日本酒好きにはたまらない![KITTE大阪]で全国各地のおつまみと地酒をチョイ飲み
2024年7月31日にオープンした「JPタワー大阪」内、B1〜6階フロアに位置する[KITTE大阪]。絶えず賑わいを見せているニュースポットです。特に2階には日本全国のアンテナショップが軒を連ねます。中でも注目なのは、地酒を楽しめる角打ちバーを併設しているショップ。おすすめの3店を巡り、新しいチョイ飲みスタイルをご紹介します。
[KITTE大阪]2階のコンセプトは「Feel JAPAN Journey (ええもん にっぽん めぐり)」。物産や観光を中心に各地の魅力を集めた目玉のフロアで、日本の良さを再発見できる。北は北海道、南は沖縄まで、まさに全国津々浦々。どのショップも名物を集めるだけでなく、観光案内カウンターや体験スペースを設けているなど新しい工夫もされている。
中でも、バーカウンターが設けられたショップでは、地酒とともにご当地の名物をアテとして提供しているそう。大阪駅にいながら、模擬的に全国ハシゴ酒ができるのだ。しかも、角打ち的に気軽なスタイルで楽しめるのでは見逃せない。
※すべての価格は税込みです
INDEX
新しい新潟の顔に出会える角打ちバー[新潟三昧 越の蔵 雪國商店]
新潟県の地の物が並ぶセレクトショップ[新潟三昧 越の蔵 雪國商店]には、カウンター4席、テーブル2席としっかりした角打ちスペースがある。木の格子戸に囲われた印象的な設えは酒蔵をイメージしたもので、蔵らしい瓦屋根や杉玉が迎えてくれる。
販売コーナーの新潟地酒セレクトは大阪随一。酒蔵と直に取引を行っているため、県外に出回らない銘柄に出会えることも。
角打ちコーナーには、販売コーナーから選りすぐりされた約6種の日本酒が登場。おちょこ1杯各380円から楽しめるほか、クラフトビールやハイボールなども約10種が各400円から味わえる。合わせるつまみも約4種を300円からと、買い物途中にふらりと寄れる気軽さだ。
人気の日本酒はこちら。
「松乃井 純米吟醸(松乃井酒造場)」(右)は、含んだ瞬間広がる香りが、華やかな一杯。甘みとすっきり感が混然一体となり、バランスが良い印象だ。どんな好みの人でもオールマイティに楽しめる飲み口なので、食事にも合わせやすい。
「かたふね はなじかん(竹田酒造店)」(左)は、フルーティな1杯。純米吟醸らしいこっくりとした品と深みのある甘みは、日本酒初心者にも好まれる味わいだろう。12%とアルコール度が低めなのも、休憩中に喉を潤すのにぴったりだ。
合わせたおつまみは、人気だという「たまとろサラミ いちじくジャム添え」。
「たまとろサラミ」は、新潟佐渡のウインナーの名店「へんじんもっこ」のもの。ドイツ仕込みの本格製法が人気で、百貨店に限定出店するとすぐ売り切れるほど、県外にもファンが多い。雪國商店では比較的安定して入荷があるそうだ。
箸先で触れると、そのソフトさに驚く。繊細な生ハムを集めて成形したような、ふわっとした食感が既存のサラミのイメージとまったく違うものだ。玉ねぎとスパイスの香りが豊かで、塩味がしっかり効いてお酒に合う。添えられたいちじくジャムと合わせて食べると肉肉しさがまろやかになり、さっぱりと中和されて見事な味変。
いちじくは、新潟県上越市の浜沿いの水はけ良い土地が栽培に向いており、近年の名産品となっているそう。土地の特徴や素材の由来について聞きながら、地元ゆかりの品を楽しむのは旅の醍醐味そのもの。
また、店舗には唎酒師がいるため、好みを伝えて相談しながらお酒を選べる(勤務体制によっては不在時あり)。製法や新潟酒米について教えてもらいつつ楽しんだ。メニューは不定期で変更になる予定で、季節商品の登場も楽しみ。
この角打ちスペース、特徴的なのは、佐渡乳業ソフトクリームが販売されていることだ。売り切れ続出の「佐渡バター」でおなじみの「佐渡乳業」の良質なミルクを使って作られており、東京交通会館など他店舗でも大人気。評判のカマンベールチーズ味に加え、コーヒー牛乳味、ミックスの3種を展開。コーヒー牛乳フレーバーを味わえるのはKITTE大阪のみである。
濃いミルク感となめらかな食感はもちろん、ふわっと香るカマンベールの風味が深い。少し感じる塩味とコク、もしかするとお酒のアテとしてもマッチするのでは……?と思いつつ、あっという間に完食してしまった。
新潟県というと雪国で米どころのイメージが強いが、こうしてお話を聞くと意外な名産品があり、しかもどれも絶品。これまでその土地に抱いていた印象を、より幅広くアップデートしてくれるのは、こうして会話しながら味わい楽しめるスタイルのアンテナショップならではだと感じた。
新潟三昧 越の蔵 雪國商店
にいがたざんまい こしのくら ゆきぐにしょうてん
営業時間:
ショップ 11:00~20:00
角打ち 11:00~19:00(Lo19:00)
ソフトクリーム 11:00~20:00(Lo20:00)
※機器洗浄日のみLo19:00
定休日:1/1 ※その他施設点検日
TEL:06-6147-4183
公式サイト:https://yukiguni.shop/osaka/
まるで現地で立ち飲み屋にいるような体験[富山・石川・福井情報発信拠点 「HOKURIKU+」(ホクリクプラス)]
1つのショップで北陸三県(富山・石川・福井)の特産品に出会える[HOKURIKU+]。特徴的なのは、3県の魅力に同時に触れられること。また、観光コンシェルジュが常駐しており、より深く魅力を知ることができる。ショップ面積が広く、食の特産物だけじゃなく工芸品なども広く揃えているため、より土地の持つカラーに触れられるのが面白い売り場だ。
横に長いショップ敷地の右端がバーカウンターになっており、3県の日本酒を豊富に揃える。楽しみ方は2種類あり、スタンディングバーでオーダーをしてカウンターで楽しむタイプ、コインを購入してセルフ方式で楽しめる酒サーバーのタイプだ。
カウンターバーメニューには約15種、コイン式には常時18種の日本酒が並び、おつまみやソフトドリンクと共に提供。今回はコイン式を体験しつつ、カウンターでおつまみをオーダーした。
コイン式サーバーは、カウンターレジでコインを1枚300円、3枚800円、4枚1,000円で購入し、おちょこカップを受け取る仕組み。サーバーで飲みたいお酒を選んだらコインを投入して、ボタンを押すと一杯分が注がれる。
他にも、お酒に詳しいスタッフがこの時期のおすすめを丁寧にアテンドしてくれた。
「神泉 純米吟醸(東酒造)」は、石川県の日本酒で、金沢酵母を使用した旨味の強い飲み口が特徴。すっきりと芳醇ながら、キリッとしたのど越しも感じられる。能登半島地震に義援金を募ることを目的に造られたもの。
「梵 GOLD 純米大吟醸(加藤吉平商店)」は純米大吟醸ながら、気軽な価格で味わえる嬉しいお酒。まず口で膨らむ香りは甘みとまろやかさがあり柔らか。それでいて爽やかな味わいなのが楽しい。福井県で造られ、今では外国でも人気なのだとか。
富山県のお酒、「有磯 曙 特別純米酒 ひやおろし(髙澤酒造場)」は、熟成感ある味わいがまろやかで、すっきりとキレある口当たりがきれいな後味だ。海産物が豊富な富山県らしく、魚介類との相性が良さそうだ。
おつまみメニューから、3県の特産品をアテに楽しめるセットを合わせて楽しんだ。
この日は、ほたるいか素干し(富山県特産)、カットサーモン(石川県特産)、うめクリームチーズ クラッカー添え(福井県)の3品が盛り合わせで提供されている。
特に富山県特産品である「ほたるいか素干し」は、凝縮された旨味が食べた瞬間に広がり、お酒と交互に運ぶと病みつきになる味わい。ワタの部分が口内で弾けて広がると、これがまた複雑な苦味と香りが加わり更に旨味が増幅する。おつまみは全てショップで購入でき、気に入ったものを自宅でも楽しめる。
セットメニューはボリュームがたっぷりなので、しっかりお酒と楽しめるのが呑兵衛の心をくすぐる。思わず数杯、おかわりを繰り返す方も少なくないのだとか。
コイン式サーバーではなく、カウンターメニューから日本酒をオーダーすると、各県の工芸品が器として提供される。食以外の面からも土地を感じられる仕掛けがふんだんにあるのだ。
カウンターは見事な能登産杉で設えており、横の壁には大モニターが設置されている。流れているのは3県の雄大な自然や根付く文化をイメージする映像で、眺めていると絶景気分になれるのが面白い。舌、手に取る器、そして目で楽しみ、疑似的な旅に出ているようだ。カウンターでの接客を担当するスタッフも日本酒や特産品について積極的に解説をしてくれる。北陸の魅力をあらゆる角度から味わうこの体験、大阪には気軽に立ち寄れる北陸がある。
HOKURIKU+
ホクリクプラス
営業時間:11:00-20:00
※スタンディングバーのラストオーダーは19:30
定休日:無休(元旦、ビル施設点検日等除く)
TEL:06-6690-8813
公式サイト:https://hokuriku-plus.com/
屈指の酒どころから集まった極上グルメに出会う[SUPER LOCAL SHOP とさとさ]
「極上の田舎」をコンセプトに、高知が誇る食と文化に出会えるショップ。食品類の充実ぶりはもちろん、県内全蔵の土佐酒を揃えた豊富な日本酒コーナーは、ファンなら立ち寄りたいスポットだ。
特に人気なのは「亀泉CEL-24」。問い合わせ多く、品切れることも多々ある品だ。「司牡丹 船中八策」は辛口を求める方に人気の超辛口の酒。
1合瓶のラインナップが幅広いのも特徴のひとつ。色々な銘柄を試して好みを見つけたい人や、手土産を探している時に重宝する品揃えだ。
日本酒におつまみとして合わせたい特産品も豊富に揃うため、セットで選ぶのも楽しい。スタッフの方が特においしいと勧めてくれた品は、現地道の駅などでしか手に入りにくいものばかりだ。
また、[とさとさ]で力を入れているのは個別の特産品や食品、地域、メーカーにスポットを当てたフェアの開催だ。店舗スペースの1/3ほどがイベント開催ができるエリアになっており、期間限定で酒蔵を呼んでの試飲イベントなど、日本酒にまつわる催しも不定期で開催している。次回は2024年12月18日から、土佐鶴酒造を予定。(詳細はHPやSNSにて告知)
SUPER LOCAL SHOP とさとさ
スーパーローカルショップ とさとさ
営業時間:11:00~20:00(平日・土日祝)
※年末年始は営業時間変更の可能性あり
TEL:06-6940-6262
公式サイト:https://www.tosatosa-kochi.com/
20店22県が揃える新しい味に出会いに行こう
ここでは紹介しきれなかったが、KITTE大阪2階に全部で20店もあるアンテナショップでは、地元の味を楽しめるコーナーが豊富だ。
京都府のショップ[京今日]では、京都の地酒が揃っているコーナーが充実し、地元の人気日本酒バル[益屋酒店]の手がけたつまみも販売しており、見逃せない。長野県の[OGINOYA]では日本酒はもちろん、漬けものや蕎麦などの名産品、峠の釜めしの限定販売など、日本酒に合うお供が多数見つかる。
他にも広島の[ひろしまIPPIN]、北海道の[北海道うまいもの館]など、目移りするほど名産品が溢れている。
買い物ついでに各店を巡り、お気に入りのスポットが見つかれば、ぜひ現地に旅をしたい。
ライター 橋尾 日登美
東京生まれの大阪在住。ライターとして、企業取材記事や、ビジネスコラム、暮らしとお酒と食にまつわる記事を執筆中。同時に企業の人事・広報も支援。
ディープな酒場エリアに暮らし、趣味は飲み歩きとピクニック、料理。とにかくすぐ「ビールが飲みたい」と発言するのが特徴。好きな日本酒は『上喜元』、『舞美人SanQ』。
Instagram: @hashiohitomi
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