Sake Brewery

中島屋酒造場

200年の歴史の記憶をさらに次の200年へ繋げる
[中島屋酒造場]の記憶に残る酒造り

山口県周南市で文政年間から続く酒蔵[中島屋酒造場]は、200年にわたって酒造り一筋。豊かなラインナップで時代が変わっても記憶に残っていく酒を造り続ける。

中島屋酒造場
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200年続く、一心の酒造り

現在は石油コンビナートとして栄える山口県周南市。[中島屋酒造場]は、神代川と富田川の合流地点である富田土井に蔵を構えている。文政6年(1823年)からおよそ200年間、酒造り一筋を貫いている。地元密着の銘柄「寿」は、長命を願い祝い事や儀式にも使われ、「鶴・亀・寿」と呼ばれて長い間地元住民に愛されてきた。また、希少な伝統の生酛造りで醸した「カネナカ」や、新しい時代を見据え、平成6年にスタートしたブランド「中島屋」など、コンセプトが明確で豊かなラインナップの酒が並ぶ。社訓には「酒中在心」を掲げ、一心に醸し、量産では出せないうまさを宿らせている。

人々の記憶に残る酒を醸したい

酒造りの長い歴史の中、時代とともに変化することと変わらずに残るもの、そのすべてが現在の酒蔵の姿に紐づくと考え、長きにわたり続く熟練の技と、現代の最新の化学的知識を融合させて、味わいを生み出すことを大切にしている。そうして醸された酒が、時代や嗜好が変わっても流行に流されずに人々の記憶に残っていくことを目指すのが酒造りのモットーである。

こだわりの環境と技法

日本酒造りにおいての格言に「一麹、二酛、三造り」というものがあるが、そのとおり、最も重要な工程は麹造りとされている。[中島屋酒造場]では、麹造りをおこなう「麹室(こうじむろ)」に質の高い秋田杉が使用され、麹という微生物に心地よい自然の空間が作られている。また「カネナカ」の造りには、17世紀後半に生まれた技法の「生酛造り」を採用。通常酒造りの工程では雑菌の繁殖を防ぐため、乳酸菌の力を借りる。現代では主に、人工乳酸を添加した「速醸酛」という酒母を造るが、生酛造りは蔵に生息する自然の乳酸菌を取り込むことで、酒に複雑で深みのある味わいを生む。それをさらに土蔵で1年以上熟成させると、旨味やふくらみが増すとのこと。こうした味わいが「中島屋らしさ」であり、コンテストや海外でも高い評価を得ている。

次の200年へ繋げるために

飲み手や酒を供す酒販店・飲食店といった人たちの関わりのもとに成り立つのが酒蔵。酒を介して繋がる人との縁を大切にし続けながら、自らの酒造りをより広く知ってもらうため、商品開発や、海外コンテストへの出品などの海を越えた展開にも取り組んでいる。200年の歴史をさらに未来の200年へ繋げるため、たゆまぬ努力は続く。

この酒蔵の銘柄一覧

株式会社中島屋酒造場

株式会社中島屋酒造場

創業
文政6年(1823年)
代表銘柄
カネナカ、中島屋、寿
住所
山口県周南市土井2-1-3Googlemapで開く
TEL
0834-62-2006
HP
https://nakashimaya1823.jp/
営業時間
9:00~12:00、13:00~17:00
定休日
土・日曜、祝日、GW、お盆、年末年始

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