イベントレポート

日本酒と料理のペアリングで楽しむ、特別な一夜!南青山で開催された「福井で醸す日本酒の夜明け」イベントレポート

2025年2月2日、東京都港区「ふくい南青山291」にて、[福井で醸す日本酒の夜明け -新酒と調和する特別なお料理とともに- ]が開催された。田嶋酒造7代目杜氏・田嶋雄二郎氏と元アマン京都総料理長・鳥居健太郎氏が、日本酒と料理のペアリングを提供。イベントの様子を2024 MISS SAKE 京都の津田がレポートする!

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[福井で醸す日本酒の夜明け -新酒と調和する特別なお料理とともに- ]
が2025年2月2日、東京都港区「ふくい南青山291」にて開催された。
田嶋酒造7代目杜氏・田嶋雄二郎氏と元アマン京都総料理長・鳥居健太郎氏が、
日本酒と料理のペアリングを提供。日本酒の新たな魅力を堪能できる特別な時間となった。

「日本酒造り講座」を経て誕生した新酒

右より初代Miss SAKE 森田真衣氏・田嶋酒造7代目杜氏・田嶋雄二郎氏・元アマン京都総料理長・鳥居健太郎氏・2024 MISS SAKE 京都の津田

今回イベントで提供された新酒「Fukui530」は、初代Miss SAKEであり、日本酒の魅力を広める活動を続ける森田真衣氏が講師を務めた「日本酒造り講座」から誕生した。森田氏は、企画段階から関わり、日本酒の可能性を探求する場を創出。講座当日も、日本酒造りの背景や魅力を熱く語り、参加者の関心を引きつけた。講座には年齢や職業、日本酒の知識が異なる14名が参加し、酒造りの全工程に携わった。「幸福になるお酒」をテーマに掲げ、醸造。酒米や酵母、瓶の形状、デザイン、銘柄名まで細部にこだわり抜いた。名前は福井県と東京の距離530kmを示し、福井への想いが込められている。

「Fukui530」の3種の特徴

Fukui530
純米大吟醸
越の雫100%使用
精米歩合50%
アルコール度数15%
1つの醪から「にごり」「生酒」「火入れ」の3種を生み出す点も特徴的。
▪️Fukui530 にごり
蜜の詰まったリンゴのような甘やかな香りと、蒸した餅米のようなふくよかな香り。開けたては微発泡で、乳酸の風味が乳酸菌飲料を思わせるチャーミングな味わい。カニやエビの旨みを引き立てる一本。
▪️Fukui530 生酒
バナナのような優しい香りに、シトラスのようなビターな香りが重なる。米の旨みが上品に広がり、チーズやバターを使った料理、脂の乗った浜焼き鯖とも好相性。
▪️Fukui530 火入れ
米の旨みの奥にバナナのような香り、トロピカルフルーツのニュアンスが感じられる。膨らみとキレのバランスが良く、シーンを選ばず楽しめる万能な食中酒。

田嶋酒造の日本酒の特徴
田嶋酒造は福井県の酒蔵で、代表銘柄「福千歳」を170年以上にわたり醸造。伝統的な山廃仕込みにこだわり、地元産米100%を使用。初心者にも親しみやすい酒造りを追求し、近年はワイン製法やオーク樽熟成など革新にも挑戦している。

田嶋杜氏は「普段からさまざまなジャンルのお酒を飲み、自分の好みを追求することが日本酒造りの秘訣」と語る。一方で、今回の日本酒講座では受講生の意見を反映した酒造りを実践。これまでとは異なる視点での挑戦が新鮮だったと語り、今後の酒造りにも活かしていくと示した。

新酒に合わせた美しいペアリング料理

イベントでは、新種に合わせた鳥居シェフの特別メニュー6品が提供された。色鮮やかな創作フレンチは、見た目にも香りにも心を揺さぶる美しさがあり、参加者が写真を撮る姿も多く見られた。


<メニュー>
甘海老トースト
ズワイ蟹とバジルのクラブケーキ
小鯛の笹漬けのカルパッチョ(冬野菜・柚子とアンチョビのドレッシング)
打ち豆と穀米のサラダ
九頭竜舞茸のフリット(からすみ・じゃが芋のピュレ)
とみつ金時のリゾット

鳥居シェフは、ペアリングには「似た風味を組み合わせる」ことを意識し、料理と日本酒が一体となる「マリアージュ」を追求したという。また、「同じ土地の食材とお酒は相性が抜群」とし、すべての料理に福井の食材を使用。まさに福井のテロワールが味わいに表れた一皿となった。
さらに、「日本酒は和食だけでなく、フレンチやアメリカン、中華とも合う」と語り、ペアリングの可能性が広がることを示した。

参加者の感想と今後の展望

参加者からは「美味しい!」「ペアリングが完璧!」という声が多く聞かれた。特に、日本酒初心者の方からは「にごり酒の微発泡感とリンゴの風味が新鮮で、日本酒の印象が変わった」という感想が。また、日本酒愛好家の方も「火入れは普段あまり選ばないが、ペアリングによって米の旨みが際立ち、新たな発見があった」と驚きを見せた。

今回のイベントを通じ、日本酒の可能性がさらに広がったことは間違いない。世界中の食文化と融合し、より多くの人に愛される未来に期待が高まる。


文:2024 Miss SAKE 京都 津田朋佳
2024 Miss SAKE 京都代表。京都出身。
幼い頃より日本舞踊を習い、文化に慣れ親しんできた中で日本酒は「文化と歴史が詰まった贈り物」と感じMiss SAKEにチャレンジ。京都代表として持ち前のコミュニケーションを活かし活躍中。

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