ブレンドは日本酒の新しいフィールド![京都/松井酒造]松井治右衛門さんが[My Sake World]を体験。
複数の酒蔵の日本酒をブレンドするという考えから生まれた、新感覚の日本酒[Assemblage Club(アッサンブラージュ クラブ)]と自分だけのオリジナルブレンド日本酒が作れるスポット[My Sake World]。この蔵を超えた日本酒のブレンドという新しいチャレンジをサポートしてくれる人たちに、今の想いを聞いた。

今回は日本酒業界で新たな取り組みを展開する[松井酒造株式会社] 代表取締役社長 十五代 松井治右衛門さんが2025年6月28日にオープンした[My Sake world 京都河原町店]にてオリジナルブレンド日本酒つくりを体験。伝統的酒造りの枠を超え、循環型社会を意識した商品開発や、海外展開、そして「ブレンド日本酒」という新しい価値創造についてインタビュー。松井さんが取り組む様々な挑戦は、日本酒業界の未来を切り開く可能性を秘めている。
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- 松井酒造株式会社 代表取締役社長 十五代 松井治右衛門さん
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プロフィール京都出町柳に位置する享保 11 年(1726 年)創業の洛中最古の酒蔵。2006年に実家である松井酒造に入社。伏見で酒造りの修業を経て、2018年代表取締役社長に就任。伝統と革新をテーマに「神蔵Kagura」「富士千歳」などを醸造。
INDEX
1.循環型の新たな酒造り
—松井酒造さんとして最近の取り組んでいることはありますか?
松井さん「循環型社会みたいなところは私たちも一員だと思っています。酒粕を使ってジンを造ったりしています。例えばうちのスパークリングは甘いんですが、発酵の序盤でお酒搾るので、酒粕に発酵する余力が残されています。それを再発酵させて蒸留してアルコールを引っ張り、植物原料を加えて香り付けしていくというやり方をしています。」
植物原料はレモネード屋さんから捨てられるレモンの皮や、使用後の梅酒の梅を香り付けに使用するなど再利用しているという。また今年からは花店から廃棄する花を購入し、バラと百合の香りで、ジンを造るなど循環型の酒造りに取り組んでいる。
松井さん「スピリッツ系統の名前は『輪廻』という名前にしていて、輪廻転生をイメージするようなお酒になっています。」
2. 仲間意識が芽生えた[Assemblage Club(アッサンブラージュクラブ)]

増⽥德兵衞商店・北川本家・松井酒造による酒蔵の垣根を超え誕⽣した⽇本酒ブランド「Assemblage Club(アッサンブラージュ クラブ)」
—松井酒造さんは[Assemblage Club(アッサンブラージュ クラブ)]に参加されています。複数の酒蔵の日本酒をブレンドする手法について、初めて聞かれた時にはどう感じられましたか?
松井さん「ワインやウイスキーはブレンダーこそが価値があるという世界で、実は羨ましく見てたんです。日本酒でブレンドができるというのは、すごく楽しいなと思いました。今日ブレンド体験してみてやっぱりいいなと、新しい価値ですね。」
-[Assemblage Club(アッサンブラージュ クラブ)]の取り組みで良かった点はありますか?
松井さん「今まで他社さんはやっぱりライバルだったんです。百貨店などで棚の取り合いをしないといけないとか、売上なども含め勝たないといけない相手だったのが、仲間意識が芽生えるというか、それはメーカーとして楽しいなと思います。」
「アッサンブラージュクラブが海外で賞を取った時はうちのお酒が入っているからと自信になったり、今まで取引することができなかった飲食店さんに入れてくださっているのもありがたいです。」
3. 期待以上に楽しかった「My Sake World」
-My Sake Worldでの体験はいかがでしたか?
松井さん「期待以上に楽しかったです!これは人が来る価値がありますね。思い出になりますし」
-終始楽しそうに体験している様子が印象的でした。『My Sake』はどうのような味わいになりましたか?
松井さん「フルーティーさが好きなので、香りがいい英勲とワンポイントに抱腹絶倒・・・。皆さん、酒蔵さんの顔が思い浮かんでは消えるので2回目の試作も考えます!料理に合わせるのか、そのまま飲むかによっても変わりますね。」
「難しい、沼ります」と言いつつも、ブレンドはまさに真剣。ミリ単位で調整する姿はさすがプロだ。優しい松井さんらしく各酒蔵さんの顔を浮かべながら京都のお酒を中心にブレンドしていた。

My Sake World御池別邸では「ルリ」京都河原町店では「七曜」がラインアップされている。
-My Sake World御池別邸のブレンド使用酒では松井酒造の神蔵(ルリ)が在庫切れになるほど人気が高いです。
松井さん「すみません(笑)。去年、生産量が過去最高だったんです。今年はさらに頑張って製造しようという話はしています。」
-改めてMy Sake Worldはいかがでしたでしょうか?
松井さん「自分でつくったお酒はまた違って感じるじゃないですか。味わいはもちろん、お客さんが自分であのつくったお酒は多分納得ができる味になる。今回体験させていただいて、本当に日本酒の新しいフィールドという感じがしました」
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4. 体験型がこれからすごく良くなる
-松井酒造さんの酒蔵体験も外国人観光客の方が多数来られていますがきっかけは?
松井さん「一番最初は名古屋大学の先生が、友達のアメリカ人の先生を連れていきたいっておっしゃったのを覚えています。それまで海外の方に蔵を案内したことはなかったのですが、すごく喜んでいただいて、その後どんどん増えてきたような感じがあります。」
「日本でラグビーワールドカップがあった時に多くのが海外の方に来店いただき、僕らだけでは対応しきれなくなってジョージさん(※アメリカ出身スタッフ)。彼が入ってきてくれて、そこでまた1つ良かったのかなと思います。」
日本酒とアート、音楽、アニメーションなど異分野とのコラボレーションも積極的に推進し、海外からの観光客にも対応できる体験型の酒蔵見学を実現している松井酒造。伝統を守りながらも新しい価値を創造する姿勢が、多くの支持を集めていると感じた。
「ブレンドは日本酒の新しいフィールド」という言葉は、業界全体にとって大きな励みとなる。松井さんと共に、伝統を守りながらも革新を恐れない姿勢が、日本酒の未来を明るく照らしている。
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