吟醸 玉の井
二木酒造 | 岐阜県
二木酒造
岐阜県高山市で唯一の吟醸蔵である[二木酒造]。1695年の創業以来、飛騨山脈を源泉とした水、優れた酒米、寒冷な気候と酒造りに適したこの地で最高峰の吟醸酒を世に送り出している。
二木酒造が創業した元禄8年は飛騨の地が幕府直轄地となり、幕府から高山城破却の命令が出された頃。先代がもともと石川県に住んでいたことから、屋号は「加賀屋」。このため酒蔵の入り口ののれんにも「加賀屋」の染め抜きがされている。古い町並みと呼ばれる上二之町という地における長い歴史と伝統が織りなす酒造りは、現在16代目の当主が守り続けている。
現在の建物は明治の初めの大火で大部分が消失した物を、残っていた江戸時代の図面をもとに再建。家の中央にある清冽な井戸水は酒造りの仕込みに使っていたという。岐阜県産の普通米「あきたこまち」を60%精米して仕込む「玉の井」の酒名もこれにちなんで名付けられた。
飛騨で「生酒」ブームを起こしたと言われるのが、極寒の寒さの中で仕込まれる「大吟醸 生酒 氷室」。仕込みから絞りまで通常よりも日数をかけて行うことで吟醸香を楽しめる味わいに仕上げる。また厳冬に仕込みをし、ひと夏の間貯蔵熟成した「大吟醸ひやおろし 秋麗の炎」も。これら「四珠の味シリーズ」は日本の四季が織りなす旨味を感じることができる。
このほか最高の酒米が実った年にのみ製造される「純米大吟醸いちい」など、質にこだわった数量限定の商品も多い。300年以上変わらぬ妥協のない酒造りの姿勢を感じることができるはずだ。
長い歴史と伝統、そして満ち足りた風土が育む贅沢な味わい。時代が変わっても吟醸造りの吟醸蔵で大切に育て上げられた逸品の美味しさは、変わらずここから生み出されていく。