樽酒

晴れの日だけじゃない、美味しい樽酒を日常で味わう!

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晴れの日だけじゃない、美味しい樽酒を日常で味わう!


樽酒とは杉や檜の樽に詰めた日本酒で、鏡割りなどおめでたい席に登場することが多い。
江戸時代には灘などで作った酒を江戸へ船で送る際、それまでの甕に比べて軽く運びやすい樽が重宝された。その後も昭和の初期頃まで酒屋では樽から量り売りをしていたそう。
今では酒樽を作る業者や職人は少なくなり、年々希少なものになっている。

樽酒が飲みたい!

祝いの場で飲んだ樽酒が忘れられない今日この頃、なんと樽酒が飲めるお店が京都に誕生したとあっていざ潜入してみることに。

北野商店街の路地にあり、白壁の外観が目をひく蕎麦と立ち呑みの店。
蕎麦前にアテと日本酒を楽しめる店は数々あるが、4月25日にオープンしたこちらは樽酒にこだわるというから珍しい。
樽酒といえば本醸造酒が多いが、あえて生酛や純米など複雑な味わいの酒で特注し、日を追うごとに変わる味を楽しむという趣向だ。
おすすめは樽酒正味1合と十割蕎麦に日替わりのアテ2品他がついた2,500円のセット。
蕎麦は自家製粉の挽きたて打ちたて。粗挽きの蕎麦は香りも歯応えも強めで、木香の付いた樽酒とのマリアージュは絶妙。

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大橋“テッド”太郎さん/弓惠さんご夫婦
プロフィール
太郎さんの実家は京都で名の知れた蕎麦専門店。伏見の酒蔵『山本本家』の営業職を経て、北陸の酒蔵や滋賀県のヒトミワイナリーで醸造に携わる。その後、一念発起して蕎麦打ちを習得。元広告代理店勤務の弓惠さんと二人三脚で営む。

魅惑の樽酒

「樽の香りをまとったお酒が大好き。晴れの時の酒のイメージなのでなるべく家でできないものを出したかった。特別なお酒を木樽に入れ、本醸造や普通酒、生酛造りなど昔ながらのお酒を飲み比べてほしい。」と太郎さんの樽酒への想いがこみ上げる。

オリジナル升になみなみと注がれる樽酒。
一口飲むと次々に「美味い!そして香りが素晴らしい。」との声が。

すがすがしい木香が移り、元よりもまろやかな味わいを感じさせる樽酒。樽由来の成分によって料理の脂っこさを洗い流し、口の中をさっぱりさせる効果があるとか。また、日本酒は出汁などの魚介の旨みを引き立てるが、樽酒はよりその効果が高いといわれる。開けたてと時間が経った樽底の風味の変化を楽しめるのも、瓶詰めの日本酒にはない魅力だ。

テーブルに並ぶ朱塗りの膳、一合升で飲む樽酒。お祝い事などなくても気分が上がり、初めて隣あった同士でもついつい会話が弾む。『バイブス』という店名にも「楽しく召し上がってほしい」との願いがこもっている。

本日の樽酒(飲み比べ)

  • 古都 速醸普通酒(佐々木酒造・京都府)正1合1,200円
    店の定番酒は地元京都のお酒。軽快できれいな味わいは「京都の料理と面で合わせるイメージです。」

  • 杉錦 生酛純米(杉井酒造・静岡県)正1合1,200円※2杯目以降は1,000円
    店主の思い入れが深い静岡県の酒蔵。「カツオ漁で知られる焼津港に近いエリアの酒蔵で、肉に合わせてもいいくらい酸味の主張が強いお酒。新酒の生酛なので、わりと青い感じ」。杉錦は準定番酒にする予定で「これは2022BYですが、同じ酒の年数違いや原酒との違いなど丁寧な飲み比べを提案していきたい」
  • 才助 米焼酎(杉井酒造・静岡県)ロックグラス800円
    杉錦と同じ酒蔵の米焼酎。静岡酵母仕込み、黄麹使用。生酛純米の空樽に詰めたもの。酵母も麹も日本酒と同じものを用いて作られ、米の香りとやさしい甘さで飲みやすい。果実酒のベースになど、今後構想がふくらむ。

樽酒に蕎麦とアテを合わせる

蕎麦がき(小)500円
京丹波産の蕎麦の実を注文があってから製粉するので、挽きたての華やかな香りが楽しめる。一人前ずつ練り上げる蕎麦がきは熱々もっちり。粒がわかるほどの極粗挽きならではの食感も相まって樽酒のアテにぴったりだ。他にも弓惠さんお手製の鴨ロースや旬のアテも楽しめる。

蕎麦 茗荷と五辻さんの塩昆布とオリーブオイル 1,200円
歯応えしっかりの手打ち蕎麦は、木樽仕込み醤油と杉錦の純米本みりんの本返し、砂糖不使用の出汁を加えたつゆで。エクストラバージンオリーブオイルの油分と京都の老舗の塩昆布が滋味を添える。

バイブス上がる

実質、升にはこぼれるほど注いで貰えるので1杯あたり約1合半。3杯飲むと、その場に居合わせた者同士で盛り上がる。
立ち呑みならではの気やすさと、ほかでは味わえない特別な樽酒と手打ち蕎麦。
人や空間が反応しあい気分は最高潮に。
今後は空き樽を利用したブレンド酒の仕込みも考えているそうで、ますます樽酒の自由な楽しみ方が広がりそうだ。

LO19時までの営業なので帰り際はまだ日が明るい。「どなたさまも素敵な晩酌を」

 

蕎麦と樽酒VIBES

蕎麦と樽酒VIBES

住所
京都市上京区三軒町48-9(イベントスペース つれづれnishijin内)Googlemapで開く
TEL
090-2194-0706
HP
https://www.instagram.com/vibes_kyoto_nishijin
営業時間
15:00~19:30(L.O19:00)
定休日
月・金・土・日

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