【豆知識】悪酔い・二日酔いはしたくない!スッキリ翌朝を迎えられる日本酒の飲み方
お酒好きなら誰もが経験しているはずの悪酔いや二日酔い。翌日に残らないお酒の適量や飲み方のコツ、おすすめのおつまみなど知っておきたいあれこれについて、唎酒師の藤田えり子さんが解説します。
酔うまでの時間差に要注意!
アルコールは胃や腸で吸収されると血流に乗って全身を巡り、脳を麻痺させます。これが気持ちよく酔った状態ですね。個人の体質によって違いますが、酔い始めまでは30分から2時間程度かかるといわれています。この時間差があるため、飲み方によっては急に酔いが回ってしまったり、酔いを自覚する前に飲み過ぎて悪酔いや二日酔いにつながるというわけです。
あなたの適量はどれくらい?
では、何杯までなら悪酔いをしない適量なのでしょう?
厚生労働省が示した“節度ある適度な飲酒量”は、純アルコール換算で1日約20g。日本酒は1合から1合半、ビールなら中瓶1本半から大瓶1本程度です。もちろん個人差はありますが、意外と少ないと感じるのではないでしょうか?さらに女性はもっと少ない量が推奨されています。
また、アルコールが抜ける時間に関して、日本酒では1合あたり4~5時間というのも目安になります。翌日の予定を頭において、飲む量をコントロールできればいいですね。
日本酒は悪酔いするというのはウソ
「日本酒は悪酔いするから」といわれることがありますが、特にほかのお酒との違いはありません。あえていうなら日本酒のアルコール度数は15%前後とやや高めなのに、口当たりがよくて、つい飲み過ぎてしまうのが理由かもしれません。ついでにいうとお酒をちゃんぽんすると悪酔いする説も事実ではないです。あれもこれもと飲んでいるとトータルの量がわからなくなってしまうのでしょう。
身体にやさしい飲み方のコツ
まず一番に、効果的面なのが水を飲むこと。お酒と一緒に飲む水を「和らぎ水」と言いますが、お酒1杯ごとに水1杯を意識してこまめに合間を取りましょう。アルコールの利尿作用による脱水症状も防げます。
また空きっ腹のままお酒を飲むと、アルコールの刺激で胃酸が出過ぎ、胃の粘膜を傷つけてしまいます。さらにアルコール吸収の早い小腸へ直接お酒が流れ込むことになるので、必ず何かお腹に入れるようにしましょう。
おつまみ選びにもポイントがあり、定番の枝豆は肝臓の働きを助けるタンパク質やアルコール分解に必要なビタミンB1が含まれているので、ぜひ食べたい一品です。脂肪分の多い揚げ物はアルコールの吸収を抑えてくれますが、太る要因になるので控えめに。ほかにもチーズなどの乳製品、豚肉、ブリ、ウナギ、タコ、イカ、トマトがおすすめです。シジミの味噌汁の悪酔い防止効果も科学的な裏付けがあるので締めにおすすめです。
お酒はおいしく適量を
実は二日酔いのあの症状はなぜ起きるのか、まだよくわかっていないのだとか。ただ飲み過ぎが原因ということだけは確かです。睡眠不足やストレスでもアルコール代謝が低下するそうなので、お酒をおいしく飲むためには体調を整えて、そして何より適量を心がけてくださいね。
(参考:厚生労働省e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-005.html)
ライター・唎酒師 藤田えり子
大阪の日本酒専門店に世界を広げていただき、さまざまな日本酒や酒蔵に出合う。好きな日本酒は秋鹿、王祿ほか
お酒以外の趣味は鉱物集めとアゲハ蝶飼育。
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