黄金澤 純米吟醸 HITOMÉBORÉ Brut
合名会社 川敬商店 | 宮城県
合名会社 川敬商店
川敬商店は、全国新酒鑑評会で2004(平成16)年から16年連続で金賞受賞という快挙を成し遂げた蔵である。受賞したのは「黄金澤(こがねさわ)大吟醸」。この代表銘柄「黄金澤」の名は、川敬商店の創業地に由来している。
川敬商店が創業したのは、1902(明治35)年のこと。元は「橘屋」という屋号で金物商を営んでいた初代が、酒造業に転じた。その創業の地・涌谷町(わくやちょう)[宮城県]は、奈良時代の749(天平21)年に日本で初めて金が産出された地だ。当時、東大寺の大仏造立のために、大仏を彩る金を欲していた聖武天皇は、この知らせに喜び年号を「天平」から「天平感宝」に変えたほどだという。聖武天皇に献上され、東大寺の大仏造立に貢献した涌谷町の砂金は、現在も自然の沢から採取することができる。そんな金とゆかりの深い地で創業したことから、「黄金澤」という銘柄が誕生した。酒造りは澄んだ水のある場所で行われるのが一般的。しかし、初代は競合が少ないであろう沼地をあえて求めて、涌谷町から隣町の美里町(みさとまち)に拠点を移した。子孫たちは酒造りに用いるために水をどう扱うか、苦戦を強いられたと言う。
美里町は鳴瀬川と江合川が流れ、町の面積の約70%を水田や畑が占める、農業の盛んな地。その地で、先祖が代々見出してきた酒造りの技を継ぐのが、蔵元兼杜氏である7代目・川名由倫さんだ。6代目の父、故・正直さんから娘へ受け継がれた酒造りは、「生もと系山廃仕込み」。生もと造りは、自然の力を活かした昔ながらの日本酒の造り方で、山廃はその工程の中の山卸(やまおろし)(蒸し米を櫂(かい)ですり潰す作業)を廃した、明治期より続く仕込み方だ。川敬商店では、伝統の生もと造りと山廃の技を合わせた「生もと系山廃仕込み」を守り続け、市販の醸造用乳酸菌は使わず、空気中や蔵の中に自然に発生する乳酸菌を生かして酒を醸す。時間も労力もかかり高い技術が必要とされる造り方だが、その酒質の良さにこだわり技術が大切に受け継がれている。山廃仕込みは複雑な味というイメージがあるが、「黄金澤」は軽やかでキレのある口あたり。冷や、ぬる燗、熱燗とどんな温度でも美味しく味わうことができる。
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