[2024]京都で「伏見酒フェス」&11酒蔵一斉開きが実施!伏見が日本酒に包まれた一日をレポート
2024年3月2日(土)に「伏見酒フェス」が開催。伏見エリア内では11の酒蔵が一斉に蔵開きを実施した。メイン会場となった伏見港公園の様子、各蔵の盛り上がりをレポートします!
INDEX
例年以上の大規模開催となったイベント&蔵開き
伏見酒造組合は“京都・伏見の酒蔵や歴史ある街に実際に足を運んで、魅力を体感してほしい”という想いから、毎年3月に「日本酒まつり」を実施している。2024年はこれまで以上にエリア、規模を拡大させた「伏見酒フェス」が開催された。
メイン会場は京阪「中書島駅」から徒歩約3分の[伏見港公園]。有料試飲会場を中心に多数のフードブースが立ち並び、メインステージでは各種イベントが行われた。さらに、メイン会場から徒歩10分〜30分圏内の伏見エリア一帯では11酒蔵が一斉に蔵開きを実施。当日は最高気温7度程度と冷え込んだが、寒さをほとんど感じさせないほどの熱気に満ちあふれていた。
メイン会場[伏見港公園]は大盛況!3種の地酒を飲み比べ
伏見港公園は有料試飲エリアと入場無料エリアに分割されている。有料試飲エリアへの入場チケットは前売り分で完売。午前から午後に渡り、5,000人の来場者で常に盛り上がっていた。
有料試飲は全18種類。伏見はもちろん、京都の銘酒を3種類一度に飲み比べられる。
- ●黄桜 S純米大吟醸(山田錦)
- ●北川本家 富翁 純米大吟醸 ささにごり生原酒(五百万石他)
- ●京姫酒造 山田錦大吟醸 匠(山田錦)
- ●キンシ正宗 金鵄正宗 純米吟醸(祝)
- ●月桂冠 鳳麟 純米大吟醸(山田錦・五百万石)
- ●齊藤酒造 英勲 純米大吟醸原酒(祝・京の輝き)
- ●招德酒造 純米大吟醸(雄町)
- ●城陽酒造 城陽 純米大吟醸 40(五百万石)
- ●宝酒造 超特撰松竹梅 大吟醸 2023年金賞受賞酒
- ●玉乃光酒造 純米大吟醸 京の紫(祝)
- ●豊澤本店 豊祝純米大吟醸(山田錦)
- ●東山酒造 坤滴しぼりたて原酒(特別純米酒 山田錦)
- ●平和酒造 慶長伏見の酒(純米大吟醸 山田錦)
- ●増田德兵衞商店 月の桂 柳(純米吟醸酒 山田錦)
- ●松本酒造 桃の滴 特別純米酒(山田錦)
- ●松山酒造 十石 純米吟醸(祝)
- ●都鶴酒造 都鶴 純米大吟醸 無濾過原酒(五百万石・京の輝き)
- ●山本本家 神聖 京都産祝 純米大吟醸(祝)
今回は黄桜、北川本家、京姫酒造の3種をいただく。どれも大吟醸クラスという贅沢な飲み比べ。フルーティーな香り、フレッシュ感、米の旨味が味わえる。
有料試飲エリアへの来場者にはおちょこと和らぎ水、八つ橋、おつまみ昆布がもらえる。イベントへの参加記念になる嬉しいプレゼントだ。
伏見エリアの11蔵が一斉蔵開き!初の合同蔵開きも
各酒蔵の蔵開きも大いに盛り上がった。
玉乃光酒造(玉乃光)と松山酒造(十石)は今回初となる合同蔵開きを開催。両蔵を挟む道路を歩行者天国にし、来場者の行き来がスムーズになるよう配慮されていた。
両蔵が隣接している理由は、それぞれが月桂冠に関係・由来する土地だからだ。来場者からは「玉乃光と十石ってこんなに近かったんだ!」と驚きの声も。
玉乃光酒造では当日限定の「スパークリング日本酒」、松山酒造ではこの日リリースとなった「春限定酒」などが振る舞われた。
北川本家(富翁)や黄桜(黄桜)では当日限定酒が登場。黄桜では数量限定福袋の販売も行われた。
他にも山本本家(神聖)では蔵内のタンクを目の前にした試飲が実現。さらに山本本家が運営する鳥料理居酒屋「鳥せい」特製からあげの販売も。
月桂冠では各種試飲に加えて、酒唄保存会による「酛摺り唄」が披露。酒造りの息を合わせるために、古くから唄い続けられてきたものだ。
どの蔵も漏れなく大勢の来場者で盛り上がる。1つの蔵に腰を据えてもよし、各蔵でハシゴ酒を楽しんでもよしと、それぞれが思い思いの方法で蔵開きを楽しんでいた。
家族連れでも楽しめるフードブースとイベントステージ、同時開催イベントも!
メイン会場のステージでは9時50分のオープニングセレモニーから16時まで、常にライブ演奏やダンスといったイベントが行われる。周辺には豊富なフードブースが揃っており、大人も子どもも十分に楽しめる場所になっていた。
15時40分から登場した「NEWTRAD」は京都を拠点に活動するプロチーム。ダブルダッチと呼ばれる2本の縄を使ったダンスで会場を大いに盛り上げた。
飲食ブースでは伏見エリア周辺の飲食店が人気料理を提供。どれもお酒に合う料理ばかりで、来場者のお腹を満たしていた。
メイン会場近くの縁日をイメージした会場でお酒を飲まない人でも楽しめるイベントが同時開催。粕汁の販売やワークショップといった様々な催しも実施されていた。
日本酒と伏見を大満喫した1日
蔵開き、酒フェスメイン会場での有料試飲など伏見全体が大盛りあがりとなった1日。伏見、そして日本酒の底力を体感できるイベントだった。本イベントは改めて、酒蔵周辺地域をはじめとした京都伏見の魅力を多くの人に認知してもらうきっかけになったはずだ。
さらに、お酒が中心のイベントでありながらも、子どもや飲めない人でも楽しめる要素も盛り込まれていた。地域一丸となっての町おこしとしても大きな成果をあげたのではないだろうか。昨年より規模を拡大して実施された2024年の「伏見酒フェス」。来年の実施状況を含めて、今後の動向に注目していきたい。
ライター 新井勇貴
滋賀県出身/唎酒師・SAKE DIPLOMA
酒屋、食品メーカー勤務を経てフリーライターに転身。好みの日本酒は米の旨味が味わえるふくよかなタイプ。趣味は飲み歩き、料理、旅行など
伏見酒造組合
https://www.fushimi.or.jp/
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