祇園で餃子とおでんと日本酒を堪能！

2023年10月、四条河原町で人気の［イタリア食堂イスコ］の姉妹店、［祇園生姜餃子 鈴兆（すずちょう）］が大和大路新門前にオープン。イスコで15年勤めてきた店主の粕谷さん。「これからのことを考えたときに、自分が好きなものをやっていきたいと思ったんです」と話してくれた。粕谷さんの好きなもの、「外食がなかなかできなかったコロナ期になによりも欲していたのが餃子だった」と。お店に入ると広がるのは、ふわっと漂う餃子の香ばしさと、これからの寒い季節にぴったりなおでんのだしの香り。日本酒によく合うメニューが揃う。

コの字型のカウンター席の真ん中には、大根やたまご、里芋、葱生姜袋など15種の熱々のおでんがスタンバイ。店員さんとの距離が近いので、会話を楽しんだり、ひとりでしっぽり飲んだりとさまざまなシーンに利用できる。個室にもなるカウンター席もあるので、ちょっとした飲み会にもおすすめ。

お酒がすすむ餃子とおでん、最後の〆まで

名物 生姜餃子　600円

この店の一番のおすすめといえば、なんといっても名物の生姜餃子。ひとくち食べるとしっかりと生姜の風味が広がる。食材には、京都ぽーく、九条ネギなど、京都のものを中心に使用。餃子店をオープンしようと思ったとき、夜の祇園町の出前の定番を目指したいと想い作ったとのこと。

おでん五種盛り　1200円

薬味ではなく素材の味を楽しんでほしいからと、だしはしっかりとした主張のある関東風に。かつおやこんぶなどの魚介類に、牛すじを煮込んだだしも加えて深みを出している。その日のおすすめを盛り合わせてくれるが、一品だけ、人気の牛すじ煮込みだけは必ず入れるのだとか。毎日お店で手づくりしている紅生姜タコ天や蓮根つくねなどからもいいだしが出て、この店ならではの味に仕上がっている。餃子の焼き上がりを待つ間、まずはおでんを楽しみたい。

焼きそば 1000円

〆にはしっかりとコシのある細麺が特長の焼きそばを。メインの具材は、豚・イカ・牛すじのなかからお好みで。ソースはスパイスの効いたもの、甘みのあるものをオリジナルでブレンド。食べた瞬間に、ふわっとスパイスを感じるが、最後には甘みがあり、なんともクセになる。

関西の酒蔵を中心に常時3種が揃う日本酒

姉妹店［イタリア食堂イスコ］から仲良くしているという関西の酒蔵の日本酒が揃う。なかでも招徳酒造の「花洛」は、しっかりとした味わいのなかに甘みもあっておすすめなのだとか。

純米吟醸 花洛（1合）800円
招徳酒造（京都市伏見区）／アルコール度数 15度／精米歩合 60％

京都産の米と伏見の名水でつくる招徳酒造人気の銘柄。おでんなど、だしの利いた料理によく合う。冷酒から常温、お燗まで、どんな気分でもぴったりの定番の一本。

秀月 月の氷室 生酒（1合）1000円
狩場一酒造（兵庫県丹波篠山市）／アルコール度数 16度以上、17度未満／精米歩合 60％

しぼりたての生酒を氷点下の貯蔵室でゆっくり熟成。すっきりかつ、まろやかで飲みやすい舌ざわりなので日本酒初心者さんにもおすすめ。

上撰松竹梅 豪快（1合）700円
宝酒造（京都市中京区）／アルコール度数 15度／

これからの時期にぴったり、熱燗におすすめの銘柄。おでんを提供する店ならではのだし割りでも美味しくいただける。凛としてすっきりしたのどごし。

祇園のさまざまなシーンに応える一軒に

「どうしてこの餃子のお店を開いたんですか？」出会ってすぐに投げかけた質問が取材中、何度も頭のなかで繰り返されたと粕谷さんは話します。そして、やっぱり餃子が大好きだったんだ、餃子をメインにしたお店を開きたかったんだと、改めて気づいたのだそう。祇園というエリアだからこそ、開店時には海外からの観光客、日が越えると周辺で仕事を終えた方々など、さまざまお客が訪れる［鈴兆］。どんなお客の要望にも応えられるようにと、出前をしたり、今後はビーガンの方も食べられるおでんも作っていきたいのだとか。自慢の餃子と日本酒を楽しみに、まずは足を運んでみては。