めし処 ぽち
築100年の京町家で愉しむ
25種類の日本酒と創作料理
築100年の京町家で愉しむ
25種類の日本酒と創作料理

四条高倉の路地を奥へ入ると築100年の京町家が現れる。
[電氣食堂]を引き継ぐ形で2023年4月にオープンした[めし処 ぽち]は、内装をそのままにメニューを一新。
旬の魚やおでん、天ぷら、釜飯など創作料理が数日に一度更新される。
店を引き継いでから特に力を入れた鮮魚は他の店とは一線を画す逸品料理に大変身。
また日本酒に合うものばかりで、店には京都を中心に全国各地の日本酒が勢揃い。

1階の大きなカウンターは最大10名。2階は5卓の半個室となっており、10〜16名ほどの貸切りにも対応。吹き抜けから見える照明が雰囲気満点。
日本酒に合う料理

お造り盛り合わせ 税込2,400円
ケンケン鰹の藁焼き、本マグロの中トロ、マダイの昆布締め、マダコのてっぱい、シメサバ、カンパチの6種類。こだわりのマグロは、マグロ専門の問屋から仕入れたもの。鰹はお店で藁焼きに。その時々で旬の魚が楽しめる。

氷下魚(こまい)のオイルサーディン 税込650円
北海道産の氷下魚は、ハタハタのような味わい。オイルで5時間煮込み、骨まで食べられるほど柔らかい。最後にかける醤油は、島根県にある井上醤油店の古式じょうゆ。和風に仕上げることで、日本酒との相性が格段に上がる。

合鴨の瞬間スモーク 税込1,000円
低温調理で火を通した合鴨はしっとり柔らか。野菜をみりんと醤油で煮出し、1週間寝かせた自家製ソースが味わい深い。提供直前にスモークガンで香り付けしており、ガラスの蓋を開けるとヒッコリーの香りが広がる。
おすすめ日本酒3選
価格に左右されず選んで欲しいという思いから、徳利1本、税込950円均一。日本酒は「自分で選ぶと好みが偏るから、酒は酒屋に。自分で店を開くなら、というコンセプトで25種類を厳選してもらいました」と店主の冨永さん。
夏に冷たいビールをチェイサー代わりに熱燗を飲むほどのお燗好きだ。

純米吟醸 天賦(鹿児島県/西酒造)
芋焼酎「宝山」で有名な[西酒造]が手がける日本酒。華やかで芳醇な香りが口いっぱいに広がる一方で、飲んだ後のキレが心地よい。食中酒として幅広い料理に合うが、旨みが強い魚に合わせるのが店のおすすめ。

純米吟醸 鍋島 きたしずく(佐賀県/富久千代酒造)
佐賀県の米と水で醸すことを目指し、1998年に誕生した地酒「鍋島」。開けたては、軽やかにガスが弾け華やかな印象。旨みと甘みのバランスがよく、スッキリとした口当たりで、どんな料理も引き立ててくれる。

日日(にちにち)(京都府/日々醸造)
「日日」のみを醸す[日々醸造]は、2022年に創業した話題の日本酒蔵。精米歩合の表記がなく、酒の種類は非公開。兵庫県東条産の山田錦100%使用しており、力強く存在感があるため、ガツンとした肉料理に合わせたい。
引き継がれる想いと新たな魅力


[電氣食堂]を引き継いだ店主冨永さんと伊藤さん。
個性豊かな逸品はこの2人から生まれる。ここでは紹介しきれなかったが、店の個性が光るおでんと天ぷらは必ず頼んでおきたい。おでんには定番のたまごや大根の姿はなく、生麩田楽やエリンギベーコン、あったかいポテトサラダなどの変わり種がずらり。秘伝の出汁が効いた、おでんの域を超える一品だ。
天ぷらはサクッとしながらも口どけの良いメレンゲのような衣が特徴。素材の持ち味を活かすため低音で揚げており、口の中で衣が消えて食材の姿が露わになる。
カウンター越しにリズミカルな手際を眺めながら出来立てをいただく、これほど美味い肴はない。
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