Sake Brewery

山縣本店

「美しい酒を造る」伝統を胸に、革新を進める山口県[山縣本店]の歩み

来たる2025年に創業150年を迎える山口県周南市の[山縣本店]。伝統を守りながら、さらに良い酒を求める強い意志は常にその手を緩めない。

山縣本店
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進化を恐れないパイオニア

山口県周南市のJR徳山駅から車で10分ほど。旧山陽道に面した場所にある[山縣本店]は、1875年(明治8年)より酒造業を始め、2025年には創業150年を迎える歴史ある酒蔵。かの毛利家の家臣を祖先に持ち、その名を冠した酒「毛利公」はベストセラーの銘柄。
また、1970年代半ばに日本酒の消費量が減少し始め、世の中の「日本酒離れ」が進んだ際には、若者や女性にも喜ばれる新たな日本酒として冷酒で楽しめるフルーティーな生酒を開発し「かほり」を発売。現在でも「かほり」は代表銘柄のひとつであり、今に繋がる生酒ブームのパイオニアである。そして2019年には、創業当時のブランドであった「防長鶴」を満を持して復活。伝統を守りながらも進化を恐れず突き進んでいる。

より良い酒のためにできること

「美しい酒を造る」ことが杜氏の目標。毎年、「昨年よりも良い酒を」という気持ちでアップデートし続ける。近年は、創業時のアイコンだった「防長鶴」ブランドを復活させ、美しく生まれ変わらせたことが記憶に新しいが、大きなアップデートがすべてではない。酒造りの工程ひとつひとつに手を抜かないこと、蔵や道具をすみずみまで手入れすること。日々の作業に丁寧に向き合うことが、より良いものを生むためのこだわりである。

自然の循環に合わせた酒造り

地元の自然にこだわった酒造りをする。仕込み水は、恵みの雨が中国山地の山々の地層でろ過された天然水。米は山口県産の「山田錦」や県オリジナルの酒米「西都の雫」を使用。
「防長鶴」の一部商品には、ブランドアイコンであるナベヅルが飛来する八代盆地の田んぼで、つると環境にやさしい米づくりをする契約農家の山田錦を使用。それらを用いた酒造りは、伝統の「寒造り」である。
寒い季節に日本酒を仕込み、季節が移り仕込みが終わると山口県の梅を米焼酎に漬け込んだ梅酒づくり、秋には同じく山口県産のさつまいもで芋焼酎が造られる。植物や生き物の自然の循環を意識し季節の香りを感じながら、日本酒のみならず多彩な酒が造られていく。

守り続けるものと、変え続けるもの

「変えずに守るべきもの」と「変えることが必要なもの」を常に考え続け、優れたバランス感覚で未来を切り拓いていく[山縣本店]。新生「防長鶴」はラベルも味わいもまさにイノベーション、これからも先人への尊敬を忘れず、「現代」にフィットした酒を発し続けていく。

この酒蔵の銘柄一覧

株式会社山縣本店

株式会社山縣本店

創業
明治8年(1875年)
代表銘柄
防長鶴、かほり、毛利公
住所
山口県周南市久米 2933Googlemapで開く
TEL
0834-25-0048
HP
https://yamagt.jp/
営業時間
9:00~17:00
定休日
土・日曜、祝日

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