「クールジャパンDXサミット」から見た[観光×日本酒]の可能性
「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、日本酒はかつてないほどの注目を集めようとしているが、実際にどのような印象を持たれているのだろう?東京・八芳園で開催された「クールジャパンDXサミット2024」ブース出展の様子とそこで感じた日本酒の可能性を報告する。
「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、日本酒はかつてないほどの注目を集めようとしている。
一方で実際にどのような印象を持たれているのかも気になるところだ。それをうかがい知ることができるイベントが、2024年12月9日に東京・八芳園で開催された「クールジャパンDXサミット2024」だ。
観光立国・日本を目指す中でのキーワードとなった「クールジャパン」において、日本酒目線ではどのような可能性を見出せるのかと、今回Sake Worldが初めてブース出展。当日の様子を報告する。
国内有数の日本庭園が開催地
これまで日本国内各都市で開催されてきた「クールジャパンDXサミット」だが、今回の開催地は東京都にある八芳園。都内でも有数の高級住宅街である白金台エリアにある日本庭園で、園内にあるイベントスペースが会場となる。
会場は2つに分かれて、ひとつにはトークセッションとして、ひとつは企業の出展ブースとして使用。
トークセッション会場では、様々な角度からクールジャパン戦略について議論され、その様子をテレビ局が取材に訪れるなど関心の高さが伺えた。
日本酒関連では、石川県金沢市にある[福光屋]の十四代目当主・福光太一郎氏が、「発酵」を題材としたセッションで、俳優の斎藤工さんや元サッカー日本代表の鈴木啓太さんとともに議論。日本酒製造から生まれた技術による価値創出を紹介した。
また、今後のクールジャパン戦略について議論するセッションでは、有力なコンテンツのひとつとして「日本酒」が挙げられた。イベント開催の数日前に、ユネスコ無形文化遺産に登録されたこともあり、とりわけホットな話題として扱われたことも印象的だ。
「京都(KYOTO)」に対する期待の高さ
今回Sake Worldは、本イベントにおいて協賛企業としてブース出展。さらに、セッション終了後に開かれたアフターパーティーにおいて、オリジナルブランド「Assemblage Club」を振る舞い酒として提供した。
ブースとしては、Sake World事業全体について紹介することが目的だったが、設営の際から多くの来場者が立ち止まり、あらゆる角度から、事業に関する質問が寄せられた。
特に目立ったのが、NFTマーケットプレイス、メディアサイト、オリジナル日本酒ブランド、製造酒蔵、日本酒づくり体験施設など、Sake Worldが日本酒に関する事業を多角展開していることに対してであった。さらにそれらを短期間で立ち上げていることには、関心を飛び越え驚嘆する方も。
運営会社(株式会社リーフ・パブリケーションズ)が「京都」にあることについても、耳目を集める結果となった。
先述した通り、クールジャパンDXサミットは、日本の今後の観光戦略について議論するイベントであるが、その中において、日本が世界に誇る観光都市でもある「KYOTO」に対しては、こと大きな期待を寄せられている。
それは来年に開幕が迫り、トークセッションのひとつにも組み込まれていた「大阪・関西万博」に対しても当てはまる。いずれも、外国人観光客(イベント)を呼び寄せるための有力なきっかけとなることが期待されている。
他地域においても、都度日本の魅力を発信していくことが観光DX化に繋がっていき、今後のクールジャパン戦略のカギを握ると考えられる。「地方発」は、もはやハンデなどではなく、大きな強みへと変わろうとしている。
Sake Worldができること
京都に対する期待は、ある種の憧憬にもなっていることも印象的だった。
インバウンドにとって、京都が人気の観光地であることは周知の事実であるが、それは国内においては従来以上にブランドとして扱われることを意味する。
また、今後の観光戦略においては、「体験」がキーワードとなっていることも分かった。人気の観光スポットは既に定番化しており、リピーターになってもらうためには、日本文化を感じることができる空間を新たに作っていくことが今後の課題となっているようだ。
その中において、Sake Worldの新規事業である日本酒づくり体験施設『My Sake World』に対しては、従来とは違う価値を提供できる可能性があることで、関心と大きな期待が寄せられた。近年のマーケティングのトレンドでもある「没入」要素も含まれていることも、より興味を持たれる理由となった。
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♯MySakeWorld
“本題”であるAssemblage Clubに対しても、実際に試飲した来場者からは評価は上々だった。初見であることの新鮮さがあったことを加味しなければならないが、「東京で京都の日本酒を飲む」ということが、思いのほか少ないということも要因のひとつであったことも考えられる。
「都内有数の高級住宅街にある日本庭園」という、京都の企業にとってはこれ以上ない“アウェイ”での出展にもかかわらず、多くの気づきを得られた1日だった。事業における現在地を推し量ることができ、Sake Worldにとって観光は今後重点的に強化していくべきジャンルだということが認識できた。
引き続き編集部では、国内外の各地に赴き、交流とともに酒の価値最大化を目指していく。