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【豆知識】春の訪れを祝う「春酒」!旬の料理とのペアリングも

春の足音が聞こえるこの頃、酒屋さんのショーケースには「春酒」が並び、華やいで見えます。春酒とはどんなお酒なのでしょう? 気になる春酒について、唎酒師の藤田えり子さんが解説します。

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春の気分いっぱいの春酒

春酒とは3月頃からお目見えする、春らしい桜色や華やかなラベルで彩られた日本酒のこと。特にお花見の席にはぴったりですね。季節感を大切にする日本らしい、春の訪れを喜ぶお酒として、近年販売する酒蔵が増えています。
その味わいは新酒のフレッシュさがあり、うすにごりや微発泡のもの、フルーティーで飲みやすいタイプがほとんど。まさに春の気分にぴったりで、普段はあまり日本酒に親しみがない人にも、ぜひ飲んでもらいたい美味しさなんです。

余談ですが、春のお酒といえば桃の節句の「白酒」を思い浮かべる方は多いかも。白酒は、蒸したもち米と米麹や焼酎を熟成させて作られる甘いお酒です。10%ほどのアルコールを含むので、ひなまつりの唱歌で「飲みすぎた右大臣のお顔が赤い」というのは納得ですね。

春酒にぴったり!旬素材のおつまみ

旬のお酒は旬の食材と相性ぴったり。春酒に合う春の素材を使ったおつまみを紹介します!

●アサリの酒蒸し 春酒スタイル
アサリは春が旬。ひなまつりのお祝い用にハマグリで作るのもいいですね。今回は一緒に飲む日本酒を使って酒蒸しにします。ちょっと贅沢ですが、残り汁も生かして無駄にしません。バターの風味がちょっとミルキーな春酒にぴったり。

1.アサリ(ハマグリ)は殻を擦り合わせてよく洗い、砂出しをしておきます。食用の菜の花は食べやすい大きさに切ります。
2.貝と菜の花を鍋に入れ、底から1cmくらいまで日本酒(春酒)を注ぎます。蓋をして中火で3分ほど加熱し、貝の口が開いたら火を止め、仕上げにバターをひとかけ落とします。
3.貝とお酒の旨みが凝縮された残り汁にゆでたパスタを入れて中火にかけ、水分がほとんどなくなるまで絡めます。

●春野菜の混ぜるだけ酢味噌和え

春酒のさわやかな味わいを白味噌ベースの酢味噌が引き立てます。酢味噌は白味噌と寿司酢で簡単に作ってしまいましょう。
1.春野菜はなんでもOK。タケノコ、菜の花、春キャベツ、そら豆、スナップえんどう、新じゃがなど、ゆでて食べやすい大きさにします。
2.白味噌に市販の寿司酢を加えて、マヨネーズ程度のやわらかさになるまで練り混ぜ、酢味噌を作ります。
3.水気を切った春野菜を器に盛り付け、酢味噌をかけます。酢味噌の味が濃いめなので、野菜を付けながら食べるのがおすすめです。

ほかにも山菜の天ぷらや、刻んだイチゴをトッピングしたバニラアイスなど、春酒にはほろ苦さのあるものやクリーム系、味の濃すぎないものが合います。アイデアを生かして、いろいろ試してみてくださいね。


ライター・唎酒師 藤田えり子
大阪の日本酒専門店に世界を広げていただき、さまざまな日本酒や酒蔵に出合う。好きな日本酒は秋鹿、王祿ほか
お酒以外の趣味は鉱物集めとアゲハ蝶飼育。

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