Sake Brewery

ぶんご銘醸

佐伯の醸造文化を絶やさない [ぶんご銘醸]が受け継ぐ佐伯住民の思い

大分県の南東端に位置し、日本有数のリアス式海岸地帯に面している佐伯市。海と山それぞれの豊富な幸に恵まれたこの地で[ぶんご銘醸]は焼酎とともに日本酒造りにも力を入れる。

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佐伯の醸造文化を絶やさない清酒造りの復活

狩生梅五郎が本匠村で「狩生酒造場」を設立し、清酒造りを始めたのは1910年。豊かな自然に恵まれた大分県佐伯市の地で、代々受け継がれながら、佐伯だからこそできる清酒造りに励んできた。

しかし1984年、全国的な焼酎ブームの影響を受け、清酒造りを一時休止。その後、焼酎造りを中心に事業を継続する中で、清酒造りは途絶えてしまった。

転機となったのは2011年。地元住民の「佐伯の醸造文化を絶やしたくない」という強い思いが後押しとなり、37年ぶりに清酒造りが復活。こうして誕生したのが、地元の米と清流番匠川の水を用いた代表銘柄「佐伯飛翔」だ。

佐伯産の米だけを使った「佐伯飛翔」

「佐伯飛翔」は、清酒再開を熱望した地元住民からの「佐伯の酒を世界に!」という思いを受けて命名された。地元産の材料に徹底的にこだわり、麹米には佐伯産「山田錦」、掛け米には佐伯産「吟のさと」を使用した純米酒。純米大吟醸、純米吟醸、純米と複数のラインナップがあり、米の旨味を存分に引き出した豊かな味わいが楽しめる。酒造りへの挑戦は毎年続けられており、年ごとに異なる味や香りが地元の人々にとっての楽しみの一つとなっている。

清酒造りの復活には、「佐伯飛翔の会」と呼ばれる地域経済界を中心とした支援の輪が大きな役割を果たした。200名以上の会員には毎年720mlの新酒8本が届けられるほか、新酒完成の3月には試飲会が開催され、参加者同士でその年の味わいを確かめ合う貴重な場となっている。

佐伯の自然と文化を映す、伝統を紡ぐ酒造り

このように[ぶんご銘醸]の酒造りは、地元の自然と文化への深い敬意のもとで続けられている。九州最大の面積を誇る豊かな自然環境を有する佐伯市は、清流・番匠川の恵みと、リアス式海岸で獲れる新鮮な海の幸に囲まれた土地。その恵まれた環境と、地域との強い絆こそが、美味しいお酒を醸す支えとなってきた。

酒造りは、地元農家との深いつながりの中で育まれてきた文化であり、単なる製造業ではなく、地域のアイデンティティを守り継ぐ伝統文化産業でもある。大分ならではの麦焼酎造りの伝統と、地元の熱い思いに支えられて再開した日本酒造り。その両翼を携え、山奥に佇む[ぶんご銘醸]は、佐伯の酒造りの魅力を世界に向けて発信し続けている。

この酒蔵の銘柄一覧

ぶんご銘醸株式会社

ぶんご銘醸株式会社

創業
1910年
代表銘柄
佐伯飛翔
住所
大分県佐伯市直川大字横川字亀の甲789番地4Googlemapで開く
TEL
0972-58-5855
HP
https://www.bungomeijyo.co.jp/
営業時間
9:00~17:00

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