Sake Brewery

永井酒造

「永井酒造の世界観を」体感! テイスティングルーム&醸造研究所「SHINKA」に迫る!

  • この記事をシェアする

1.「永井酒造の世界観を」体感!
テイスティングルーム&醸造研究所「SHINKA」に迫る!

群馬県利根郡川場村の創業137年の老舗酒蔵「永井酒造」
長年研究し続ける“熟成酒”の想いを体感する施設「SHINKA」が2023年8月1日オープン。
テイスティングルーム&醸造研究所を備えた複合施設でここでしか飲めない「熟成酒」や「スパークリング日本酒」と醸造研究所で開発する「ラボSAKE」が体験できる。

この記事の紹介者はこちら

永井則吉さん(永井酒造株式会社・代表取締役社長・6代目蔵元)
プロフィール
伝統的な日本酒製法に瓶内二次発酵を取り入れた発泡性清酒の先駆け 「MIZUBASHO PURE 」を開発し、 2016 年に「awa酒協会」を設立し、初代理事長に就任。料理のコースに合わせて日本酒 スパークリング、純米大吟醸、熟成酒、デザート酒 のペアリングを提案する「Nagai Style」, そして地元川場村の世界に誇る幻の米「雪ほたか」を使用した酒造りなど、米の可能性を最大限に引き出した日本酒の奥深さと新たな魅力を世界に発信し続けている。

2.老舗酒蔵が新たなチャレンジに挑む「熟成酒」

そもそもなぜ永井酒造が熟成酒を取り組むことになったのか?
それは6代目蔵元永井社長が日本酒業界に入り、酒造りに携わり始めたころに遡る。

▲(左から)「ホテル・クリヨン」シェフソムリエのグザビエ・チュイザ氏、永井則吉社長

衝撃を受けたワインとの出合いから熟成酒の研究へ。

入社して間もなく日本酒の価格帯が横並びだったことに驚いたという。大吟醸でも3千円から5千円くらいの価格帯がほとんどで、価格もスペックも画一的。かたやワインの世界では1本何万円から数百万円のものもあるのに、その違いに疑問を持った。

まずは日本酒の画一的な価格の改革に目を向けることに。日本酒は、精米歩合、造り、米の種類で料金がほぼ横並びの設定となっている。一方ワインの世界では、生産者が自ら価値創造を行い、市場において対等な価格をつけて普及させており、日本酒においても同じように価値創造を行うことを考えた。

そんな中、あるワイン会で衝撃的な体験をすることに。
そこで飲んだワインが、今までに経験したことのない味わいで、まるで稲妻が落ちたような衝撃。なんとも言えない繊細な味と複雑な味が絡み合い、香りは奥ゆかしく後から押し寄せ、余韻がエレガント。素晴らしいヴィンテージワインに出会い、日本酒でも造って飲んでみたいと思い、そこから日本酒のヴィンテージを研究が始まった。

理想とする熟成酒を追求して

▲シャトー・クリネ「故ジャン・ミッシェル・アルコート氏(左から2番目)」来社(1998年)

最初のチャレンジとして、蔵にワイン醸造所と同じような地下室があったことから、そこでお酒を貯蔵し始める。1~2年で味に変化が見えたが、3年でピークを迎える。同じように毎年、継続的に一定量を確保して貯蔵し、同じ環境で3年間熟成をし続け、変化を見たが、やはり3年でピークを迎えることに。

しかし永井社長が目指していた熟成酒は最低でも10年かけて変化をしながら生まれる繊細で複雑な味わいの日本酒だ。

そこからさらに研究を進め、徐々に保管温度を下げていき、零度以下になって初めて熟成具合がエレガントなものを造ることに成功。ここにたどり着くまでに10年かかり、1995年から研究を始めて、2004年にようやく理想の温度帯に出会い、現在は3~-5度で熟成させている。

そこから10年の時を経て、6代目に就任した2013年に、初めてヴィンテージシリーズとして商品化。1本おおよそ3万円で発売し、日本酒の一般的な相場から比較すると、かなり高い価格帯でありながら千本ほど売れる結果に。

▲創業135周年を記念して発売したヴィンテージ酒のセット商品。(左から)THE MIZUBASHO PURE2009(熟成スパークリング酒),THE MIZUBASHO Aged 15years Sake(樽熟成酒),MIZUBASHO VINTAGE2008(純米大吟醸熟成酒)

刻の経過で生まれる希少な熟成酒への想い

熟成酒を仕込んでいく中で一番大切なことは、どのようなお酒に仕上げて、どの方向性で熟成させていくのかという明確なイメージを持つこと。定点観察と経年変化のチェックをしながら、熟成具合を見て、目指す味わいへ向かって覚悟を持ってやり続けていかなければならない。

3.新複合施設 【SHINKAー真価、進化、深化ー】

そんな熟成酒への想いから「永井酒造」の新たな挑戦を体感できる施設「SHINKA」が2023年8月1日オープン。テイスティングルーム&醸造研究所を兼ね備えた複合施設で、ここでしか飲めない熟成酒やスパークリング日本酒が体験できる。

施設に名付けた「SHINKA」には、真の価値を追求する“真価”、エボリューションの“進化”、お互いの関係性を深める“深化”の3つの意味が込められている。

-テイスティングルーム-

SHINKAでは、永井酒造が長年の歳月をかけて研究し続けている「熟成酒」への想いや時間の経過でしか造れない希少な味わい、また「スパークリング日本酒」の魅力と可能性を体験できる場として「テイスティングルーム」を設けている。そして併設している熟成研究所で開発する「ラボSAKE」を含めた、この場所でしか味わうことができない特別な日本酒をテイスティングできるスペースだ。

-醸造研究所-

永井酒造が大切にしている「伝統と革新」の考え方をベースに、伝統的な日本酒造りを大切にしながら新たな日本酒を追求するべく、その名の通り醸造を研究する場として「醸造研究所」を併設している。ここでは、今まで挑戦できなかった様々な手法による日本酒を小ロットで試しながら醸造し、商品化したボトルは「ラボ SAKE」としてSHINKAでのみテイスティング、及び限定販売している。

-ペアリングメニュー(オプション)-

SHINKA では 3 種の日本酒テイスティングプランを提供。いずれのプランにも、出張料理人 /フードプロデューサー・マカロン由香氏が監修したフレンチをベースに酒蔵らしい「発酵」をキーワードとしたアミューズブッシュ3品のペアリングメニュー(別料金)がラインアップ。

4.SHINKAの利用について

SHINKA は、完全招待制での提供となり、今回は、8月1日に発売する2008熟成酒シリーズのいずれかを購入した方限定で招待状が届くシステムだ。

「SHINKA」グランドオープンを記念して、熟成酒3種を同時発売。そして「SHINKAへのご招待券」をプレゼント。

▲(左から)MIZUBASHO VINTAGE 2008 大吟醸、THE MIZUBASHO PURE 2008、MIZUBASHO VINTAGE 2008

長年の歳月をかけて研究し続けている永井酒造の熟成酒は、氷温でゆっくりと熟成を進めることにより、熟成ワインのようなエレガントな仕上りとなっている。その熟成酒のほとんどがまだ貯蔵されており、「SHINKA」の新設に合わせて今後随時販売される。8月1日より発売する3種の熟成酒には「SHINKA」でテイスティング体験ができる招待状が同封されている。

-SHINKAの利用-

1日1組限定
利用方法: 8月1日より販売する2008熟成酒シリーズに同封の招待状記載のQRより申込み
所在地: 群馬県利根群川場村門前713
TEL: 0278-52-2311

・蔵から直接のご購入 https://shinka-nagai.jp/

・酒販店からの購入 https://mizubasho-search.glideapp.io/dl/d0a5f4

THE MIZUBASHO PURE 2008

製品タイプ:スパークリング熟成酒
希望小売価格:33,000円(税込)
販売本数:限定180本

水芭蕉ヴィンテージシリーズのなかで初となるAWA SAKE(スパークリング日本酒)。

MIZUBASHO PUREが完成して、次のAWA SAKEのプレステージを模索。既存のPURE とは全く違う元酒にチャレンジ。それは累乗仕込みをベースに考えた瓶内二次発酵。そして「MIZUBASHO PURE」の特許技術を駆使して誕生した「THE MIZUBASHO PURE 2008」だ。

MIZUBASHO VINTAGE 2008 大吟醸

製品タイプ:大吟醸熟成酒
希望小売価格:19,800円(税込)
販売本数:限定350本

MIZUBASHO VINTAGE 2008

製品タイプ:純米大吟醸熟成酒
希望小売価格:39,600円(税込)
販売本数:限定600本

-MIZUBASHO VINTAGE 2008大吟醸・純米大吟醸-

登熟期の高温により、酒米の山田錦が溶けにくかった年。純米大吟醸、大吟醸ともに掛米の吸水は当時では1~2%多めを狙って醸し上げている。想定より米が溶けず淡麗な味わいで、一本芯の通ったスタイルで仕上がったため限定数長期貯蔵。

大吟醸は、綺麗な透明感が未知なる熟成の可能性を感じさせる味わいに仕上がり、純米大吟醸は、よりコメ本来の旨みを引き出した逸品に仕上がっている。

5.永井社長にとって熟成酒とは?

▲(写真左から/永井則吉社長、奥様・永井松美さん)

熟成酒はわが子のように大切に育ててきたので、その成長過程もすべて把握し、ポテンシャルの高さを理解しています。何より時間の経過でしか造れない味わいが熟成酒にはあります。
しかし昔から日本酒は新酒で愉しむものとされてきた習慣があり、日本酒のヴィンテージはほとんど理解されていないと感じています。ワインの世界では当たり前のようにヴィンテージはたくさんありますが、日本酒の世界ではまだ少ないので、その希少価値、ポテンシャルを伝えていきたいと思います。

「SHINKA」HP https://shinka-nagai.jp/

特集記事

1 10
FEATURE
Discover Sake

日本酒を探す

注目の記事

Sake World NFT