北の庄 純米酒
舟木酒造 | 福井県
舟木酒造
福井県の東部に位置する蔵は、田園地帯に囲まれ、自然豊かな環境で酒造りをしていることがよくわかる立地。酒の品質追求にこだわり、代々酒造りに熱心な蔵元だ。
同時に、あらゆる人に楽しんでもらえるようキュートなカップ酒を作ったり、サービス精神旺盛な酒蔵見学を開催。福井駅からバスやタクシーで気軽に行けるのも、ツーリストには嬉しいポイントだ。
舟木酒造の酒蔵見学は、より一層お酒を楽しむことができるようになる充実の内容。見学者の知識に応じて、手づくりのポップや資料を使い丁寧にアレンジして話を聞かせてくれる。酒造りを具体的にイメージしてもらえるよう、蔵内では実際の器具や機械を動かして見せてもらえるので、リアルな製造現場をちょっぴり体感できるのが見どころ。デモンストレーションを交えた軽妙な解説の後は、お楽しみの試飲。運が良いと、店頭ではなく蔵の中の試飲スペースに案内してもらえるかも。貯蔵タンクに乗せた木蓋をテーブルに見立て、まるで角打ちのような空間に。蔵の風情を楽しみながらの試飲はより一層味わいが深まる。
飲みやすくすっきりとした酒の基礎となるのは福井の恵み。九頭竜川を源泉とする伏流水を汲み上げ、地元米を中心とした9種の米を厳選してブレンドし、地元を代表する銘柄を醸す。
「製法の肝となるのはこうじづくり」、と語るのは6代目の舟木崇さん。2024年に修業先から戻ったばかりの新当主。「酒の味をどうにかできるのは初めだけで、あとは発酵によって酒がみずから成長するのを見守ります。世話をするうちに親心が出てきますね。」貯蔵タンクの温度調整について解説しながら、酒造りへの想いを語る。
銘柄は種類豊富な品揃え、味わいもバリエーション豊かなラインナップ。これは、酒は食事と楽しんで欲しい、という信念を持って酒造りをしているからとのこと。「平成以降、日本の食文化は豊かになり大きく幅が広がりました。それに伴って種類を増やしています。その分、ひとつひとつを沢山は作っていません。小仕込みで丁寧に仕上げています。」
好きな味を見つけて帰ってほしい、と、試飲はスタンダードな味わいのものからスタート。そこから好みに合わせたオススメを教えてくれる。全銘柄を楽しめる贅沢な試飲が終わると、自分の好みが見つかっているはず。自宅の食卓に連れて帰りたくなるようなものばかりで、少々困ってしまう酒蔵見学になるだろう。