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【豆知識】10月26日は「どぶろくの日」古くて新しいサケの最新事情

「日本酒の日」「ワンカップの日」など、お酒関連の記念日が多いのが10月。「どぶろくの日」もまた26日にやってくる。本稿ではどぶろくの特徴や記念日になった由来について、唎酒師の藤田えり子さんが解説します。

10月26日は「どぶろくの日」
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10月26日はどぶろくの日。「どぶろくって昔のお酒でしょう?」なんてイメージはもう古い。数奇な運命をたどった過去に、クラフトサケとして注目される現在について解説。Sake World NFTに登録されているどぶろくもご紹介!

100年の時を経て再び脚光を浴びるどぶろく

「濁酒」とも呼ばれ、もろみを濾す日本酒(清酒)に対して、米と麹と水だけで造るもろみそのままを生かしたのがどぶろく。時代劇の居酒屋シーンで旨そうに飲んでいる白い酒といえば分かるかも。

一説によると、どぶろくは稲作とともに生まれたといわれています。神事や祭りごとに用いられたり、庶民にとっては農家などが醸造する普段のお酒として親しまれていました。
ところが、明治時代に行われた酒税法の段階的な改正によって、1899年には自家醸造(自宅でお酒を造る行為)が全面的に禁止となります。これにより、“庶民の酒”として親しまれたどぶろくは遠い存在になってしまうことに。

転機が訪れたのはそこからなんと100年以上後の2002年。
行政構造改革の一環ととして公布された「構造改革特別区域法」により、地域振興の観点から構造改革特別区域が設けられ、そのひとつにどぶろく特区制度が始まりました。これを機に、翌2003年から全国各地に「どぶろく特区」が誕生することとなります。
そこから約20年が経過した現在はリブランディングが進み、クラフトサケの一ジャンルとして脚光を浴びるようになりました。味わいもぐっと洗練されておいしくなった「古くて新しいサケ」、それがどぶろくなのです。

「どぶろくの日」はなぜ10月26日?

ずばり、「10(とう→ど)2(ぶ)6(ろく)」の語呂合わせが由来しているのがどぶろくの日。制定したのは長野県の武重本家酒造です。「十二六」というどぶろくブランドを展開している同酒造では、どぶろくの日当日には酒蔵を記念開放しています。

さらに、どぶろく好きのコミュニティ[どぶろくラヴァーズ]は、どぶろくファンのための祭典「どぶらぶフェスタ」を開催。これまでは東京で行われてきましたが、2024年は京都での初開催となります。
第1部の「どぶろく奉納の神事と伝統芸能」もおもしろそう。どぶらぶたちの熱狂が目に浮かびますね。
https://dobu-love.com/2024/08/21/2024

Sake World NFTで買えるどぶろく

純米生どぶろく「朝光」(福光酒造 広島県)

純米生どぶろく「朝光」

先代である3代目の病のため一度は廃業をするも、若き4代目がどぶろくとワインに特化して2015年に蔵を復活したのが福光酒造。どこか懐かしい田舎のどぶろくをイメージした「朝光」は看板商品です。
やや辛口のキレのある味わいで、食中酒として楽しめますよ。

原材料:米、米麹
使用米:広島県産こいもみじ100%
フレーバー:ヨーグルト、ライチ
アルコール度:12%
酵母:きょうかい8号+広島令和1号酵母
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純米生どぶろく「ゴールド朝光」

純米生どぶろく「ゴールド朝光」

蔵元が地元農家と栽培を復活させた広島独自の米、こいもみじを60%まで磨いた純米吟醸仕様のどぶろくがゴールドタイプ。華やかな香りとキリッとした辛口で食中酒に最適です。

原材料:米、米麹
使用米:広島県産こいもみじ100%
フレーバー:ヨーグルト、ライチ
アルコール度:12%
酵母:きょうかい8号+広島令和1号酵母

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福光酒造
広島
♯広島♯酒蔵

Doburoku(稲とアガベ 秋田県)

稲とアガベ「Doburoku」

クラフトサケ醸造所の代表格が「稲とアガベ」。創業当初からの定番商品で、最高峰のどぶろくを目指しています。今シーズンはややスウィートな仕上がりで、冷酒でも温めても美味しいオールマイティな一本。

原材料:米(秋田県産)、米麹(秋田県産米)
使用米:秋田県産米 100%
アルコール度:12%
酵母:非公開
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稲とアガペ 外観
稲とアガベ株式会社
秋田
♯酒蔵

最新のどぶろくを飲んでみて!

どぶろくの濁りには、レジスタンスプロテインというタンパク質が含まれ、脂質の吸収を抑える働きがあるといわれています。また必須アミノ酸や腸内環境を整える酵素や食物繊維も豊富で、おいしいだけじゃなく健康効果にも注目を集めています。

昔のお酒という古いイメージのままじゃもったいない。気鋭の造り手たちによる最新のどぶろくをぜひ飲んでみて!

ライター・唎酒師 藤田えり子
大阪の日本酒専門店に世界を広げていただき、さまざまな日本酒や酒蔵に出合う。好きな日本酒は秋鹿、王祿ほか
お酒以外の趣味は鉱物集めとアゲハ蝶飼育。

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