イベントレポート

世界最大級の日本酒イベント「日本酒フェア2023」

日本酒フェア2023
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日本酒フェアとは

日本酒フェア2023

全国約1,700の酒類メーカーが所属する日本酒業界最大の団体である「日本酒造組合中央会」が毎年主催するイベントです。今年は6月16日、17日の2日間にわたって東京・池袋サンシャインシティで開催されました。主な内容は①多くの蔵元が参加し全国の日本酒が味わえる「全国日本酒フェア」と、②全国新酒鑑評会の入賞酒・約400銘柄が堪能できる「令和4酒造年度全国新酒鑑評会 公開きき酒会(以下、公開きき酒会)」が同時に開催される、世界最大の日本酒イベントです(①、②は入場料別、各3,000円/事前販売。公開きき酒会は6月17日のみ)。コロナ後、初開催となる今回は、各部とも全てのチケットが完売!根強い日本酒ファンからの期待ぶりが伺えます。

①「全国日本酒フェア」では、45都道府県から風土や文化などその地域ならではのテーマを掲げ、自慢の日本酒と蔵元が集まり、まるで全国を津々浦々旅行している気分で日本酒を楽しむことができます。今年はユネスコ無形文化遺産を目指す「伝統的酒造り」を紹介するコーナーや酒蔵ツーリズムPRコーナーなど、日本酒にまつわる話題のトピックスもありました。

②「公開きき酒会」は今回で111回の歴史をもつ全国新酒鑑評会で、入賞した日本酒約400点を一般の方が楽しめる唯一の機会として日本酒ファンから根強い人気を得ています。

日本酒フェア2023
会場には外国人の方の姿も多く見られ、毎年右肩上がりで成長を続ける輸出高の影響も感じました。

日本酒フェア2023
公開きき酒会の様子。こちらは真剣な趣き。

セミナーの様子

毎回多彩な講師を招き、ここでしか聞くことができない貴重な情報や裏話に触れることができる日本酒セミナーも同時開催され人気を博しています。特に今回は、熟成古酒のすばらしさやペアリングの魅力をお伝えするセミナーや、同じく人気が出てきた燗酒の楽しむセミナーなどが見どころでした。

日本酒フェア2023
一般社団法人刻SAKE協会によるセミナー「熟成酒の歴史と未来への提言」の様子。

各ブースの様子

日本酒フェア2023
各酒造組合による出展ブースは地域色あふれる酒造りのテーマがおもしろい。おなじみ、日本有数の“酒処”京都府酒造組合連合会による「〜京の米で京の酒を〜」ブース。京都産酒造好適米「祝」と「京の輝き」を使用した京都のお酒がズラり。

日本酒フェア2023
こちらは愛媛県酒造組合による「愛媛さくらひめ酵母誕生!!!!」ブース。愛媛県オリジナル品種の花「さくらひめ」から分離された4種類の清酒用花酵母を使ったお酒は、華やかで軽やか。そしてトロピカルでフルーティ。さくらひめをイメージしたピンクのスーツで揃えた蔵元さんや組合関係者がひときわ目立っていました。

日本酒フェア2023
岡山は岡山発祥の酒造好適米「雄町」推しです。右の写真は「全量雄町宣言」をされている御前酒の辻本店さん。

熟成酒コーナー

日本酒フェア2023_熟成酒ブース
「熟成酒コーナー」はバラエティーあふれる熟成古酒、プレミアムな古酒の試飲と販売が。熟成酒の類別として「淡熟タイプ(高精白・低温熟成)」と「中熟タイプ(高精白・常温熟成)」「濃熟タイプ(低精白・常温熟成)」があります。東北の2011年以前の熟成古酒は、『がんばれ東北』で売れすぎたためストックが少ないとのこと。福島県・奥の松酒造「奥の松」の20XXは非常に貴重。新潟県・下越酒造「麒麟 秘蔵酒」は、温度5度のサーマルタンクで熟成させ繊細な味わい。「麒麟 時醸酒」は、山廃全麴仕込でダイナミックな味わい。兵庫県・稲見酒造「葵鶴 熟成古酒」は、ブレンドで味を整えています。和歌山県・名手酒造店「黒牛」は、マイナス10度以下の熟成とマイナス10度以上の低温熟成を分けて管理しているそう。各地の状況に合わせた熟成がどんな風に花開くか楽しみですね。

日本酒フェア2023_古昔の美酒ブース
また今話題の「古昔の美酒」から今年のKura Master受賞の銘柄を中心に、濃熟、中熟、淡熟の3タイプが登場。

※Kura Master:2017年から開催されているフランスの地で行うフランス人のための日本酒コンクール。純米大吟醸酒部門、純米酒部門、サケスパークリング部門、クラシック酛部門、 古酒部門の5部門で評価される。

日本酒フェア2023_一ノ蔵酒造加温熟 成酒「MADENA(マデナ)」
今回の目玉商品のひとつ、宮城県一ノ蔵酒造の「Madena(マデナ)」。こちらもKura Master2023で金賞を獲得している。蔵元さんもブースに参加され、詳しい商品説明もありました。Madenaは大変めずらしい加温熟成酒。マデイラワインの製法「酒精強化」と「加温熟成」を応用した全く新しい香味の日本酒です。詳しい工程は非公開ですが、その貯蔵はマイナス20度からはじまり熟成温度を上げていき、最後は50度の温泉で加温熟成。加温で鍛え上げると、そのあと自宅で熟成を続けても品質劣化が少ないそうです。

※酒精強化:醸造過程で酒精(アルコール)を加える製法。ワイン等でもよく使われる技法で酸化・腐敗の防止、または個性ある味わい創出のために使われる。代表的なものに「マディラワイン」「シェリー」「ポートワイン」「マルサラワイン」などがある。

まとめ

会場は西日本と東日本に分かれており、参加人数が各回で制限されているため、比較的スムーズに試飲や購入が可能です。お目当ての地域の酒やセミナーがある場合は良いですが、酒蔵さんとの会話も楽しみつつ全ブースを制覇しようと思うと、各回2時間の完全入れ替え制のため、回りきれないことも想像されます。事前にねらいを絞って計画を立てるか、複数回のチケット購入もおすすめです。会場内にはお水と、吐き捨て用のカップが無料で配布されており、飲み過ぎに注意しながら楽しんでいただけるすばらしいイベントです。

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