【豆知識】時間が生み出す唯一無二の味わい!知っておきたい熟成酒の魅力
年月を重ねるごとに味わいが深まる熟成酒。さかのぼれない時の流れが生む、希少価値にも注目が集まっています。熟成酒、または熟成向きの日本酒について唎酒師の藤田えり子さんが解説します。
熟成酒ってどんなお酒?
ワインの世界では一般にヴィンテージが古いほど、美味しくなる価値があるとされています。同じ醸造酒である日本酒にも熟成酒または熟成古酒といわれるものがあり、近年ますます評価は高まっています。
それでは、熟成酒とはどんな日本酒でしょう?1985年に設立された長期熟成酒研究会によると「満3年以上蔵元で熟成させた、糖類添加酒を除く清酒」を「熟成古酒」と定義しています。蔵元のみならず、近頃では酒販店や個人が自家熟成をさせるケースも増えています。
タイプ別、熟成に向くお酒の種類
熟成酒は大きく濃熟タイプと淡熟タイプに分かれます。
●濃熟タイプ おすすめ【純米酒、本醸造酒】
常温(15〜25℃程度)で熟成させるもの。色は濃い茶系に変化し、熟成香が強い。生酛や山廃などアミノ酸度の高いものの方が変化が大きくなりやすい。
●淡熟タイプ おすすめ【吟醸酒、純米吟醸酒、大吟醸酒、純米大吟醸酒】
冷蔵庫など低温(15℃以下)で熟成させるもの。色付きは控えめで、味と香りは新酒の時よりまろやかになる。変化が穏やかなので長期熟成させることが多く、よって酸のしっかりしたものが好ましい。
もちろん純米酒を低温で、または吟醸酒を常温で熟成させることもあります。なかには生酒を熟成させた「生熟」、しかも常温でというマニアックなものまであり、熟成酒の沼の深さを感じさせます!
記念日のお祝いには熟成酒を
ヴィンテージ(製造年月)が記されている熟成酒は、記念日のお祝いにぴったりです。
例えば、こんなアイデアはどうでしょう。結婚記念に10本のお酒を低温熟成させておき、5年ごとに1本ずつ味わいの変化を楽しむ。または我が子の20歳の誕生日に一緒に飲めるよう、生まれ年のお酒をとっておくのもすてきです。
Sake world NFTでは選りすぐりの日本酒をNFTで購入し、熟成保管ができます。-5℃の氷温を保った専用倉庫で期日まで保管されるので、ぜひ利用してくださいね。
ライター・唎酒師 藤田えり子
大阪の日本酒専門店に世界を広げていただき、さまざまな日本酒や酒蔵に出合う。好きな日本酒は秋鹿、王祿ほか
お酒以外の趣味は鉱物集めとアゲハ蝶飼育。
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