イベントレポート

町中がお祭りモード!
九州最大級の日本酒まつり[第31回 城島酒蔵びらき]をリポート!

福岡県久留米市の城島は兵庫の灘・京都の伏見・広島の西条と並ぶ酒どころとして有名。筑後川の豊かな水、美しい大粒の筑後米、愛情こまやかな三潴杜氏の技量、水運の便利さなどの利点に恵まれ、古くから酒造りを営んできている。昨年の動員数は2日間で12万人!町中がお祭りモードの城島地区に初潜入する。

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九州最大級のお酒のイベント[第31回 城島酒蔵びらき]が2025年2月15、16日に開催。メイン会場で行われる「城島の酒飲みくらべ」や「角打ち」をはじめ、城島地区の日本酒蔵元でも様々なイベントが行われ、シャトルバスに乗って各酒蔵を巡りながら、新酒を味わうことができる。

会場最寄りの西鉄大牟田線三潴駅。いつもは、停まらない特急が臨時停車する。普段とは違う駅員さんの人数の多さがイベントの人気ぶりを想像させる。

ゆっくりと進む人の波に従って歩いていると「こんなにたくさん、日本酒好きの人がいるんだね。」と参加者の声が聞こえてきた。イベントを前に期待に胸が熱くなる。

[旭菊酒造株式会社]でにごりを試飲

最初に立ち寄ったのは、「大地」の銘柄を出している、[旭菊酒造]。朝日のように勢いのあるキレの良い酒を願った社名とのこと。バスを降りると、その先に試飲用のテントが見えた。まずおちょこを300円で購入。「旭菊」の名前入りのおちょこを購入すると、無料試飲で使えるコインがついてくるのでおすすめ。

3種類(しぼりたて生原酒・上撰・銀生にごり酒)から一つを選んで無料試飲ができる。今回はしぼりたて生原酒をチョイス。クラッシックタイプの味わいで、しぼりたての良さが際立つ。スッキリしていて飲みやすい。

会場は奥が広く、最初の建物に入ると直売エリアになっている。有料の試飲コーナーは1杯200円から300円と高コスパ。にごり酒はおちょこ購入時にもらえるコインを使用すると100円で飲める。甘さの中にしっかりとした酒のうまみがあり、後味はさっぱり。

「購入したコインは、来年の城島酒蔵びらきと3月30日に開催する酒蔵びらきに忘れずにご持参ください。来年の城島酒蔵びらきでは1杯、酒蔵びらきでは2杯が無料で試飲していただけます」と酒蔵さんよりコメントも。

■旭菊酒造株式会社
〒830-0115 福岡県久留米市三潴町壱町原403
Tel:0942-64-2003
※3月30日10:00〜16:00 旭菊酒造「酒蔵びらき」
https://asahikiku.jp/

濃厚な熟成酒を試飲「池亀酒造株式会社」

会場に到着すると大きな入口に手書きの案内図が迎え、温かな雰囲気を醸し出している。無料と有料の試飲コーナーがあり、直売所「かめのこ」では飲み比べができる。奥に進むと酒粕汁やソフトクリーム、柚子胡椒などの販売も。

限定酒の「純米大吟醸斗瓶取り」を試飲(300円)。フレッシュな味わいとお酒の風味がたまらない。一緒に食した炭火焼の焼き鳥との相性も抜群。2杯目は限定酒の隣にあった「黒兜古酒」(300円)を。杜氏さん自ら杓子で注いでくれ、琥珀色がとてもきれいだ。

「甕で5年熟成されたものです。この状態での販売はしておりませんが、低温貯蔵の瓶は販売用があります。」と杜氏さん。熟成香があり、豊かなコクで味わったことのないまろやかさ。日本酒も寝かせると風味が増していくのが理解できた。

■池亀酒造株式会社
〒830-0105 福岡県久留米市三潴町草場545
Tel:0942-64-3101
https://ikekame.com/

「城島町民の森」全体がお祭り騒ぎ!

メイン会場は野外ステージを備える城島町民の森。バスの乗降場所からすぐには蒸し牡蠣と牡蠣に合う城島の地酒が飲める「Kaki×Sake BAR」。飲み比べのコーナーへ向かう道には、レジャーシートを敷いたグループが酒瓶を手に屋台のグルメやスナックで乾杯して大賑わい。お酒や食事の持ち込みもOKで朝から宴会が行われている様子が伺えた。メイン会場では、家族連れも多く、子どもたちもお祭りを楽しんでいた。

飲み比べチケットは、15枚綴りでおちょこがついてくる。Aクラス(普通酒〜本醸造酒・純米酒)は1枚でBクラス(純米酒〜純米吟醸酒)は2枚、Cクラス(純米吟醸酒〜純米大吟醸酒)は3枚で一杯。飲み比べで7杯(5酒造)を制覇した。

Cクラス
「池亀酒造」純米大吟醸酒 華(名前の通り、華やかで飲みやすい)
「比翼鶴酒造」今朝しぼり純米吟醸酒(クラッシックタイプで香りが強い)
「萬年亀酒造」萬屋荒神純米吟醸(アラガミのようにガツンとくる味わい)

Bクラス
「杜の蔵」独楽蔵無農薬山田錦六十(すっきりとして安定感のある味)
「比翼鶴酒造」特別純米酒耶馬寒梅(芳醇な香りが特徴的)

Aクラス
「瑞穂錦酒造」誉鷹にごり酒(にごり酒独特の甘みと旨味)

「筑紫の誉酒造」初蔵だより しぼりたて原酒 (アルコール度数19度を感じさせない飲みやすさ)

飲み比べを楽しんだ後は、角打ちコーナーで締めた。ここでしかないお酒が飲めるのと、隣のお客さんや店員さんとのコミュニケーションを楽しめるのも角打ちならでは。青森からこの日のためにやってきたお客さんもおり、全国的に注目を集めているイベントだと再認識。

「杜の蔵」独楽蔵燗純米 熱燗(おでんに合う、ほっとする味わい)

当日は曇り空で時々、小雨も降っていたが、会場は大盛況だった。この時期らしい寒さだが日本酒で身体を温めることができた。初体験の蔵開きイベント、一人で行ってもグループでも時間が足りないくらい楽しめるものだった。九州の日本酒はまだまだ、奥深い。これからの福岡の酒に期待が高まる。


ライター:シヴァ
福岡県在住/保育士・Webクリエイターエキスパート所持・IT講師
地域ブログ運用、社内報特派員を経て、フリーライターに転身。電子書籍「子どもの心配をやめたら自分も子どもも自立した話」は、Amazon Kindleキャリア部門1位獲得。好みのお酒は、モダンでもしっかりとお米の旨味が感じられるタイプ。趣味は家飲み、ゲーム、推し活、読書、旅行

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