[ザ・リッツ・カールトン京都] 会席 水暉×北川本家×松本酒造。一夜限りのコラボレーションディナーを体感。
[ザ・リッツ・カールトン京都]会席 水暉と京都伏見の2蔵[北川本家、松本酒造] による日本酒のペアリングディナーが2024年6月21日に開催。この日の為に特別に仕立てた会席コースと「北川本家」が醸造する「富翁」、「松本酒造」が醸造する「澤屋まつもと」とのペアリングの様子をレポートする。
2024年2月7日に開業10周年を迎えた「ザ・リッツ・カールトン京都」では様々なイベントや企画が開催されている。
“会席・鮨・天麩羅・鉄板焼き”の4つの日本料理で構成されるレストランは各料理長のクリエイティブなアイディアが生み出され、これまで体感したことのない“アーティスティック”な和の世界を楽しむことができる。
水暉 料理長 三浦 雅彦さん
コロナ禍でイベントができず、今回は4年ぶりのイベントだという。直接酒蔵に行き、試飲をしたうえで、インスピレーションと季節素材、京食材を組み合わせたメニューを考案。
普段は行わないライブステージで雅やかな和の料理を披露する。
右より:株式会社北川本家 代表取締役社長 北川幸宏さん、杜氏 田島善史さん、株式会社松本酒造 専務取締役 松本 正治さん、杜氏 横尾正敏さん
伏見にある「北川本家]と[松本酒造]は大手筋通りを挟み1番近い酒蔵だ。
2蔵ともラグジュアリーな空間と料理の美技、そして自分たちの日本酒がどのように交わるのかワクワクするという。
一夜限りのペアリングディナー
・先付
毛蟹 蒸鮑 梅肉和え・キャビア 酢橘 白髪葱
蒸鮑の奥にはどっさりの毛蟹とキャビア。全体を混ぜていただく。
合わせる日本酒は松本酒造より「NEW KYOTO.JP 白緑」
「京都限定のお酒で、白緑をカラーに京都をイメージして造りました。自然発酵のまま仕込んでおり、少しガス感の効いた、シャンパンに似たお酒です。」と松本さん
京都の寺社仏閣や鴨川から見える山々などから「緑」をヒントに、日本古来の伝統色である「白緑」と名付けている。飲み口は、軽やかな口当たりと、ほのかに感じる心地よい酸味、そして苦味があり、発酵由来の自然なガス感を含み、どのような料理にも合わせやすい日本酒だ。
・中皿
焼鯖寿司 酒米 「京の輝」を使用した寿司飯
合わせる日本酒は「富翁 大吟醸原酒 斗瓶採」
富翁の技術の粋を集めて生まれた大吟醸の日本酒。一本一本、丁寧に造られている。
「たくさんの工程の中で、精米39%を磨くという綺麗な味わいにするところが1番難しい。綺麗なお酒だけに、1つの工程でミスがあるとどうしてもお酒に影響が出てしまいます。丁寧に丁寧に、こう慎重に慎重に作業をしていく。蔵人の心意気を見ていただければと思います」と杜氏の田島さん。
・造り
鰹のたたき 鱸の洗い 伝助穴子焼霜
合わせる日本酒は「澤屋まつもと 守破離 Ultra」
「京の輝は京都でしか栽培されていない酒米。酒造好適米は多々ありますが、京都でしか栽培されていない京都特有の酒米です。このお米はお酒にしても美味しいですし、食べても美味しい物になりますので、ぜひ楽しんでみてください。」と料理長三浦さん。
和歌山の鰹のたたきはポン酢で、新玉ねぎのスライスとおろしがたっぷりと。 明石の鱸は山葵、伝助穴子の焼霜は塩と醤油、酢味噌を好みで。
・焼八寸
稚鮎塩焼 蓼酢・鳥賊酒盗和え・鱧 湯葉 順才 玉締め 銀あん 柚子・平貝 白瓜 白アスパラガス フルーツトマト 黄身酢・鰻天麩羅 藻塩 ヤングコーン
合わせる日本酒は「澤屋まつもと 純米酒」冷やとぬる燗。
淡麗で口当たり柔らかく、飲み疲れしない優しい味わい。
梨のような爽やかな含み香にほんのり甘味を感じた後にキリッとした酸味が感じられる。
琵琶湖の鮎は35グラムもあり、炭火焼きで提供してくれる。蓼酢でさっぱりと。
2つの器を使用した順才の茶碗蒸しに、ガラスの器には平貝と白瓜、白アスパラガス、フルーツトマト、黄身酢のジュレがけ。鰻とヤングコーンの天婦羅が一堂に。
短冊に書かれた「一雨千山潤(いちうせんざんをうるおす)」降った雨が山にしみて、その水が地下水になり組み上げてお酒になる。という意味を表している。
・温物
和牛フィレたれ焼 万願寺唐辛子ソース・赤万願寺唐辛子ズッキーニ・河北農園の賀茂茄子 黒酢ソース 蓮根チップ
合わせるのは「富翁 純米吟醸 丹州山田錦」冷やとぬる燗。
京都綾部にある丹州河北農園で農薬を極力使用せず契約栽培した酒造好適米 山田錦を原料に、京都で開発された酵母「京の琴」と伏見の名水「伏水」で醸した純米吟醸酒。やさしい香りと米の旨みが感じられるお酒。
「昨年の夏は暑くてお米が固く溶けにくかった。お米がどういう環境で育ってきたかを想像しながら仕込みしています。お米に水をたくさん吸わせたり、作り方を変えたり、様々なことに取り組むのも難しいところでもあります。」と杜氏の田島さん。
丸々とした旬の賀茂茄子は3等分に切りさっと火入れしている。
「賀茂茄子はみずみずしいので塩とオリーブオイルだけでも十分美味しく食べれますよ」と料理長の三浦さん。
・食事
鱧山椒焼 酒米「京の輝」薄葛あん
こちらも酒米「京の輝」を使用している。
もちっとした食感と薄葛あん、鱧の旨味が交差する。
合わせる日本酒は「富翁 純米吟醸 全量京都産米」
京都にこだわった季節・数量限定品。豊かな風味が感じられる。
・デザート
富翁酒粕のアイスクリームとパウンドケーキ・季節の果物 澤屋まつもとのジュレ。
パウンドケーキは米粉を使用しており、もっちり食感。富翁の酒粕と柚子の風味が感じられる。
トップの飾りはライスペーパーを揚げて仕上げている。
またガラスの器ではマンゴー、ゴールデンキュービ、スイカ、メロン、さくらんぼに松本酒造のジュレをかけてさっぱり爽やかに。
合わせる日本酒は「富翁 純米酒 プルミエアムール」と「澤屋まつもと守破離 五百万石」
富翁 純米酒 プルミエアムールは「発酵で生じた炭酸ガスを閉じ込めており、加熱殺菌を施しています。1年間を通じてフレッシュな味わいが体感できます」と杜氏の田島さん。
澤屋まつもと守破離 五百万石は富山県南砺市産五百万石は「守破離」の原点だ。
ペアリングの可能性
ザ・リッツカールトン京都では10周年を迎えて、様々なイベントや企画が行われている。
日本酒もそのひとつで、「五味・五⾊・五法」にのっとった会席料理に新たな可能性をプラスしてくれる。
「ハイセンスなテーブル・デコレーションと料理長所有の素晴らしい器。美しい料理と日本酒の饗宴はまさにオーケストラ演奏のようでした」と北川さん。
「とりあえず今年ですよね。とりあえず今年を充実して、やっぱりお客様に満足いただける企画をたくさんして、その流れで来年に行けばいいと思います」と料理長三浦さん。
次の10年を見据えますますチャレンジしていく姿に注目だ。
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ザ・リッツ・カールトン京都
- 住所
- 京都府京都市中京区鴨川二条大橋畔Googlemapで開く
- TEL
- 075-746-5522 (レストラン予約)
- 営業時間
- 11:30~14:00 17:00~20:00
- 定休日
- 不定休