常に新しい取り組みにチャレンジする![海鮮処わたなべや]店長・髙橋雅治さんインタビュー
ブレンド技法を用いた日本酒「Assemblage Club(アッサンブラージュ クラブ)」をいち早く提供した「海鮮処わたなべや」。今度は自らの手でオリジナルの日本酒づくりに挑戦。日本酒のブレンドが体験できる「My Sake World」で「マッサン ブラージュ」を誕生させた。日本酒のブレンドを経験してみた率直な感想やその想いを伺う。

京都烏丸御池で魚料理と日本酒が楽しめる「海鮮処わたなべや」店長の髙橋 雅治さんが、「My Sake World」でオリジナルのブレンド日本酒づくりに初挑戦。3種類の日本酒をブレンドして造った「マッサン ブラージュ」を手がけた感想や、新しい日本酒「Assemblage Club Taro´(タロウダッシュ)」に対するお客さんの反応など聞いた。
この方に話を聞きました

- 海鮮処わたなべや 店長 髙橋雅治さん
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プロフィール1997年生まれ。愛知県犬山市出身。京都の大学に入学した後、1回生から4回生まで「海鮮処わたなべや」の姉妹店でアルバイトをする。卒業後は社員となり店長に就任。コンパクトにまとまっている京都の街は住みやすく気に入っている。
INDEX
1. 日本酒は優れた食中酒だと思っています
「人が喜んでいる姿が直に感じられる飲食業に魅力を感じました」という「海鮮処わたなべや」店長の髙橋雅治さん。就活をして内定先を得ていたが、就職先は大学4年間アルバイトをしていた「海鮮処わたなべや」に決めた。
看板メニューが海鮮料理となれば、当然ながら店には銘酒と呼ばれる日本酒が数多く揃っている。最初は何もわからなかった髙橋さんだが、店の先輩たちと伏見の酒蔵に見学に行ったり、働くうちに、自然と日本酒についての興味が湧いていったそう。微妙な味わいの違いなど少しずつわかるようになり、今ではこの料理には、この日本酒が合うとイメージできるまでに。「日本酒は様々な料理との組み合わせを楽しむことができる、優れた食中酒だと思っています」という髙橋さん。
2. 様々な魚料理と日本酒が楽しめる居酒屋
「海鮮処わたなべや」は、烏丸御池でサラリーマンや地元から10年以上にわたり親しまれている居酒屋。鳥羽や壱岐島、津本(宮崎)から届く新鮮な魚介類を中心にお造りをはじめ、焼き魚、煮つけ、にぎり寿司など、様々な魚料理が存分に堪能できる。ほかにも最高級の合鴨を用いた逸品や釜めし、おつまみ系なども充実。昼営業でも夜のグランドメニューが味わえ、ランチ限定の海鮮丼類も提供。
料理と一緒に楽しめる日本酒が10種類以上用意されている。地元の地酒から、有名な銘柄、異なる蔵同士のブレンドで生まれた画期的なお酒までいろんな日本酒が味わえると好評だ。
3. 食中酒にぴったり!ブレンド技法を用いたお酒
店の選りすぐり日本酒の中には、ブレンド技法を用いたお酒も。「Assemblage Club Taro´」は京都の酒蔵3蔵と共同開発したブレンドの日本酒。ワインの伝統的技法アッサンブラージュ(ブレンド)を⽇本酒に応⽤し、複雑で繊細な味わいを実現させている。
なぜ、この革新的な日本酒をいち早く取り入れられたのだろう…。「うちの店は、常に新しい取り組みにチャレンジするスタンスなんです。なので、将来を見据えた製造法に興味をもったからではないでしょうか。これからも、新進的な日本酒を提供していきたいですね」という髙橋さん。
価格は通常よりも高めであるがゆえ、お客さんから「なぜこれだけ高いの?」と質問されることもしばしば。説明すると、「珍しいから飲んでみるわ」という方もけっこういるそうだ。香りと風味が楽しめさっぱりした飲み口は、食中酒としてぴったりなのでお客さんにすすめやすいという。
「結果的に客単価は上がり、店の価値もアップしたのではないでしょうか」とニッコリ。
*「Assemblage Club Taro´」は2025年5月現在、店舗での取り扱いはなし。
4. 楽しかったブレンド日本酒づくり、店の宣伝にも!
「正直、最初は違う銘柄の日本酒を混ぜていいのかな、と思ったのですが、それよりも好奇心の方が勝ちました」と髙橋さんは苦笑いする。先輩の福永さんと共に、日本酒のブレンドが体験できる「My Sake World」でオリジナル日本酒を造った。
「とても楽しかったです。12種類から選び調合するのですが、ほんの少量 でこんなにも変わるんや、とびっくりしました。微妙な味わいの調整がむずかしくもあり面白かったです」。
こうして2025年4月にオリジナル日本酒「マッサン ブラージュ」が店デビューした。「神蔵」(京都)と「TAMA」(京都)、「シン・ツチダ」(群馬)をブレンドして、海鮮料理によく合う日本酒だ。軽快でなめらかで飲みやすい、髙橋さん好みの味に仕上がったそう。提供を始めて1週間だが、すでに2本が空き好調なすべりだしに。

「マッサン ブラージュ」は1合2300円、グラス1300円
店の常連客40代以上の層だけでなく、若い人からのオーダーもあり幅広い世代が興味をもったよう。「ここでしか味わえない日本酒を置くことは、店の宣伝にもつながる」と確信する髙橋さん。次回の仕入れは、今と同じものにするか、また違うブレンドの日本酒にするか、今は思案中だが、提供は続けていくと決めている。
ちなみに、「マッサン ブラージュ」のネーミングは、ブレンド技法「アッサンブラージュ」に髙橋さんのニックネーム「マッサン」を掛たもので、料理長が命名されたそう。
5. これからも面白いことにチャレンジ!
店が目指しているのは、割烹と一般的な居酒屋の中間くらい、気軽に立ち寄れて、和食店と同レベルの魚料理が味わえる店だ。そして、店の活気と人の温かみを感じる接客も大切にしている。「僕もそうですが、大学生からアルバイトしていたスタッフがそのまま、ここで働くというパターンが多い。きっと働きがいを感じるからだと思うんです。そんな仲間と一緒に、これからも面白いことにチャレンジしていき、いろんなタイプの日本酒を提供していきたい。また、店も人ももっと成長していきたいですね」と熱く語る高橋さん。
こちらにくれば、美味しい魚料理と銘酒、ココでしか飲めない日本酒にも出合える。夜だけでなく、昼からガッチリ食べて飲めるもこちらの魅力だ。
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♯京都♯アッサンブラージュ
ライター:飯塚 真里
京都市伏見区在住。近所には情緒ある酒蔵が数多く立ち並ぶ恵まれた環境に住んでいる。日本酒は好きだが、残念なことに舌には自信がない。コクのある甘口が好み。国内外の美術館めぐりが趣味

海鮮処 わたなべや
- 住所
- 京都府京都市中京区押小路通東洞院東入ル左京町124Googlemapで開く
- TEL
- 075-203-0651
- 営業時間
- 11:30~24:00(L.O/23:30)
- 定休日
- 不定休