【豆知識】全国きき酒選手権大会へのチャレンジも可能?利き酒の方法について知りたい!
飲んだ日本酒について記録をする時、覚えておくといいのが利き酒の方法。チェックしたいポイントや、きき酒日本一を決める大会について唎酒師の藤田えり子さんが解説します。
利き酒でわかる自分の好み
お酒を味わい、評価することを「利き酒」といいます。そもそも利き酒とは、お酒の造り手が品質確認のためにするものですが、日本酒販売店や飲食店もお客さんにどんな味わいのお酒かを説明するのに必要ですね。また個人でもチェックシートを作ってファイリングしておくと、自分の好みの酒米や酵母など把握するのに役立ちますよ。
利き酒は心を落ち着けて
テイスティングする日本酒は常温が基本です。神経を研ぎ澄まして集中するために、体調を整えて冷静な気持ちでのぞんでください。直前にはコーヒーやカレー、タバコなど匂いの強いものは摂らないように。室温の快適さや器の清潔さにも気をつけて。底に青い蛇の目が描かれた利き猪口を使うのは、お酒の黄色い色付きを見るのに反対色の青色があると判別しやすいという理由があります。
利き酒のチェックシートには、合わせて銘柄、特定名称名、メーカー、酒米、酵母、日本酒度、価格などのデータを記録しておきましょう。
こんなポイントをチェックしよう
外観は?
・清澄度:不自然なにごりや浮遊物、変色がないか
・色合:無色透明、淡い黄色、茶色、焦茶色など。色付きの理由は熟成、無濾過が主ですが、時には劣化による変色の場合もあるので注意
香りは?
・上立香と含み香:上立香は鼻に近付けた時のほのかな香り、含み香は少し口に含んで転がした時の鼻に抜ける香りのこと。上立香と含み香が違う場合もあるので意識して
・香りの具体例:香りを具体的に例える。以下の例にこだわらず、自由な発想で:
花系/梅、桜、レンゲ、ユリ、スミレ…
果実系/メロン、リンゴ、バナナ、洋梨、マスカット…
ナッツ系/栗、アーモンド、クルミ、ココナッツ…
スパイス系/バニラ、シナモン、ニッキ…
乳製品系/バター、生クリーム、ヨーグルト、ビスケット…
味わいは?
・具体的な味わい:甘味、酸味、苦味、旨味をチェック
優しい甘味、スッキリした酸味、清々しい苦味、力強い旨味など
・テクスチャー:口当たりや飲み口を表現
なめらかな、柔らかい、キメの細かい、サラリとした、キレのよい、硬い、シャープなど
・甘辛:甘口か辛口か
・濃淡:アルコール感、熟成感、テクスチャーなどを総合して判断
淡麗、濃醇など
・余韻:余韻の長さやアフターフレーバーがあるか
きき酒選手権大会にチャレンジ!
日本酒文化の普及・振興を目的に1981年から開催されている「全国きき酒選手権大会」(日本酒造組合中央会主宰)。令和6年の第43回大会は11月9日に東京で行われ、全国の予選会を勝ち抜いた代表者が参加して、きき酒日本一を決定します。例年の場合、審査は筆記試験とマッチング法によって行われます。マッチング法とは7種の日本酒をきき分けて好みの順位に並べ、もう一度繰り返して整合性があるかで判断するものです。
各都道府県の予選は5月頃から順次開催されており、今年の場合はすでに締め切ったところも多いのですが、まだ間に合う地域もあります。
例えば京都予選の開催は10月4日、申し込み期限は8月31日。参加対象は京都府在住、または通勤・通学されている方となっているので、我こそは!という人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ライター・唎酒師 藤田えり子
大阪の日本酒専門店に世界を広げていただき、さまざまな日本酒や酒蔵に出合う。好きな日本酒は秋鹿、王祿ほか
お酒以外の趣味は鉱物集めとアゲハ蝶飼育。
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