惣誉 帰一 しずく 生酛仕込 純米大吟醸
惣誉酒造 | 栃木県
惣誉酒造
栃木県で150年以上続く地酒蔵[惣誉酒造]。兵庫県特A地区産「山田錦」をはじめ厳選された米と、生酛造り・熟成による理想の味わいを追求する。
日光連山を望む栃木県東部の市貝町で、150年以上に渡り日本酒を醸し続ける[惣誉酒造]。江戸時代より滋賀県日野町で醸造業を営んでいた先代は、1872年に現在の地に移り住み、酒造りを始めた。
全出荷のうち8割以上が栃木県内向けという地酒蔵であり、鬼怒川水系の伏流水のまろやかな仕込み水で醸す酒は、長年地元の人々に愛されてきた。その醸造技術は、県内外でも高い評価を得ている。全国新酒鑑評会では2011年から連続で金賞を受賞し、関東信越国税局酒類鑑評会でも、2008年、2013年、2020年に最優秀賞を受賞するなど、数々の栄誉ある賞に輝いてきた。
[惣誉酒造]の特徴のひとつは、原料米へのこだわりにある。良質な酒造好適米として定評のある「山田錦」、なかでも兵庫県特A地区産「山田錦」の使用量は、東日本トップクラスだという。普通酒から大吟醸酒まで、幅広い酒造りに特A地区産「山田錦」を使用しているほか、農家との契約栽培による栃木県産の「五百万石」、栃木県が開発した「夢ささら」など、地元産の酒造好適米も積極的に使用している。
また、酒母造りに、江戸時代から続く伝統的な生酛造りを取り入れている点にも注目だ。昔ながらの手法と現代的な技術を巧みに織り交ぜた“惣譽の生酛”で醸された酒は、やわらかで奥深い味わいになるという。
さらに、生酛で仕込んだ酒の熟成にも注力している。その真骨頂といえる銘柄が「帰一(きいつ)」だ。低温貯蔵でじっくり熟成させることで、“惣譽の生酛”特有の繊細さや軽やかさを保ちつつ、深みのある味わいと豊かな熟成感を堪能できる1本となっている。
長年栃木の人々に愛されてきた[惣誉酒造]だが、近年は生酛仕込みの酒を中心に、国内のみならず海外への出荷も増加している。「惣誉」ならではの旨い酒を世界へと広げる展望を持つ[惣誉酒造]は、地酒蔵として受け継がれてきた伝統と技術を次代へと繋げるとともに、日本酒の新たな可能性を切り拓いていくことだろう。