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[Sake World Championship]inシンガポールの優勝者が決定!白熱したイベントとブレンドの可能性に迫る

2025年2月16日にシンガポールで開催された[Sake World Championship] 日本酒に関するクイズコンテンツを配信し、クイズで勝ち上がった優秀者2名が日本酒のブレンドで決勝戦を行うアワードイベント。栄えある第1回目の優勝者決定の瞬間やブレンドの可能性についてレポートする

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「Sake World Championship」とは?

シンガポールを拠点にグローバルで課題解決ゲームプラットフォーム事業を展開する[Digital Entertainment Asset Pte.Ltd.]と、[ 株式会社リーフ・パブリケーションズ]が開発・運営する日本酒のNFTマーケットプレイス「Sake World NFT」が連携し、日本酒の売上促進を目標としたクイズコンテンツを配信。

クイズコンテンツはWeb3技術を活用し、正解者には暗号資産やNFTを獲得するチャンスが提供された。期間中の総合成績で、優秀な成績を修めた上位2名がシンガポールに招待される。

「Sake World Championship」は日本酒の知識や味覚、ブレンド技術を競い合う大会だ。会場でもあるシンガポールの日本食レストラン「At Twenty」には10名の審査員が集結。初代チャンピオンには、自身の名前を冠したオリジナル日本酒を制作できる特典がある。

※この取り組みは、経済産業省の「令和5年度 Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」(URL:https://jissui.or.jp/project/project017/)における、テーマ①「現物資産や無形資産のデジタル化市場(発行・流通市場)構築」に採択されたプロジェクトの一環として実施している。

ブレンド日本酒の可能性

[Sake World]が展開する京都の老舗酒蔵の3蔵と開発したブレンド日本酒「Assemblage Club 01
CODENAME : Taro´」はブレンドならではの新しい味わいを生み出すことが好評を得ている。「シンガポール酒チャレンジ 2024」ではシンガポール最高賞/銀賞をダブル受賞。日本はもちろん、シンガポールの飲食店や百貨店で飲酒、購入することもできる。

「Assemblage Club」の開発を通じて、日本酒もブレンドをすることで美味しくなることをさらに深く理解できた。自分だけのお酒がつくれるという楽しさを分かち合いたいとの想いから、オリジナル日本酒ブレンド(マイサケ)を創り出せる施設「My Sake World御池別邸」を2025年1月23日にオープンした。

体験では日本酒の歴史や文化などについて学びながら日本酒を実際に試飲することから始まる。純米酒のうまみや吟醸酒特有の香りなど、日本酒が持つ特徴をより深く体感し、自分好みにカスタマイズ。メスシリンダーで容量を測り、フラスコで混ぜ合わせる。まるで理科の実験のような体験は多くの人から「楽しい!」と好評だ。
今回は日本酒から道具までMy Sake World 御池別邸で使用しているブレンドセットを再現した。

「Sake World Championship」決勝進出者の紹介

この方に話を聞きました

飯山貴弘さん
プロフィール
東京都在住。仕事はIT系企業に勤務。25歳頃に日本酒を飲み、日本酒の幅の広さを知る。趣味でイベントや酒蔵を巡り、日本酒を楽しむ。好きな日本酒は香りが適度で味と旨味のバランス重視

この方に話を聞きました

WILSON CBYEUNG(ウィルソン)さん
プロフィール
ロンドン在住。利き酒師。2018年よりロンドンと香港に日本酒の店を構えており、ロンドンをベースに活動している。好きな日本酒は旨味フレーバー系。日本酒は仕事柄ほぼ毎日飲んでいる

ブレンド対決を前に意気込みを伺った。

―日本酒ブレンドの経験は?

飯山さん「日本酒仲間と遊びでやることはあります。結構美味しくできますよ。」
ウィルソンさん「自分の為にする事はありますが、お客さんの為にブレンドするのは初めての経験。自分の好みではなくお客さんの好みに向き合うのはとても面白いです。」

―Championshipへの意気込みは?

飯山さん「プレミアムクイズで1位を取ったので、その分結果を出せるように頑張ります!」
ウィルソンさん「すごくハッピー!エキサイティング」とやる気に満ちていた。

いざ本番!ブレンド対決

体験施設では自分が美味しいと思うブレンド日本酒をつくるが、今回は各自にテーマを与え、それぞれテーマに沿ったブレンドをつくってもらう。10名の審査員がどちらの日本酒がよりテーマに合っているかを審査してもらう。

●飯山さんのテーマ:禅(ZEN)~家でしっぽり飲みたい日本酒~
●ウィルソンさんのテーマ:祝~家族や友人とのパーティーで飲みたい日本酒~

My Sake Worldで使用している日本酒11種類を試飲し、メスシリンダーやビーカーを使いブレンドしていく。それぞれ各テーマに沿うとお酒をプライマリーとして1種類、次に合わせるお酒をセカンダリーとして2種類選ぶ。体験施設では3種類のブレンドを推奨しているが、今回はさすが真剣勝負だけあり、1ミリ単位で調整しているのが印象的だった。

My Sake Worldの店舗では和気あいあいとした雰囲気だが、ブレンド対決ということもあり、緊張感に包まれていた。2回試作をし、勝負酒を決めた後も頭を抱え悩む様子が伺えた。

―ブレンド日本酒を体験してみての感想は?

飯山さん「お客さんの好みに合うか分からないですが、テーマを意識しブレンド酒をつくりました。40mlというベースでつくるのが初めてだったので、意外と量が少なくて難しかったです。とても新しい体験でした。」とやり切った表情だ。

ウィルソンさん「本当に楽しかったです!作っているときも楽しかったし、出来上がったものを飲むことも楽しかったです。今日の体験を通して、日本酒の新しさを学べました。また11種類のお酒も初めて飲んだ銘柄でした。今後、新しいお酒にも挑戦したいと思います。」

My Sake Worldでは日本酒ブレンド体験後に「ブレンダー認定証」が手渡される。
レシピはWEB上に登録され、後日追加購入ができる仕組みだ。

ウィルソンさん「今回のブレンドでは、香りを大切にしました。特に、新しいお酒を作ることにおいて、どのようにバランスを取るかが重要でした。体験させくれてありがとう!とても嬉しいです!」

飯山さん「クイズを勝ち上がり日本からシンガポールに来ました。ブレンドでも世界一を目指したい。本当にすごい仕上がりになっていると思います。」

At Twenty×Sake World 特別ペアリングディナー

会場の「At Twenty」には現地シンガポール在住の審査員10名が集結した。
まずはSake World 特別ペアリングディナーを開催。
At Twentyの料理に合わせるペアリングは、ブレンドで使用した日本酒だ。

・イカの柚子胡椒和え×「石鎚 純米大吟醸 さくらひめ」(石鎚酒造/愛媛県)
柚子の香りや柑橘に、花の香りやリンゴのような香りをプラス

・黒豚のグリル梅肉ソース×「にいだしぜんしゅ 純米原酒」(仁井田本家/福島県)
梅肉の酸味や黒豚の旨味に生酛、乳酸発酵のクリーミーな味わいを掛け合わせて。
酸味を芳醇に変える一役。

・炙りサワラの刺身×「田友 特別純米」(高の井酒造/新潟県)
繊細で味わい豊かなサワラを殺さないように淡麗辛口で合わせる。

・タラ白子の天ぷら×「純米吟醸 池雲 祝」(池田酒造/京都府)
すだちの代わりとなるように綺麗な酸で合わせる、白子のクリーミーさを引き立てる。

・かしわのひきずり×「シン・ツチダ」(土田酒造/群馬県)
すき焼き風味の濃厚な味わいにさらに旨味をプラス。穀物のような滋味深い味わいと芳醇な旨味をかしわと合わせる。

・海鮮ミニ丼ぶり×「純米吟醸 TAMA」(玉乃光酒造/京都府)
海鮮には甘味と酸味のTAMAで深みを与える。TAMAを醤油だしで掛け合わせても抜群。

・名古屋きしめん×「富翁 純米酒 プルミエアムール」(北川本家/京都府)
プルミエの酸味、クエン酸を合わせることでまた違った味わいを表現。

華やかな吟醸系から純米酒、どっしり系などブレンドで使用する日本酒を使用することで、審査員もブレンドとの違いを感じてもらえる貴重な時間となった。

ついに初代チャンピョンが決定!

審査を前に各ブレンダーからプレゼンが行われた。
飯山さん「ブレンドのテーマは禅(ZEN)。家でしっぽり飲みたい日本酒ということで、香りは抑え目、ただ日本酒らしい甘味や旨味の味わいのバランスを重視しました。」

ウィルソンさん「私のお酒のテーマは祝です。香りが強い日本酒を意識しました。飲む前から、すでに祝やお祭りの雰囲気を感じることができます。とても甘く複雑な要素を組み込んでいます。最後に豊かな味わいを表現しています。」

審査員からは「この飯山さんの日本酒はボディがあって、いい意味ですごく重い要素があります。
禅のコンセプトでもある“瞑想によって内面的に洗練されたバランス”が伝わってきます。」とコメント。「とても気に入りました。」と他の審査員も次々に応対した。

ウィルソンさんのブレンド日本酒は“祝”のテーマだけあり「皆さんが素晴らしい夜を過ごせますように!乾杯」と会場は盛り上がった。

会場に緊張感が包まれる中「審査はなかなか難しいが、味やアルコールのバランス、そして少しの情熱があれば乗り越えられるはず。」と審査員の一言。
厳正な審査の結果、飯山貴弘さんが初代チャンピョンに決まった。

優勝者レシピを大公開!日本酒の新しい可能性

ブレンドのこだわりに関して飯山さんは「月の桂(祝)を20mlベースにしました。これは飲み飽きしないように設定しています。うまみを補充する部分として、龍勢 黒ラベル 純米大吟醸を15ml、そこからアクセントとして、シン・ツチダを3ml、さらに、にいだしぜんしゅ2ml加えています。」

濃厚なシン・ツチダとにいだしぜんしゅを入れた理由に関しては「この2つはなかなか強いので、ほんの少しだけ入れて、バランスを崩さないように調整しました。香り自体はそこまで強くないため、全体をまとめるために入れました。うまく包むバランスにして全体的に禅をイメージ落ち着いた雰囲気にしました。」と飯山さん。

審査員「審査員では、あまり苦みが出ないタイプのものが好まれるようだった。ただ現場に感動が生まれることが大事。禅(ZEN)を飲んだ瞬間、会場が凛と静まり返った。とても良い仕上がりになっていると感じます。」

飯山さん「シン・ツチダとにいだしぜんしゅは当初はもう少し足す予定でしたが、女性の審査員が多かったので、この割合にしました。自分の考えた通りのマイサケができたと思います。」

審査員「ブレンド日本酒は飲んだことがなかったですが、新しい味わいを体感できました。また美味しいだけではなく、テーマを想像させる味わいは格別。私も自分や家族の為にもつくりたくなりました。」

ウィルソンさんはブレンドに関してこう付け加えた「3種類のブレンドが基本と聞きましたが、6種類入れました。中には1mlだけにいだしぜんしゅを加えています。どのような変化になるのか楽しみでした。苦味がいいですね。まさに自分の人生を見るような味わいでした」

優勝者のブレンド日本酒(マイサケ)はSake World NFTにて5月頃に販売予定だ。
Assemblage Clubでブレンドの可能性を確信し、My Sake Worldで個人単位でブレンドができることを証明した。京都から世界へ、ここシンガポールでも日本酒の新しい可能性を発信でき嬉しく思う。

文:Sake World 編集部

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