日本三大酒どころ広島・西条「酒まつり 2023」潜入レポート!
秋風が立ちはじめた2023年10月7日(土)、8日(日)。
日本三大酒どころである東広島は西条にて、「酒まつり 2023」が開催された。
1979年から行われていた「みんなのまつり」を発端に、西条酒造組合(現・西条酒造協会)がお酒をシンボル化し生まれたこのお祭り。
西条一帯がお酒に染まると聞いて、胸を躍らせたSake World編集部が潜入!
メイン会場で乾杯
午前11時JR西条駅にはすでに大勢の人が。
日本酒好きの方はもちろん、地元の方やファミリー層まで幅広い客層。
「酒まつり」への期待の高さが伺える。
JR西条駅から南に続く大通りには、屋台がずらり。
さすが広島、焼き牡蠣のいい香りが鼻をくすぐる。賑わう人の中をすすむと、ほどなくしてメイン会場である西条中央公園にたどり着いた。
メイン会場入り口。ステージでは鏡開きからスタートし地元のダンスサークルやバンドの演奏で活気溢れる。敷地内に入ると、すぐに振る舞い酒が手渡される。木樽から注がれるお酒にはほどよく木の香りがうつっていた。
秋晴れに澄み渡るような味わいの振る舞い酒。乾杯するしかない!
西条で醸されたこだわりの日本酒たちがずらり。
せっかく西条に来たからには西条のお酒を購入して帰りたい。
東広島名物料理、美酒鍋
「美酒鍋会場」では、東広島名物の美酒鍋が振る舞われていた。
美酒鍋は、豚肉や鶏肉、野菜類を日本酒と塩・こしょうだけで調理するのだそう。
元は蔵人のための賄い料理で、利酒に影響の出ないようにシンプルな味付けなのだとか。
ふわりと素材の香りが立ち上る美酒鍋。
日本酒と塩・こしょうだけで調理しているとは思えぬ満足感!
シンプルな味付けとは裏腹に、日本酒のおかげで具材の旨味がこれでもかと感じられる。
やはり本場で味わうのは格別。最後の一滴まで残らず平らげ、いざ次の会場へ。
全国の日本酒が一挙に!?
酒を味わい尽くす「酒ひろば」
「酒まつり」で楽しめるのは、西条の日本酒に留まらない。
メイン会場から歩いてすぐの「酒ひろば」では、全国から取り寄せられたバラエティに富む日本酒が試飲できるのだ。
「酒ひろば」は入場券の購入者のみ入ることができる有料会場。当日券も販売されているが、枚数が限られているため事前購入がおすすめだ。
3,000円で試飲チケット8枚と酒のアテ、やわらぎ水、付属の品のお猪口と酒目録が付く。
北海道・東北、関東、中部、近畿、中国、四国・九州・沖縄とエリア別で区切られた試飲ブースには銘酒をもとめて長蛇の列ができている。
日本全国から約800銘柄が揃う中、スタート早々に売り切れる銘柄も多々あり人気の高さが伺える。
▲岩手県/桜顔酒造 「桜顔 特別純米 五割五分磨」
お猪口に、なみなみと日本酒を注いでくれるのは嬉しい!
軽快なコクとさらりとした旨味を感じ、穏やかな含み香の余韻に包まれる。
各地域の特徴や味わいを感じながら蔵人自慢の味を堪能。
賀茂鶴酒造で贅沢な一杯&蔵見学
酒まつりの魅力のひとつとして、西条酒造協会加盟8社の酒蔵が、限定酒の販売などのイベントを開催している。西条の地で150年続く老舗酒蔵[賀茂鶴酒造]へ。同蔵では4年ぶりの通常開催だ。
酒づくりをイチから学べる酒蔵見学に加え、「酒まつり」限定の大吟醸も味わえる贅沢な試飲ブースが。ほろ酔いでも、限定と聞いては飲まずにいられない!
限定の大吟醸酒・純米大吟醸酒を含む 4種類がラインナップ。
[賀茂鶴酒造]の中でも上クラスの銘柄なのでかなりお得だ。
杜氏さん自ら注いでくれる一杯は美味しさもひとしお。
いただいた中でも「酒まつり限定 純米大吟醸 千本錦38%」は華やかな香りがふくらみ、熟成香がいいアクセント。さすが千本錦らしいすっきりとしたバランスがとれている。
▲酒まつり限定の大吟醸酒は同会場・販売コーナーで購入もできる。
▲[賀茂鶴酒造]のみで会場マップが掲示されるほど、広大な敷地に蔵づくりの建物がいくつも並ぶ。
▲酒蔵見学では、実際に使われていた甑(こしき)やタンクを見ることができる。想像を凌ぐ大きさに迫力満点。
▲見事な焼き物の器に日本酒を注ぎ、お酒の新たな価値を提案する試みも。
他に、杜氏による酒蔵案内や全国梅酒品評会殿堂入りの「純米酒仕込み梅酒」が飲める梅酒Bar、魅力的な料理が揃うグルメコーナーに酒蔵チャリティーコンサートやワークショップまで楽しい内容が盛りだくさん。
コロナ禍以降の4年ぶりの開催で、鏡開きで響き渡る「よいしょ!よいしょ!よいしょ!」のかけ声には感無量。
街全体がお祭り
酒まつりの特徴はお酒をシンボルにした街全体のお祭り。
大通りはもちろん、路地や店前などあちらこちらで屋台や催しものが。
▲大酒林神輿、姫神輿、酒みだればやしも町中を練り歩く!
その他「企業ブース」に、世界のお酒と食がテーマの「国際交流ひろば」、ファミリー向けの「キッズパーク」、ドイツビールやソーセージが味わえる「ドイツひろば」など1日中楽しめる場所が盛りだくさん。
▲最後にどうしても食べたかった牡蠣をアテに
さいごに
身も心も日本酒に満たされたところで、取材もお開きに。
「酒まつり」では、日本酒への情熱はさることながら、家族連れの多さにも目を引かれた。酒好きにはたまらない催しながらも、酒が飲めない人や、家族、幅広い年齢層に愛されるお祭りであることが「酒まつり」の魅力なのかもしれない。
毎年両日合わせて20万人もの来場がある「酒まつり」。
来年の開催にも期待を寄せるほかない。
●酒まつりの公式サイトはこちら
https://sakematsuri.com/
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https://sakeworld.jp/special/