酒アンバサダー」制度。 第4期アンバサダー4名と2泊3日で青森の酒蔵を巡る。 今回は2日目をまとめてご紹介。
青森酒造組合が取り組む「あおもりの地酒アンバサダー」制度。
第4期アンバサダー4名と2泊3日で青森の酒蔵を巡る。
今回は2日目をまとめてご紹介。
弘前エリアから始まり、青森エリア、十和田、八戸へと人気酒蔵を中心に巡る。
関連記事はこちら
- あおもりの地酒アンバサダーと巡る青森酒蔵ツアー
~青森の魅力再発見~ Vol.1 -
♯青森
1.豊盃米で日本酒を醸す「三浦酒造」
2日目は午前10時にスタート。
辿り着いたのは弘前市にある三浦酒造。
2020年11月、倉庫内に事務所と直売所を併設する2階建ての建物を新設した。
建物内には「豊盃」の試飲ができる直売所も完備している。
雑誌dancyuが「ポスト十四代」に挙げたのを認知している人も多いだろう。
現在は5代目社長の三浦剛史さんと弟で杜氏の文仁さんが日本酒を造っている。
案内をしてくれたのは専務取締役で杜氏でもある三浦文仁さん。
基本的に蔵人以外は入ることができない貴重な体験だ。
「豊盃」は日本で唯一、契約栽培している酒米「豊盃米」を使用している。豊盃米をメインに岩木山の伏流水で醸し、フレッシュでフルーティーな資質にはファンも多数だ。
倉庫兼事務所に併設された直売所は、天井が吹き抜けになっていて広々としている。
冷蔵ケースにはズラリと並ぶ「豊盃」の銘柄。純米吟醸・特別純米酒といった主力銘柄や、季節の銘柄、プレミアムな銘柄などがラインアップ。
また種類豊富なオリジナルグッズも。
「さすがアイデアマンですね」とMiyaさん。
直売所では10種類以上の銘柄が購入できるほか、試飲スペースでは常時8種類が試飲できる。
専用サーバーでは30ml・60ml・90mlの3段階で好みの量が選べる。
アンバサダーの4名もクイクイと飲む進める。
工藤さん「横山さん入れ過ぎじゃないですか?」
横山さん「ボタンの押し方がわらない~」
Miyaさん「一番人気の銘柄が一番美味しい。」
戸島さん「私はレインボーが好きで、そこから日本酒を飲むようになりました」
三浦さん「味わいをすっきりさせているので、何杯も飲めると思いますよ」
思わず盃が進んでしまうのも納得だ。
それぞれお土産も購入し、大満足の中次の蔵へ。
■三浦酒造株式会社
住所:青森県弘前市石渡五丁目1−1
電話番号:0172-32-1577
HP:https://houhai.co.jp/
2. 本物の美味しさを目指す「西田酒造店」
明治11年(1878年)創業の青森市唯一の酒蔵。
代表銘柄「田酒」は日本酒に詳しくない人でも名前を聞いたことはあるだろう。
4年後の2028年には創業150年を迎える。
今回案内してくれたのは株式会社西田酒造店 取締役社長 西田司さん。
「本当の美味しいお酒を目指す」と自信みなぎる姿には全アンバサダーも圧倒されていた。
全国的に人気の日本酒にも関わらず、輸出はあまりしないという。
「まだ国内でやる事がある!」と西田さん。
取り組んでいるのは品質を良くするための設備投資。
大型冷蔵倉庫の導入により温度管理の徹底、精米所と精米機を導入したことで、原形精米ができるようになり同じ精米歩合のお米でも、タンパク質の値などは低くなるとか。
サーマルタンクは30本が並び「たくさんガスを酒に残しておきたい」と愛情を注ぐ。
「サボる努力をしろ、ただ資質が良くなる努力を惜しむな!と社員には伝えています」と西田さん。蔵人は設備が整えられたことで、時間にも余裕ができ、常に品質の向上を考えているという。「設備に圧倒されました。味も効率も両方目指す姿が素晴らしい」と工藤さん。
西田酒造店の社員は明るい印象が多く、モチベーションも高い。
「やはり人が一番ですよ」と西田さん。
“本当に美味しい酒を目指す”という意味が少し理解できた気がした。
■株式会社西田酒造店
住所:青森県青森市油川大浜46
電話番号:017-788-0007
HP:http://www.densyu.co.jp
3. 十和田市唯一の酒蔵「鳩正宗」
青森市より車で1時間と少し。
十和田市唯一の酒蔵「鳩正宗」
創業は明治32年(1899年)。当初は「稲生正宗」の銘柄で親しまれていたが、昭和初期、蔵の神棚に棲みついた一羽の白鳩を守り神として大切に飼っていたとのこと。
鳩神様として祀っていたのが経緯で「鳩正宗」と改名した。
案内してくれたのは鳩正宗株式会社 製造部 斗澤雅樹さん。
まずお米の違いから丁寧に説明してもらった。
鳩正宗では「華吹雪」「華想い」をメインに使用して酒を醸している。
酒造りは「十和田の美酒」をモットーに、八甲田・奥入瀬の伏流水を仕込水に使い、昔ながらの製法にこだわりながら、新しい技術を取り入れて地酒を造り続けている。
十和田市出身者としては初めて南部杜氏の資格を取得した杜氏/佐藤企さんを中心に米の旨みを出すように心がけ、「旨口の酒」を念頭においている。
・鳩正宗 純米大吟醸 華想い
気品ある香りとしっかりとした旨みがバランスよく調和され、爽やかでコクのある味わい。
・鳩正宗 純米大吟醸 華吹雪
フレッシュな吟醸香とともに広がるシャープな酸味と爽やかなコクのある旨味が抜群。
元料理人という蔵人さんにアテを用意してもらった。
ペアリングで合わせるのは、すじこに鳩正宗の酒粕と十和田みそを絡めたアテ。
また十和田ガーリックポークで巻く、十和田ごぼうの肉巻き。
試飲でのペアリングにアンバサダー一同大感動。
「旨い、旨い」とついつい盃が進む。
■鳩正宗株式会社
住所:青森県十和田市三本木字稲吉176-2
電話番号:0176-23-0221
HP:https://www.hatomasa.jp/
4. 工場と直売所の贅沢な体験「八戸酒類 株式会社」
2日目の最後は八戸酒類株式会社へ。
明治22年に麹屋から酒屋となり創業。戦時下に八戸酒類株式会社に統合され、第五工場として生産・販売。平成19年に八戸酒類株式会社五戸工場と改め酒造りに取り組む。
蔵を案内してくれたのは杜氏/上井 裕文さん。
井戸水が3つあり常時10~16℃の軟水は青森でもベスト3に入るという。
青森県の酒造好適米「華想い」「華吹雪」を中心に、「八戸酒類」の蔵で生まれたと言われる10号酵母にこだわる。
寒造りの厳しい自然環境を巧みに活かした伝統の技と勘が、メイン銘柄「如空」や「八鶴」の味を造り上げている。
蔵の見学の後は八戸市街地にある蔵元直売所へ。
こちらでは八戸酒類株式会社 代表取締役 九代目 橋本 八右衛門さんに話を聞いた。
2022年には八戸酒類株式会社の前身である「河内屋橋本合名会社」が事務所として使用していた建物に蔵元直売所を開店。
建物は大正13年に建築され国登録有形文化財にも指定されておりモダンな雰囲気が感じられる。
ショーケースには選りすぐりの地酒「八鶴、如空」がズラリ。
まさに五感で旨味を感じる自慢の酒だ。
八戸の中心地にあるので観光ついでに立ち寄るのもおすすめ。
■八戸酒類株式会社
住所:八鶴工場所在地 青森県八戸市八日町1番地
住所:五戸工場所在地 青森県三戸郡五戸町字川原町12番地
電話番号:0178-43-0010[本社]
HP:https://hachinohe-syurui.com/
取材後記
午前10時より弘前、青森、十和田、八戸と青森県を横断したツアーもいよいよ2日目が終了。
1日を通して試飲し続けたアンバサダーにもやや疲れの色が?
直売所にて試飲中のMiyaさん「これから懇親会です」と。まだまだ八戸の夜は終わりそうにない。さぁ最終日Vol.3へ続く。
関連記事はこちら
- あおもりの地酒アンバサダーと巡る青森酒蔵ツアー Vol.3 ~ツーリズムとしての酒蔵の意義~
-
♯青森