【豆知識】美味しくて身体にやさしい?気になる低アルコール日本酒について知りたい!
ビールをはじめノンアル、低アル流行りの今日この頃。時代に合わせるように日本酒の世界でも変化が始まっています。話題の低アルコール日本酒について、唎酒師の藤田えり子さんが解説します。
日本酒のアルコール度数に変化の兆し
日本酒のアルコール度数は通常16%前後あり、ビールの約5%やワインの約12%と比較すると高めです。ウィスキーや焼酎のようにソーダや水で割って飲むこともあまりないので、「日本酒はお酒が強い人向け」というイメージを持たれがちでした。
ところが健康志向やライフスタイルの多様化にともない、近年では低アルコールの日本酒が登場して注目を集めています。アルコールが苦手な人、酔いたくないシチュエーションでも楽しめる低アルコール日本酒とはどんなものなのでしょうか?
低アルコール日本酒は軽やかな味わい
5〜8%程度の低アルコール日本酒は、フルーティーで甘酸っぱい軽やかな味わいが主流。またスパークリング日本酒もアルコール度数は低めです。いずれもラベルがおしゃれで小瓶の飲みきりタイプが多いから、友達どうしの飲み会など気軽なシーンにぴったり。一人で少しだけ飲みたい時にもちょうどよく、ほろ酔い気分が楽しめます。
ノンアルコール「日本酒」も存在する?
いまやノンアルコールのビールはすっかりお馴染みになりました。ビール以外にもカクテルやワイン、梅酒とバリエーションは広がっていますが、日本酒にもノンアルコールタイプはあるのでしょうか?
現在、大手酒造会社(月桂冠株式会社、白鶴酒造株式会社)から発売されているのはノンアルコールの「日本酒テイスト飲料」。米や米麹から造られた日本酒からアルコールを除くことは困難なため、アミノ酸や香料ほかの配合によって本格的な大吟醸の味わいを再現しています。だからアルコール度数は0.00%で糖質ゼロ、または低カロリー。糖質制限やダイエットをしている方でも安心して飲めるのはうれしいですね。
注目は“やや”低アルコール日本酒
近頃増えているのが、度数12〜14%程度の“やや”低アルコール日本酒です。一般的な16%とはたった数%の違いですが、それでも身体は楽になり飲み疲れしない感じを受けます。
日本酒のアルコール度数を下げるには2つのやり方があります。まずは割り水を多くする方法で、加水しても味が薄くならないしっかりとした原酒を造らなければなりません。もう一つは酵母の働きを調整し、原酒自体のアルコール度数をおさえて造る方法です。いずれもうま味の濃さと軽快さのバランスを取るのが難しく、高い技術力が求められますが、それぞれの酒蔵がプライドをかけて取り組んでいるジャンルです。
カクテルや割り水燗で飲みやすく
家飲みの時などちょっとお酒が重いなと感じたら、炭酸割りもいいですね。レモンやライムなどの柑橘を添えると爽やかです。燗酒だったら、少し水を加えて「割り水燗」にするのもツウの飲み方です。口あたりがやわらかで、スルスルと飲みやすくなりますよ。
飲みすぎて翌日は二日酔いでダウンなんて、できるだけ避けたいもの。低アルコール日本酒をうまく取り入れながら、身体にやさしい飲み方を心がけてくださいね。
ライター・唎酒師 藤田えり子
大阪の日本酒専門店に世界を広げていただき、さまざまな日本酒や酒蔵に出合う。好きな日本酒は秋鹿、王祿ほか。お酒以外の趣味は鉱物集めとアゲハ蝶飼育。
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