Assemblage Club

アカガネリゾート「高台寺 極 -KIWAMI-」×「Assemblage Club」
ペアリングディナーで体感する驚きと発見

8月4日にアカガネリゾート「高台寺 極 -KIWAMI-」で開催された、フレンチ料理と日本酒・ワインによるペアリングディナー。芦刈シェフと日本酒ブレンダー・唎酒師の上山が考案した、画期的なペアリングディナーをレポート。

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ペアリングディナーの会場は、アカガネリゾート京都東山1925の敷地内に位置する、フレンチレストラン「高台寺 極 -KIWAMI-」。大正建築の荘厳な門をくぐり緑豊かな庭園を抜けると館が現れる。扉を開けるとわずか11席のプレミアムなカウンター席が広がり、シェフの調理風景も見ながら食事を楽しめる。

ゲスト一組一組のために、食材から調理法まで考え抜かれた、とっておきのフレンチのフルコース。古都京都にちなんだ旬の食材を盛り込んだメニューは、どれも繊細で奥深い味わいだ。今回は本イベントのために組まれた、特別なコースを堪能できる。

【アカガネリゾート 高台寺 極 -KIWAMI-×日本酒アッサンブラージュ】特別ペアリングディナー
28,000円(税込サ別)/人

本イベントは、Sake Worldプロデューサーでもあり、日本酒ブレンダー・唎酒師の上山と和と旬を取り入れるフレンチフュージョンを得意とする芦刈シェフが考案した日本酒のペアリングディナー(一部ワインも提供される)。
上山「さまざまなペアリングディナーを開催してきましたが、今回のペアリングでも驚きと学びがありました。ぜひサプライズとしてお楽しみください」
この日は日本酒とワイン、合わせて計7種が提供される。さてどんな新しいペアリングが飛び出すのか。(日本酒は上山氏、ワインは全て芦刈シェフからの提案)。

まずは喉の渇きを潤すために「ロゼスパークリング(ヴーヴ・クリコ ローズラベルブリュット)」で乾杯。美しいサーモンピンク色が特徴的で、視覚的にも楽しめる。赤い果実を思わせる華やかな香りと軽やかな味わいに、参加者の杯も進む。

一品目は「本鮪と真蛸のカクテル コンソメジュレ」。本鮪と真蛸の2種の旨みを味わえる一品だ。先出のロゼスパークリングと合わせると、よりコンソメの香りが広がり華やかになった。そしてもう1種、参加者にサーブされたのは「純米 神蔵KAGURA 無濾過・無加水・生酒(ルリ)」。
上山「神蔵は甘みと旨みが特徴的な日本酒。たこ・鮪・日本酒の3種の旨みが重なる、旨みのマリアージュを目指しました。日本酒もワインもおいしいですが、調味料でもあるんです」
食材や調味料でなく、ペアリングで旨みを足すと言うのは、当たり前のようであって、新しい発想のように聞こえる。

上山「最初のサプライズです。先ほどのロゼスパークリングと、神蔵を混ぜ合わせてみてください」。神蔵にロゼスパークリングを合わせると、透明な日本酒が鮮やかなピンク色に色づき、美しい色合いに変化した。参加者からは「高級なスパークリングワインの味わいになった」と驚きの声があがった。
上山「正直自分自身もこんなに合うことに驚きました。ロゼスパークリングの泡とキレに、神蔵の甘味、酸味、うま味が交わり、よりリッチな味わいに変化しています」
今まで交わることのなかった日本酒とワイン。その二つを混ぜるという新しい発想に、参加者も驚きの表情だった。

続いての料理は「穴子とフォアグラのマリネ サマートリュフ」。穴子とフォアグラ、和洋の食材がコラボレーションした一品だ。ここでサーブされたのは、白ワインと琥珀色に色づいた熟成日本酒。
上山「フレンチではフォアグラに甘口の白ワインを合わせるのが定番。最近はフレンチでも日本酒を合わせるお店が増え始め、フォアグラには熟成酒が合うと言われています。今回のペアリングは、フォアグラに合わせるお酒の東西対決で楽しんでいただければと思います」

今回提供されたのは、甘口の白ワイン「ビカール デル・スール ゲヴェルツトラミネール レセルバ」と熟成酒「春鹿 15年熟成」。「ビカール デル・スール ゲヴェルツトラミネール レセルバ」はメロンやパイナップの様な甘い香りがするのが特徴。対して「春鹿 15年熟成」はまろやかな口当たりとは裏腹に複雑で芳醇な熟成香が特徴だ。日本酒で熟成というと馴染みがない気がするが、この唯一無二の味わいを求め、近年は熟成酒ファンが増えつつある。
上山「それではここで2つ目のサプライズです。先ほどお出しした2種類のお酒(甘口の白ワインと熟成酒)をブレンドしてみてください」ここでもブレンドのサプライズ。白ワインに熟成酒を加えると、樽熟成した白ワインのような色合いになった。口に含むと、ワイン単体の時にはなかった余韻の複雑さがプラス。極上のビオワインのような印象に。「ワインの味が格上げされている。まるでマジック」と参加者から驚きの声が上がった。酒種を超えたブレンドによる味の口内実験。この新しいペアリングに参加者も酔いしれていた。フレンチシェフと唎酒師が呼応して新しい食の価値が生まれていく。

三皿目は「南瓜の冷製ヴルーテ フロマージュブランのグラス」。「ヴルーテ」とは濃厚なポタージュのようなもの。それに合わせるのは、ユニークな名前が特徴的な「月の桂 抱腹絶倒」。味わいもユニークで、突出した酸味が特徴的だ。単体で飲むと酸味を強く感じるが、フロマージュブランのチーズとヨーグルトの乳酸が交わると、酸味が落ち着きまろやかな味わいになる。夏に食べたくなる、爽やかな一品になった。

次は「太刀魚と毛蟹のクリュスティアン」。太刀魚と毛蟹の優しい旨みに、クリュスティアンの香ばしさが加わった一品。合わせるのは「アジィエンダ アグラリア リジーニ サン ビアジョ」。樽を使用しないことでフレッシュな果実感を楽しめる赤ワインだ。トマトソースを使用しているので、まさに軽めの赤ワインにぴったりの一品。

ここでメインの「黒毛和牛フィレ肉のポワレ あおさのクルート」が登場。合わせるのはマスターブレンダーに月の桂・増田德兵衞氏を迎え、京都の3蔵と上山らで開発した、「Assemblage Club 01 Taro’」。

上山「すでにブレンドされた日本酒をご用意しました。現代では遠ざかってしまった日本酒のブレンド文化ですが、ぜひその妙を味わってみてください」と説明。「実は日本酒は他のお酒と違って、食べ物と一緒に口の中に入れて口内調味を楽しめるお酒です。日本酒はお米と同じ。おかずと白米を一緒に食べるように、お料理と一緒に口に含んでください。日本酒の旨みと肉汁が混ざり合い、最高の旨みマリアージュが誕生します!」と続ける。参加者からは「軽やかなのに複雑・・。こんな味わいの日本酒は初めて!」「牛に合わせるならワインと思っていたけど、日本酒もありなんだ」という声が聞こえてきた。

驚きと発見の連続であった本日のペアリングディナーも、最後のデザートの時間になった。デザートは「ゴールデンパインのキャラメリゼ 黒糖のムース」。ゴールデンパインの甘味と、黒糖とキャラメルによるコクのある甘味が楽しめるデザートだ。合わせるお酒は既出の銘柄のリクエストを募る。中には一番特徴的な「春鹿 15年熟成」を選ばれた方も。実は熟成酒にはキャラメルや黒糖に似た甘い香りが含まれる。そのためデザートとの相性はとてもいい。参加者は最後のデザートまで日本酒とのペアリングを楽しみ、会は終了した。

今までのペアリングといえば、日本酒のみ、もしくはワインのみ構成されるものが多かった。しかし今回のペアリングディナーでは、ワインと日本酒が組み合わさることで、今までにないペアリングが次々と生み出された。さらに日本酒とワインをブレンドするなど無謀とも思える組み合わせにより、味わいの可能性は無限の可能性があることがわかった。これからは様々なお酒が融合することで、よりクリエイティブなペアリングが生まれてゆくのだろう。今後の展望も楽しみだ。

株式会社リーフ・パブリケーションズ

株式会社リーフ・パブリケーションズ

創業
1996年
代表銘柄
Assemblage Club
住所
京都府京都市山科区音羽前田町43番地 ヤマシナアーバンコテージ1FGooglemapで開く
TEL
075-632-9453
HP
https://sakeworld.jp/abc/
営業時間
9:30~18:30
定休日
土日
AKAGANE RESORT KYOTO HIGASHIYAMA 1925 内 高台寺 極-KIWAMI-

AKAGANE RESORT KYOTO HIGASHIYAMA 1925 内 高台寺 極-KIWAMI-

住所
京都府京都市東山区金園町400−1Googlemapで開く
TEL
075-551-3633
HP
https://www.arkh.jp/restaurant/kiwami/

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