日本酒とお店

日本酒バル【益や酒店】の新たな想い。「日本酒を楽しむシーンを広げたい!」

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京都の日本酒バル「益や酒店」がプロデュースするおつまみブランド「益や製菓」が2023年誕生。
大人のおつまみやオリジナル日本酒一合缶などの商品を開発。どこでも『居酒屋時間』が楽しめる[益や]の新たな取り組みを代表・益田藍さんに聞く!

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代表・益田藍さん
プロフィール
株式会社益屋・代表取締役。京都造形芸術大学環境デザイン学科建築コースを卒業後、大阪の内装会社で店舗設計と施工を担当する。退職後、2015年に念願だった日本酒店「益や酒店」をオープン。これまでになかったスタイリッシュな角打ち風のスタイルが評判となった。現在、2人の子供を育てながら日本酒の楽しみ方を提案してくれる。

1.日本酒が主役[益や]の3つのお店

▲2015年にオープンした1号店「益や酒店」

「(会社に勤めていた頃)気軽に日本酒を飲み比べできるお店がないように感じ、自分で設計したいと考えていました」。その思いを[益や酒店]という形で実現した益田さん。店のトレードマークとなる壁の黒板に一升瓶を並べたディスプレイは、さすがだ。
勢いのある蔵の酒を40種以上も取り揃え、小皿料理をアテに気軽に飲める日本酒バルが受け、たちまち人気店となったのはご承知の通り。

▲2017年にオープンした「サケホール益や」で店に立つ益田さん

[サケホール益や]は2店舗目。町家を改装した隠れ家風のこちらはグループ客でにぎわう。個室の用意やコース料理、利き酒セットもあり、会食などで使いやすい。また防空壕跡の半地下室があり熟成酒の保管庫としても利用している。
さらに2020年には[カモガワアーツ&キッチン]をオープン。挽きたてのコーヒーが楽しめるギャラリーカフェで、もちろん日本酒も各種取り揃えている。

2.益田さんにとって日本酒とは?

生産者と会えるのが日本酒の良さ

「昔はお父さんが家で飲んでいたお酒という印象だったのが、和食店でのアルバイト時代に、他のお酒と違う『幅』のすごさに気づきました。温度帯ごとに楽しめたり、味わいも爽やかからどっしり、熟成まであって。それにワインと違って日本酒は生産者に会いに行けるんです」。
コロナ禍でしばらく中断していたが、冬は毎月1回以上スタッフと一緒に酒蔵を訪ねる。スタッフの皆さんもとても勉強熱心で、現場で直接受け取った造り手の思いをお客さんに伝える役目を果たしている。

3.この春スタートした新しい試み[益や製菓]

このたび立ち上げた新業態[益や製菓]では、ギフトにぴったりの『居酒屋時間』というおつまみブランドと日本酒一合缶を販売している。
日本酒を贈る場合、瓶の割れやすさや冷蔵の必要など扱いづらさがあり、益田さんはなんとか解消できないかと考えていたそう。アルミ缶なら軽くて丈夫、常温で保存でき、小さいのでそのまま冷やしたり燗付けも簡単。いいことづくめだが、なにぶん日本酒では前例がなかった。
「うちで人気のお付き合いのある蔵にお願いしましたが、断られるかなーと恐る恐るでした」。缶詰の際に加熱をする必要があるが、それは蔵にとっては大切な火入れをほかに任せることを意味する。試作品を飲んでいただいたところ、これならいけると太鼓判をもらい、無事京都の4蔵に協力を得られた。
おつまみは益やで人気の居酒屋メニューをアレンジ。真空フライ製法を採用し、海鮮や京野菜を使用したおばんざいをサクサク食感のスナックに仕上げた。軽くて持ち運び便利、手みやげに喜ばれそうなおしゃれなボックス入りだ。

●一合缶シリーズ


・神蔵 純米大吟醸700円・純米原酒550円(松井酒造)
京都洛中最古の蔵元。雄町米100%を使用した芳醇な香りの純米大吟醸と、無濾過無加水の力強い純米原酒。

・英勲 純米吟醸酒600円(齋藤酒造)
明治28年創業、京都伏見の老舗蔵。京都独自の酒米「祝」を使用した、香りとキレのある純米吟醸酒。

・丹後のヒカリ 純米吟醸原酒550円(白杉酒造)
京都府京丹後市にて1777年創業。酒造好適米を使用しない唯一の蔵。丹後産コシヒカリの旨みが存分に味わえる純米吟醸原酒。

・城陽 特別純米酒550円(城陽酒造)
京都府山城地域で1895年創業の地酒蔵。マスカットのような香りと祝米の旨みと酸味のある飲み飽きしない食中酒。

●居酒屋時間シリーズ


・オクラときのこの梅肉和え660円
京都のおばんざいでお馴染みの梅肉和え。紀州の梅干しチップの爽やかな風味にサクッとしたしめじ、粘りのあるオクラとさまざまな食感が楽しめる。

・ひとつぶ帆立880円、キャンディ包み330円
北海道産の帆立丸ごと、塩分は素材の自然な塩気のみ。口に放り込めばサクサクホロリ、噛めば噛むほどに帆立の旨みが湧いて出る贅沢な一品。

・甘海老の素揚げ 琴引きの塩880円
頭からカリッとそのまま食べられ、香ばしい海老の旨みを堪能できる。鳴き砂で有名な丹後半島の琴引浜の塩が、海老の味わいを引き立ててくれる。

・あさりと九条ねぎの酒蒸し770円、キャンディ包み330円
居酒屋で人気の一品、酒蒸し風にアレンジ。旨みたっぷりのあさりと京都府産の九条ねぎの相性はぴったり。サクサクつまめばお酒がすすむこと請け合い。

・わさびそら豆550円、キャンディ包み330円
サクッと揚げたそら豆に、国産本わさびの風味をきかせた一品。ピリッと辛いわさびの刺激に、ついつい手がのびる。

・チーズマルコ 300円(小)
一口サイズの可愛いチーズせんべい。ポリポリした歯応えとほんのりチーズの風味が日本酒はもちろん、ワイン、ビールなどオールマイティーに合う

●おすすめのペアリングはこちら


オクラときのこの梅肉和え×城陽
甘海老の素揚げ 琴引きの塩×丹後のヒカリ
あさりと九条ねぎの酒蒸し×英勲
わさびそら豆×神蔵 純米原酒
ひとつぶ帆立×神蔵 純米大吟醸

4.日本酒を楽しむシーンを広げたい


「子どもができてあまり居酒屋に行けなくなった人、私と同世代でもいますが、『居酒屋時間』のおつまみやふりかけで、家で居酒屋の味を楽しんでもらえたら。またはアウトドアで焚き火をしながら一合缶とか」。持ち運びしやすいから、いつでも気軽に楽しめる。JR京都駅前の京都タワーサンド店でワンセット調達して、帰りの新幹線で居酒屋気分を味わう人もあるとか。
「日本酒を楽しむシーンの広がりを提供していきたい」そう語る益田さん。一合缶とおつまみがあれば、人の集まる所がどこでも居酒屋になる。新しい日本酒の楽しみ方が増えそうだ。

 

●益や製菓が利用できる店
京都タワーサンド店
KYOTO TOWER SANDO(京都タワーサンド)1F
京都市下京区烏丸通七条下ル東塩小路町721-1
10:00~21:00
https://www.kyoto-tower-sando.jp/

益や酒店
京都市中京区御幸町通四条上ル大日町426 1F

サケホール 益や
京都市中京区蛸薬師通烏丸東入ル一蓮社町298-2

カモガワアーツ&キッチン
京都市下京区七条木屋町下る大宮町463-4

https://masuya.kyoto/

益や製菓 京都タワーサンド店

益や製菓 京都タワーサンド店

住所
京都市下京区烏丸通七条下ル東塩小路町721-1Googlemapで開く
TEL
075-708-2917
HP
https://store.masuya.kyoto/
営業時間
10:00~21:00
定休日
無休(京都タワーサンドに準ずる)

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