山王 雄町米の酒
有限会社田中酒造場 | 岡山県
田中酒造場
山懐に抱かれた岡山県美作市大原地区。この地域には因幡と播磨を結ぶ因幡街道沿いの宿場として栄えた大原宿があり、今も本陣や脇本陣が残る。
参勤交代の士たちも行き来した江戸時代の佇まいを色濃く今に伝える街道筋の一角で、約130年前より酒を醸すのが「田中酒造場」。
中国山地の山間という寒冷な気候と豊かな地下水に恵まれたこの地で、昔ながらの和釜を使って蒸し上げた米を用い、槽(ふね)でゆっくり時間をかけしぼる酒は、長年近隣に住む人々に愛されてきた。
創業以来の代表銘柄である「大原白梅」や、蔵元からほど近い場所で生まれたといわれる剣術家・宮本武蔵にちなんだ「武蔵の里」に加えて、2012年からは速醸酛と山廃酛の二つの酛から造られる季節替わりの味わいが楽しい「宙狐(ちゅうこ)」も登場。中国地方に古くより伝わる「きつね火」の別名が付けられたこの酒をはじめ、多彩で意欲的な酒造りが続けられている。