原田 特別純米酒
はつもみぢ | 山口県
はつもみぢ
山口県の老舗酒蔵「はつもみぢ」が創業したのは今から205年前の1819年(文政2年)にまで遡る。山口県産の酒米のみを使用し、一年中酒を造る四季醸造蔵だ。
江戸後期にあたる1819年、周南市の中心市街にある繁華街に創業した「はつもみぢ」。社名はお酒を飲んで頬がほんのりと赤くなる様子を、色づく紅葉にたとえて詠んだ和歌「初紅葉」に由来する。「初紅葉」はかつての定番商品の酒名でもある。
200年以上続く酒蔵だが、決して順風満帆な歴史を辿ったわけではない。1985年には当時の日本酒需要の低迷さから酒造りを一時中断し、酒販に専念。酒造りは20年に渡って中断された。
その後2005年、十二代目蔵元によって酒造りが再開。原点回帰の意味も込めた「原田」という蔵元の名を取ったお酒が誕生した。歴史ある酒蔵だからこそ、これまでの先祖からの繋がりを大切にしたいという想いが込めた「原田」は現在では代表銘柄となっている。
「日本の季節は、呑める」をキャッチコピーに、お米の旨味を存分に引き出したお酒を造りたい想いから全量を純米酒として製造する「はつもみぢ」。お酒そのものはもちろん、お酒によって映し出される季節を楽しめるような酒造りを目指す。
酒造りに使用される米は全て山口県産。地元の素材にこだわった、山口の生え抜きの純米酒を追求。「原田」は山口県のオリジナル酒米「西都の雫」、最高峰の酒米「山田錦」、そして「幻の米」とされる「イセヒカリ」や「雄町」などを原料としている。
水も地元産にこだわり、仕込みのたびに鹿野で湧き水を汲む。山口という地に根を張った酒造りによって「原田」は周南を代表する地酒の一つとなっている。
「いつでも搾り立ての味を届けたい」という想いから、一年中酒を仕込む四季醸造を行う。春は新酒、夏は低アルコールの酒、秋は冷やおろし、冬は濁り酒と、春夏秋冬それぞれに一つずつ季節の酒も製造する。
酒造りの歴史と伝統を若手に引継ぎ、若い人にも日本酒を楽しんでもらうべく立ち上げた新ブランド「て、咲く」も。苦難の時代も乗り越えてきたからこそ、新たなチャレンジを後押しして次世代の育成や日本酒文化の醸成にも力を入れる。
身近な造り酒屋として、移りゆく季節を楽しむ手間を惜しみなく注ぐ酒造りを続ける「はつもみぢ」。歴史と伝統に基づく新たな革新とチャレンジはこれからも続く。