「吟醸酒」「純米酒」「本醸造酒」の違いとは?日本酒について詳しくなろう
日本酒のラベルには吟醸酒や純米酒、本醸造酒といった名称の表記がありますね。
それらの違いを理解すると、より自分好みの日本酒を知る手掛かりになるはず!一つひとつ解説していきましょう。
INDEX
「吟醸酒(ぎんじょうしゅ)」とは
精米歩合60%以下が「吟醸酒(ぎんじょうしゅ)
」、50%以下が「大吟醸酒(だいぎんじょうしゅ)
」になります。さらに低温でゆっくり醸造する吟醸造りも条件の一つです。
精米歩合(せいまいぶあい)とはお米をどれだけ削っているかを表す数字です。精米歩合50%の大吟醸酒の場合は、玄米重量の半分まで削ってお米の中心部分(心白)だけを使用している、とても贅沢な造りということがわかりますね。
「純米酒(じゅんまいしゅ)」とは
「純米酒(じゅんまいしゅ)
」とは、その名の通りお米だけで作られているお酒です(といっても水や米麹は必要です)。醸造アルコールを添加しないので、お米本来の旨味が豊か!
最近では、ごはんとほとんど同じ精米歩合90%の純米酒にチャレンジする酒蔵も増えています。
「本醸造酒(ほんじょうぞうしゅ)」とは
「本醸造酒(ほんじょうぞうしゅ)
」は精米歩合70%以下で、かつ醸造アルコール添加をしたお酒。
醸造アルコールの量は原料米の重量の10%未満という規定があります。吟醸酒や純米酒よりも手頃な価格のものが多く、日常的に楽しみやすいお酒です。
それぞれ大きく分けると「
の3つに分類できることが分かりますね。純米酒グループ
」「吟醸酒グループ」「本醸造酒グループ」
分類のカギは精米歩合と醸造アルコール添加にあり!
つまり、それぞれを分類するのは“精米歩合”と“醸造アルコール添加”の違い
ということ。ここまでわかれば、後はこの2つの条件の組み合わせ!
例えば「純米吟醸酒」は“精米歩合60%以下”で“醸造アルコールを添加していないもの”となりますね。純米と付かない「吟醸酒」や「大吟醸酒」には、“醸造アルコールが添加”されています。また「純米酒」には“精米歩合の規定がない”です。
醸造アルコールを添加したお酒は良くないの?
ここで注意したいのは、醸造アルコールを添加したお酒は良くないのでは?
という誤解があること。醸造アルコールとは主にサトウキビから作られるアルコールで、ほんの少量添加して飲み口をスッキリとさせる狙いがあります。またフルーティーな吟醸香を立たせる効果もあり、そのため鑑評会に出品するランクの大吟醸酒に使用されることが多いのです。
「特別純米酒」って何が「特別」なの?
さらに「特別純米酒(とくべつじゅんまいしゅ)」、「特別本醸造酒(とくべつほんじょうぞうしゅ)」
という名称もあり、こちらは精米歩合60%以下、または特別な製造方法と定義
されています。
精米歩合60%なのにあえて吟醸酒と表記しない理由の一例は、吟醸酒らしい香りよりも米を磨いて雑味を少なくすることに重点を置いた造りにしている場合など。ほかにも酒蔵独自の判断で記載がなされています。
そして、これらすべてのお酒を総称して「特定名称酒(とくていめいしょうしゅ)
」といいます。
(「吟醸酒」、「純米酒」、「本醸造酒」、「大吟醸酒」、「純米吟醸酒」、「純米大吟醸酒」、「特別純米酒」、「特別本醸造酒」の8つ)
次の5つの特定名称については、一定の要件下で表示が認められています。(国税庁平成15年)
それぞれの味わいの違いも解説
それぞれのお酒について、味わいの違いはどうでしょうか。
純米酒系はお米の甘味や旨味を生かしたどっしりタイプ
が多いようです。
吟醸酒系は繊細でエレガント。フルーティーで華やかな吟醸香が楽しめます
。
本醸造酒は、醸造アルコールの効果でスッキリとキレがあり、飲み飽きしない
のが特徴です。
大まかな傾向は以上の通りですが、酒蔵ごとの個性の違い、使用する米や酵母の種類によって味わいは千差万別。ラベル表記からの予想がくつがえされることもしばしばです。
堅苦しく考える必要はないけれど、覚えておくとお酒選びの楽しさが広がるはず!
今度からお酒を飲む時は、ラベルに注目してみてはいかがでしょうか。
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